諸富徹京都大学公共政策大学院院長

2026年5月20日・第221回国会 参議院 国民生活・経済に関する調査会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 47 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 94 発言)

やっぱり、岸田政権、石破政権の思いはあるにしてもうまくいかなかった原因は、やっぱりなかなか、金融所得に狙い撃ちをして課税することの投資家さんの反発は非常に大きいし、それはマーケットに表れてしまいますし、特にその投資家の基盤、これは本当にそういうふうにやってきたからそんな結果を生み出したとも言えるんですけれども、貯蓄から投資へという流れをずっと日本政府としても後押ししてきて、NISAもそうですけれども、若い人も含めて、以前は企業が年金を運用してくれていたけれども、今は自分が会社に入ったら確定拠出で自分の自己責任で運用しなきゃいけなくなっていますので、極めて株式市場の動きに対して若い人も含めて敏感になっているんだと思いますね。そうしますと、これに課税しますということになりますと、若い人も含めて自分たちへの課税というふうに受け取るんですね。これがすごく反発が、世論の反発、もうSNS上でもすごく反発強いですよ、見ていたらですね。なので、非常に不人気な課税として、政治的にはなかなか今難しくなっているということだと思います。

このミニマム税のブレークスルーは、ダイレクトに金融所得に課税することを避けたという、ちょっとネガティブな言い方しますけども、避けたという点だと思います。これ実は申告納税でして、他の給与所得等も含めて合算した上で、一定以上の所得のある人に対して差額課税、しかも、本来納めるべき税金を下回っている場合の差額課税ですので、マイルドになっているんですね。

それから、狙い撃ち課税としての側面を除いていますし、あと、そもそも、税金、金融所得税で狙い撃ちにしますと、根っこから二〇%掛かるんです、控除なしでですね。だけど、これは申告で、他の合算をした形になりますと、ちゃんと控除制度とかそういうのが適用されていきますので、この辺りが多分、結果的にうまく導入できた、しかし極めて限定的にしたことももちろん寄与しているんですね。これ、小さく産んで大きく育てるじゃないですけれども、これを大きくしていくことが日本的な一つの道かなというふうに思っております。

ダイレクトに、先生が今、金融所得課税をダイレクトにやることの可能性ということで問われたのでしたら、なかなかこの先も正直言うと厳しいのじゃないかと思っています。なので、こういうミニマム税の形がまあまあいい道ではないかなと思っています。

前後のやりとり

43の発言を見る

51の発言を見る