高良先生、どうも御質問ありがとうございました。
一番私がしゃべりたかったと同時に一番難しいところでもございまして、もちろん国境線を破るということは、国際法、国連憲章違反のことです。ただ、それにはそれなりの歴史的理由も実はこれありというのが、添付させていただきました新しい資料を御紹介いたしました。
それを見ると、やっぱりロシア革命の過程で、やっぱりこの地域は何よりも遊牧の民が行ったり来たりしていた地域、そして何よりもコサック部隊というのはその最も自由な民であると同時に最も権力の手先でもあったという二重性のある人たちの世界。これに、先ほど申し上げた石炭開発のために移民がロシアのクールスクからドンバスにやってきたと。
これは、それまで三百五十年ぐらいは誰もそれをどっちがどっちだという、ザポリージャ・コサックという人たちもいて、この人たちはモスクワ派でもあったわけです、正教だったわけですね、カトリック嫌いで、それでモスクワとよりをつくって、それで、これがロシア帝国の基礎になりますので、だから、コサックという人たちの考えている政治思想とか何かというのは大変難しかった。しかし、ロシア語をしゃべる人たちであり、正教徒であり、正教徒の中でも一番、モスクワ派というか、モスクワがローマだという考え方なんですね。
何でモスクワがローマだというと、第一のローマが滅びて、コンスタンチノポリスが、オスマントルコがやって、これも滅びたときにモスクワは第三のローマだと、これはモスクワの自称です、いわゆるちゃんとしたキリスト教の公会議で承認された考えじゃないんですが、にもかかわらず、モスクワ総主教座というのはそういうものだという形で、少なくともこの旧ソ連のマロルーシ、それからベラルーシ、ほかにも黒いルーシとか黄色いルーシとかいろんなルーシが実はあったんですが、そういう形で、全ロッシーヤ、全ロシアと。だから、ロシアという言葉に、我々が理解する今のロシアと、もうちょっと広いロシアと両方あるものですから、その中でドンバスはどっちだといったって、これはもう答えられない問題で。
少なくとも、そういう合意なしにソ連邦が崩壊して、突然、何の鉄格子もない、鉄の国境線のばら線もないようなところで独立、三分割という、スラブ系三民族が別個の法的共同体をつくったと、合意がなかったという。したがって、すぐに、それはもうロシア人たちは民族自決権で、コサックの人たちは特に、一番自分たちが愛国的だと思っている人たちと、今度は、ハプスブルグとかそっちにしか属したことのない西ウクライナのリビウ辺りの人たち、これもまたそれなりのやっぱりヨーロッパとしてのアイデンティティーを持って、この二つがウクライナの中で争っているという、こういう問題なものですから、結局、川で決着付けちゃえというのが一六六七年のその条約だったわけでございまして。
ポーランドというのは、平原の民という、ポーリャというのはロシア語で、スラブ系の言葉でみんな平原という意味です。これに対し、ロシア人というのは、森の民という、森の民というのは何かというと熊さんです。熊というのは蜂蜜を食べる民ということで、森の中で蜂蜜を食べているんだけれども、それで降りてきて、それで開墾して石とか何かをのけて、生産性の低いところに農地をつくって、そして、それこそ熊がやってくるのを防ぎながら水をあれして、そこで育ってきたのがロシア人。だから、ウクライナとロシア人たちの間には有意の差があるわけですね。だから、モスクワというのは、大きな熊というフィンランドの言葉だという説もございます。
ですから、もう一つは、シラカバというのが重要で、シラカバからタールが取れますので、川の民は戦争するとき、船団をつくって騎馬部隊を船団で動かすわけです。そうすると、川と川の間をトロッコで船を持ち上げて、奴隷のように、ボルガの舟歌というのがございますけど、船を持ち上げて、それで騎馬軍団が動いたりするという、こういうのが彼らの文明だったわけで、そういう民との一番のあれが、あそこのドニエプル川の、あるいはドン川のドン・コサック。だから、ドナウ川、ダニューブ川、ドニエストル川、全部ドンなんです。あれ北イランの言葉だということのようです。
だから、イラン問題とロシア問題がなぜかここで衝突しちゃうんで、余り変なことを言うとあれでございますが、要するに、それほど遊牧民たちとの関係と宗教の問題、イスラム、それからユダヤ教徒、そしてその中で正教が、モスクワは自分たちの中心だという、これの境界が線を引くとどこになるのという、したがって、曖昧にしておけばよかったんですけれども、曖昧にできなかったという。
そういうことで、今もう戦場でもはやウクライナの人たちが取り戻す可能性はほぼなくなったというのが、私の理解する、中国もそうであり、アメリカの経済界もそうであり、トランプ政権もそうでありという形で、西ヨーロッパの方が、EUが御案内のとおり抵抗しているわけですが、これも、腐敗問題が出てきてもうお金出せないよなということに世論が動いて、どこかで線を引いて、取りあえず撤兵して戦争を止めようと。停戦がいつ、国境線になるか、これは分かりません、私には。
59高高良沙哉政府参考人など
沖縄の風、高良沙哉です。
本日は、水島参考人、下斗米参考人、お二人に本当に多くのことを学ばせていただいております。ありがとうございます。
まず、水島参考人に、今日いただいているレジュメの中からお聞きしたいことがあります。
今日いただいているレジュメの一番最後の四ページ目のところに、オランダ・スリナム関係ということで写真付きの記事が出て、文章が出ているかと思うんですが、今後、日本も、アジアの中で関係をきちんと築いていくために、かつての植民地支配の責任に再びどう向き合うかということは、まだ解決できていない問題としてとても大事だというふうに私の問題意識の…
この発言のページ
60水水島治郎千葉大学大学院社会科学研究院教授
スリナムの件、注目していただき、誠にありがとうございます。
これは、御承知のとおり、特に二〇二〇年代に入って、南北アメリカを中心に、黒人差別、そしてそこにつながる形での奴隷制、奴隷貿易といった過去の遺産に対する注目が非常に高まってまいります。もちろんそれ以前からも高まりはあったんですけれども、特に二〇二〇年代、いろんな事件起きた後ですね。
その中で、過去をどう捉え直すかということがオランダでもかなり議論になり、その中で、やはり最終的には国王が謝罪しなければならないだろうという形で、何といいますか、世論が、世論といいますか、関係者の意識がつくられていっ…
この発言のページ
61高高良沙哉政府参考人など
ありがとうございます。
どういう意味合いが含まれているのかということを確認したかったということでした。今回のこの文章を読む中で、やはりそのコミュニティーの文化を尊重する形で合意が形成されていくということに大きな意味があるなというふうに私自身は感じました。ありがとうございます。
続きまして、下斗米参考人にもお聞きしたいんですが、今日いただいている資料にあったかどうかはあれなんですが、予習をしてきた中で、帰属問題、ドンバスの帰属問題というものがとてもこの紛争の中で大きな意味合いがあるなというふうに思っているんですが、ドンバスの自治とかドンバスの意思という…
この発言のページ
- (上の発言)
62下下斗米伸夫神奈川大学特別招聘教授/法政大学名誉教授
高良先生、どうも御質問ありがとうございました。
一番私がしゃべりたかったと同時に一番難しいところでもございまして、もちろん国境線を破るということは、国際法、国連憲章違反のことです。ただ、それにはそれなりの歴史的理由も実はこれありというのが、添付させていただきました新しい資料を御紹介いたしました。
それを見ると、やっぱりロシア革命の過程で、やっぱりこの地域は何よりも遊牧の民が行ったり来たりしていた地域、そして何よりもコサック部隊というのはその最も自由な民であると同時に最も権力の手先でもあったという二重性のある人たちの世界。これに、先ほど申し上げた石炭開発のために移民がロシアのクールスクからドンバスにやってきたと。
これは、それまで三百五十年ぐらいは誰もそれをどっちがどっちだという、ザポリージャ・コサックという人たちもいて、この人たちはモスクワ派でもあったわけです、正教だったわけですね、カトリック嫌いで、それでモスクワとよりをつくって、それで、これがロシア帝国の基礎になりますので、だから、コサックという人たちの考えている政治思想とか何かというのは大変難しかった。しかし、ロシア語をしゃべる人たちであり、正教徒であり、正教徒の中でも一番、モスクワ派というか、モスクワがローマだという考え方なんですね。
何でモスクワがローマだというと、第一のローマが滅びて、コンスタンチノポリスが、オスマントルコがやって、これも滅びたときにモスクワは第三のローマだと、これはモスクワの自称です、いわゆるちゃんとしたキリスト教の公会議で承認された考えじゃないんですが、にもかかわらず、モスクワ総主教座というのはそういうものだという形で、少なくともこの旧ソ連のマロルーシ、それからベラルーシ、ほかにも黒いルーシとか黄色いルーシとかいろんなルーシが実はあったんですが、そういう形で、全ロッシーヤ、全ロシアと。だから、ロシアという言葉に、我々が理解する今のロシアと、もうちょっと広いロシアと両方あるものですから、その中でドンバスはどっちだといったって、これはもう答えられない問題で。
少なくとも、そういう合意なしにソ連邦が崩壊して、突然、何の鉄格子もない、鉄の国境線のばら線もないようなところで独立、三分割という、スラブ系三民族が別個の法的共同体をつくったと、合意がなかったという。したがって、すぐに、それはもうロシア人たちは民族自決権で、コサックの人たちは特に、一番自分たちが愛国的だと思っている人たちと、今度は、ハプスブルグとかそっちにしか属したことのない西ウクライナのリビウ辺りの人たち、これもまたそれなりのやっぱりヨーロッパとしてのアイデンティティーを持って、この二つがウクライナの中で争っているという、こういう問題なものですから、結局、川で決着付けちゃえというのが一六六七年のその条約だったわけでございまして。
ポーランドというのは、平原の民という、ポーリャというのはロシア語で、スラブ系の言葉でみんな平原という意味です。これに対し、ロシア人というのは、森の民という、森の民というのは何かというと熊さんです。熊というのは蜂蜜を食べる民ということで、森の中で蜂蜜を食べているんだけれども、それで降りてきて、それで開墾して石とか何かをのけて、生産性の低いところに農地をつくって、そして、それこそ熊がやってくるのを防ぎながら水をあれして、そこで育ってきたのがロシア人。だから、ウクライナとロシア人たちの間には有意の差があるわけですね。だから、モスクワというのは、大きな熊というフィンランドの言葉だという説もございます。
ですから、もう一つは、シラカバというのが重要で、シラカバからタールが取れますので、川の民は戦争するとき、船団をつくって騎馬部隊を船団で動かすわけです。そうすると、川と川の間をトロッコで船を持ち上げて、奴隷のように、ボルガの舟歌というのがございますけど、船を持ち上げて、それで騎馬軍団が動いたりするという、こういうのが彼らの文明だったわけで、そういう民との一番のあれが、あそこのドニエプル川の、あるいはドン川のドン・コサック。だから、ドナウ川、ダニューブ川、ドニエストル川、全部ドンなんです。あれ北イランの言葉だということのようです。
だから、イラン問題とロシア問題がなぜかここで衝突しちゃうんで、余り変なことを言うとあれでございますが、要するに、それほど遊牧民たちとの関係と宗教の問題、イスラム、それからユダヤ教徒、そしてその中で正教が、モスクワは自分たちの中心だという、これの境界が線を引くとどこになるのという、したがって、曖昧にしておけばよかったんですけれども、曖昧にできなかったという。
そういうことで、今もう戦場でもはやウクライナの人たちが取り戻す可能性はほぼなくなったというのが、私の理解する、中国もそうであり、アメリカの経済界もそうであり、トランプ政権もそうでありという形で、西ヨーロッパの方が、EUが御案内のとおり抵抗しているわけですが、これも、腐敗問題が出てきてもうお金出せないよなということに世論が動いて、どこかで線を引いて、取りあえず撤兵して戦争を止めようと。停戦がいつ、国境線になるか、これは分かりません、私には。
63高高良沙哉政府参考人など
ありがとうございます。引き続き勉強します。
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64
鈴木宗男(自民)
各会派の一巡目の質疑は終了いたしました。
伊勢崎賢治君から質疑の申出がありますので、認めます。伊勢崎賢治君。
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65
伊勢崎賢治(れいわ)
短くします。
下斗米先生、済みません。先ほどの、もしドンバス問題、若しくはウクライナ戦争の停戦、それと今、この御講演の中で朝鮮半島シナリオが出てきましたよね、これ。持続的な停戦か、若しくはアーミスティス、休戦になるか分かりませんが、そうなったとして、そこを誰かが監視しなきゃいけないわけで、前々から言われているのはOSCEとか、ゼレンスキーさんが言うところのセキュリティーギャランターの有志国なのか、誰かが監視しなきゃいけないわけですよね。
かえって、朝鮮半島シナリオの方を見てみますと、それに当たるものが朝鮮国連軍というわけです。これが僕が生まれる前にで…
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