今の答弁を伺っていまして、まあそこが非常に問題だと思っているんですが、今局長は、重要だとか進めているとか、そうおっしゃっていましたけど、現場は本当にそうなっているのかということなんですね。
薬学部を六年制にしたとき、これは大きな政策判断でした。実は私自身もその決断に関わった者として申し上げますけれども、何をやろうとしていたのか、これははっきりしていたはずなのですね。当時は、薬剤師が薬局の中に閉じこもるのではなくて、患者に向き合い、薬物療法に主体的に関わり、医師と同じくらいの臨床対応能力を身に付けるために臨床教育を強化するということでした。臨床、患者を診るということなんです。二年、二年を延ばして六年制にしたわけですけれども、これは単に勉強量を増やしたという話ではなくて、役割を変えるという制度改革だったはずです。
ところが、現状はどうか。現場を見ればまだまだ多くの薬剤師が、まあ少しは改善しているところもあるのですけど、依然として調剤業務に時間を取られています。いわゆる対物業務というやつですね。この対人業務、患者を直接診る、薬物療法に主体的に関与する、そういう姿にどれだけなっているのでしょうか。率直に言って、あの制度改正の狙いはまるで実現していないのではないでしょうか。
ここで伺いたいのは、評価ではありません。なぜ実現できていないかです。制度は二十年前に変えたんですよ、二十年前。教育も変えた。にもかかわらず、現場が変わっていない。ちょっとカタツムリのごとくの歩みであったかもしれませんけどね。であれば、それは現場の問題ではなくて、制度の運用あるいは政策の持っていき方の問題ではないでしょうか。
さらに、ここでより考えねばならないことは、薬剤師の魅力が低下しているんじゃないかという、そういう感じがしてならないんです。特に、薬学部に進学した人たちの意欲が低下しているのではないでしょうか。国家試験の合格率も決して褒められたものではありません。むしろ毎年、残念ながら、薬学部廃校する、そういう動きが、そういう話も出ているわけであります。
この最大の背景は、せっかく六年制になったにもかかわらず、やっていることはテクニシャンでも十分にできるし、最近は自動調剤機というものが取って代わろうとしているのが現状なんですね。これじゃ四年制と全く同じじゃないですか。薬剤師の医療人としての崇高な使命は一体どこに行ったのでしょうか。
厚生労働省は、六年制の導入の狙いと現状との関係をどう総括するのか、しっかりお答えいただきたいと思います。
4
小川克巳(自民)
社会保障及び労働問題等に関する調査を議題とし、質疑を行います。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言のページ
5
木村義雄(自民)
木村義雄です。おはようございます。
それでは、実は二十年前の平成十八年度に薬学部が四年制から六年制に移行になりました。そのことに関して今日はちょっと議論してみたいと思います。
さきの健康保険法改正で、OTC類似薬の議論については制度改正として一応の整理がなされたのですが、あの議論を見ていまして強く感じたのは、本来議論すべき本丸から逃げているのではないかという点なんですね。その本丸というのは、言うまでもなく、薬剤師の役割の在り方、特に六年制移行の意味なのです。
OTCの問題というのは、薬の販売の方法や値段、価格だけのことではなくて、本来、薬剤師の専門…
この発言のページ
6宮宮本直樹厚生労働省医薬局長
お答えいたします。
薬剤師の職能の在り方については重要な課題であると認識しております。とりわけ、医師と薬剤師がそれぞれの専門分野で業務を分担することで、相互に独立した立場で専門性を発揮し、安全で効果的な薬物療法を実施を行う医薬分業の考え方の下で、医療の安全性を確保しながら、薬剤師が適切に職責を果たすということが重要であると考えております。
こうした観点から、チーム医療の中で薬剤師が専門性をより発揮できるよう、対人業務の充実等の施策を進めているところでございます。加えて、地域における薬局薬剤師の機能も、処方箋調剤を担うだけの存在ではなく、健康相談、OT…
この発言のページ
- (上の発言)
7
木村義雄(自民)
今の答弁を伺っていまして、まあそこが非常に問題だと思っているんですが、今局長は、重要だとか進めているとか、そうおっしゃっていましたけど、現場は本当にそうなっているのかということなんですね。
薬学部を六年制にしたとき、これは大きな政策判断でした。実は私自身もその決断に関わった者として申し上げますけれども、何をやろうとしていたのか、これははっきりしていたはずなのですね。当時は、薬剤師が薬局の中に閉じこもるのではなくて、患者に向き合い、薬物療法に主体的に関わり、医師と同じくらいの臨床対応能力を身に付けるために臨床教育を強化するということでした。臨床、患者を診るということなんです。二年、二年を延ばして六年制にしたわけですけれども、これは単に勉強量を増やしたという話ではなくて、役割を変えるという制度改革だったはずです。
ところが、現状はどうか。現場を見ればまだまだ多くの薬剤師が、まあ少しは改善しているところもあるのですけど、依然として調剤業務に時間を取られています。いわゆる対物業務というやつですね。この対人業務、患者を直接診る、薬物療法に主体的に関与する、そういう姿にどれだけなっているのでしょうか。率直に言って、あの制度改正の狙いはまるで実現していないのではないでしょうか。
ここで伺いたいのは、評価ではありません。なぜ実現できていないかです。制度は二十年前に変えたんですよ、二十年前。教育も変えた。にもかかわらず、現場が変わっていない。ちょっとカタツムリのごとくの歩みであったかもしれませんけどね。であれば、それは現場の問題ではなくて、制度の運用あるいは政策の持っていき方の問題ではないでしょうか。
さらに、ここでより考えねばならないことは、薬剤師の魅力が低下しているんじゃないかという、そういう感じがしてならないんです。特に、薬学部に進学した人たちの意欲が低下しているのではないでしょうか。国家試験の合格率も決して褒められたものではありません。むしろ毎年、残念ながら、薬学部廃校する、そういう動きが、そういう話も出ているわけであります。
この最大の背景は、せっかく六年制になったにもかかわらず、やっていることはテクニシャンでも十分にできるし、最近は自動調剤機というものが取って代わろうとしているのが現状なんですね。これじゃ四年制と全く同じじゃないですか。薬剤師の医療人としての崇高な使命は一体どこに行ったのでしょうか。
厚生労働省は、六年制の導入の狙いと現状との関係をどう総括するのか、しっかりお答えいただきたいと思います。
8宮宮本直樹厚生労働省医薬局長
お答えいたします。
薬学教育六年制につきましては、先生御指摘のとおり、臨床における実践的な能力を有する薬剤師を養成することを目的として導入されました。これは、チーム医療の中で薬学的知見に基づき疑義照会や処方提案を行い、薬学、薬物療法の安全性、有効性、適正使用を確保する対人業務の役割を発揮することにあると考えております。
一方、先生御指摘のとおり、現場において多くの時間を取られている対物業務の効率化を図り、対人業務の充実により、薬剤師の専門性を十分に発揮していくことが重要でありまして、これは道半ばではございますが、そのために各種の施策を進めてきたところ…
この発言のページ
9
木村義雄(自民)
これまで議論してきたとおり、六年制で薬剤師の能力は確実に引き上げられていると思うんです。しかし、まだまだ、今お話がありましたけど、制度はまだ十分に追い付いていないんです。この点、将来を見据えて考える必要があると私は思います。今はまだ医師偏在の問題という形で議論をされておられますが、将来的には、人口構造の変化の中で医師不足の地域が残る一方で、薬剤師は相対的に余剰になる時期が来るという、そういう推計もあるんです。(発言する者あり)医者は地域偏在、そう言いましたから。直美ばかり行ったら駄目なんですよ。ちょっと脱線しました。済みません。
そうであれば、今のうち…
この発言のページ
10宮宮本直樹厚生労働省医薬局長
お答えいたします。
薬剤師法第二十三条を含む現行制度は、医師による診断、処方と薬剤師による調剤、鑑査を分離し、それぞれが独立した専門的立場から関与することで医療の安全性を確保するいわゆる医薬分業の考え方を基礎とするものでございます。
この枠組みは、薬剤師が医師から独立した立場で処方内容を確認し、適正な薬物療法を担保する観点から重要な意義を有しており、こうした観点を踏まえれば、薬剤師の独立性を損なう制度改正には慎重であるべきであると考えております。
他方で、薬剤師の役割の充実は重要であり、健康増進薬局の推進、スイッチOTCを含むOTC医薬品の活用、地…
この発言のページ