佐々木雅文 (公明党)

2026年5月19日・第221回国会 参議院 総務委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 81 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 161 発言)

ありがとうございます。

では、次のテーマ、最後、一題ですけれども伺いたいと思います。

今の話はちょっと一気に変わるんですけれども、選挙や選挙運動の在り方については各党間での議論が中心で行われることはよく承知をしておりますが、私自身の問題意識も含めまして、確認も踏まえて伺いたいと思います。戸別訪問についてです。

公職選挙法百三十八条一項は戸別訪問を禁止をしています。私自身は、日本の選挙の投票率を上がらなくしている大きな要因の一つが戸別訪問の禁止だと考えています。また、政治活動、選挙運動を狭めて、政治や国民、政治家と有権者、それぞれの距離を広げてしまっている原因でもあると思っています。

この戸別訪問、海外で禁止している先進国、ほぼありません。日本での歴史はただ古くて、大正十四年に普通選挙法が成立したときからのものとなっています。当時の立法事実は、買収などの不正の温床になることや、候補者、有権者共に煩に堪えない、こういったことがあったとされていますし、これが公職選挙法においても前提として引き継がれているところだと思います。

しかし、そうした立法事実は現在はもう維持できないものだと思います。例えば、SNSを含めてインターネットを踏まえた政治活動、選挙運動が広く展開される昨今において、仮に不正があれば直ちに明るみになるのであって、戸別訪問が不正のもとになり得ない時代背景ですし、逆にSNSでの不正の方が深刻な事態を招くこともあり得ます。また、国政や地方自治の根幹となる政治活動、選挙活動を煩わしいものとしている観点こそが問題だと思います。

大正十四年の成立時に戸別訪問禁止が導入された理由は、社会情勢の変化に伴って普通選挙、現在からするとそれでも制限的なものですが、その実現と引換えに大衆運動に対する警戒心があったという政治的、時代的背景があったことも指摘をされていますし、治安維持法も同じ年に成立しているということもあります。

その後、戦後、公選法の改正時にも戸別訪問解禁議論されましたが、自由化に強く反対したのは当選が確実な有力議員であったという指摘もあります。また、平成五年から六年にかけての選挙制度改革の際にも議論となりましたが、最終的に弊害が過大に評価されるような状況になって禁止が継続となりました。

そもそも、戸別訪問による政治活動、選挙運動は最も自然な行為でもあって、そのこと自体に違法な要素は認められません。政策を有権者に訴える手段の一つとして、また有権者と候補者の意思疎通、コミュニケーションを図る上では、インターネットによる選挙活動が中心になりつつあるからこそ、よりリアルな政治家と接触することができる戸別訪問は有用であり、有効であると考えます。

投票率を上げ政治への国民参加を促す上でも議論の対象にしていくものだというふうに考えますが、改めて、戸別訪問が今現状禁止されていることについての立法事実、またこれまでの経過について伺いたいと思います。

前後のやりとり

77の発言を見る

85の発言を見る