木下昌彦神戸大学大学院法学研究科教授

2026年7月14日・第221回国会 参議院 内閣委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 26 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 95 発言)

ありがとうございます。

愛国心については、確かに、直接、本法案は直接に思想、良心の自由に介入するものではないんですけれども、報告でも申し上げましたように、その思想を抱くまでの思想の自由市場に介入するものではあることは明らかだと思います。

国旗というもの、国旗それ自体も、これは本法案ではなくて国旗・国歌法で規定されているもので、今後論理的には変わり得るものだと思いますけれども、その国旗を、今現在国旗として規定されているものを尊重するようにという方向のものは許すけれども、それに対して侮辱的なというか不快なものに対しては規制するということになっておりますので、本来、いろんな、平等に競争されるべきものの中で、一つは今現在ある国旗の方のみを重視するものですので、最終的に思想の自由市場に介入し、結局、人々の思想形成に影響を与えていくという側面は、本法案の目的がどうあれ、そういった側面はあろうかと思います。

ただ、皮肉なことなんですけれども、本法案ができることによって国旗への尊重の醸成が高まるかというと、それはむしろ逆効果なのではないかということはいろんな方が御指摘されていることかと思いますけれども、まさに、本法案ができることによって日本のその国旗それ自体が批判の対象になる、特に、まさに本法案を批判するのに必要な、最も適切な手段というのは、まさに本法案が処罰しようとした行為ですし、まさにこの本法案が処罰されなくても、本法案を批判するために、本法案では処罰対象になっておりませんが、例えば国旗にバツを付けたりとかという行為が批判の意味を込めてなされるかもしれないと。

また、これまで国旗に対して愛着を持っていた方、あるいは日本国に対して愛着を持っていた方というのも、もしかしたら、こういった民主主義というのがだんだんなくなってくるということになりますと、その国への愛着とか国旗への愛着というのは併せてなくなっていくかもしれないということがあります。

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