ありがとうございます。
公益社団法人認知症の人と家族の会の志田でございます。
本日は、参考人としてお招きいただき、大変ありがとうございます。
私は、認知症の人と家族の会の副代表理事を務めておりますが、山形県に住み、仕事では介護職、生活相談員、ケアマネジャーを経て、医療法人の介護事業の統括を担う介護労働者でもあります。また、東京で暮らしていた両親を呼び寄せ、十六年前に認知症の父を、昨年はこれまた認知症の母親のみとりを終えたばかりの介護家族でもあります。この場では、認知症の人と家族のために、そして介護保険を利用する側の立場として意見を申し上げます。
認知症の人と家族の会は、認知症になっても、認知症の人を介護する立場になっても、全ての人の尊厳が守られることを願い、一九八〇年から活動を続けています。スタートから四十六年がたち、多くの皆様に支えられ、北海道から沖縄まで四十七都道府県に支部があり、約一万人の会員を有しております。会員は、全国各地で本人と介護者の集い、そして相談などのボランティア活動をしております。
なお、二〇二四年一月に認知症基本法が施行されました。私たちの地道な活動が反映されたことをうれしく思うとともに、制定に御尽力いただいた国会議員の皆さんに、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。
二〇〇〇年度に介護保険制度がスタートしました。それまで家庭に閉じ込められていた介護に光が当たり、認知症の人を始め介護が必要な人への支援が社会保険に位置付けられ、私たちは大きな期待を抱きました。また、二〇〇三年からは制度の見直しを検討する社会保障審議会に認知症の人と家族の会から委員として参加させていただき、利用者、介護者の立場から発言するよう努めてまいりました。
私は、認知症の人と家族の会の介護保険・社会保障専門委員会で、厚生労働省から示される社会保障審議会の資料などを各地のメンバーと読み込む作業をしております。しかし、難しい内容が多くて、利用者、介護者の立場からどのような発言をすべきか、毎回みんなで頭を悩ませながら話し合っています。
今回の介護保険法改正案ですが、昨年末、社会保障審議会介護保険部会で意見がまとめられました。私たちの会からも介護保険部会に委員として参加していますが、審議するテーマがたくさんあって、四月三日に閣議決定された法律案文を読むまでよく分からないことも多々あったことを正直に申し上げたいと思います。
改正案について、私たちは五月十一日、全ての国会議員の皆さんに、介護保険法改正案についての緊急要望書を郵送させていただきました。人口の減少する市町村の事業について、人員配置基準を緩和して減らすのではなく、介護労働者を確実に確保する見直しをしてください、どこに住んでいても、どんな場所に暮らしていても、認定を受けた被保険者には公平で平等な給付を維持してください、この二つをお願いいたしました。
この要望書については、介護保険部会の委員として了承したにもかかわらずおかしいではないかという御批判もいただいています。しかし、昨年の審議に登場した中山間・人口減少地域の新たなサービス構想をどのように理解したらいいのか、私たちは大変戸惑いました。介護労働者が確保できず、人員配置基準を維持できない事業所が増えるなら、スタッフ数を減らしたサービスにするのは致し方ないのだろうか。給付サービスが維持できないなら、市町村の地域支援事業に移すのもやむを得ないのだろうか。しかし、私たちは考えました。
全国で約七千八百万人の被保険者が毎月介護保険料を支払っています。被保険者になるのは四十歳からですが、介護が必要な時期を迎えるのは、個人差はありますが、八十歳くらいからというのが一般的です。六十五歳で第一号被保険者になっても、給付を受けるまでおよそ十五年くらい掛かるとも言えます。
私たちは、介護のある暮らしを支えてくれる介護保険制度にとても感謝しています。しかし、この二十六年の間に、ホームヘルプサービスやデイサービスの給付抑制があり、特別養護老人ホームの利用は要介護三以上が原則になり、利用者負担も一割だったのが二割、三割と引上げが続いています。介護保険制度があっても、孤立死や介護心中、介護殺人、高齢者虐待などの悲劇は絶えません。制度により初めて介護をめぐる課題が社会化したとも言えますが、もはや四半世紀が過ぎています。
また、政府は二〇一五年に介護離職ゼロを掲げました。しかし、働く家族介護者の離職も減ることはありません。介護離職してもなお、介護者の経済的、肉体的、精神的な負担はいずれも増えるという指摘もございます。そして、今回、いざサービスが必要になったとき、事業所のスタッフが少ないから対応できないと断られるのではないか、給付から事業に移って必要な支援が減るのではないか、家族など介護者の負担が再び大きくなるのではないか、家族などの支援がない人はどうなるのだろうか、このような不安や懸念が大きく膨らんで、国会でもっと議論を深めていただきたい、そういったやむにやまれぬ思いで全ての国会議員の皆さんに要望書を送らさせていただきました。
法律案に特定地域とあります。社会保障審議会では中山間・人口減少地域でしたが、法律案では人口の減少する特定地域となり、具体的な定義は、法案が成立した後、社会保障審議会などで議論するとされています。
人口の減少ですが、二〇五〇年までに全国の約九割以上の自治体が人口減を迎えるとされています。六十五歳以上の高齢者人口も減ると言われています。しかし、介護が必要な年頃となる八十五歳以上人口は二〇四〇年までに一千万人を超え、認知症の人は五百八十四万人、軽度認知障害の人は六百十三万人になるという推計もあります。人口は減っても介護が必要な人が暮らしをしている地域はどうしたらいいのでしょうか。また、事業所を確保するため人員配置基準を緩和したとしても、緩和した後はどうなるのでしょうか。
私は、社会保障審議会介護給付費分科会に委員として参加させていただいています。今後も委員を続けることができるならば、法律成立後の審議に関わらさせていただくことになります。しかし、法案が成立する前に、国会で特定地域の給付について丁寧な議論をお願いしたいのです。
もう一つの要望は、住宅型有料老人ホームの入居者のケアマネジメントの有料化です。
住宅型有料老人ホームにはサービス付き高齢者住宅も含まれ、老人福祉法の改正案で登録制の導入が予定されています。そして、介護保険法の改正案で登録施設となった住宅型有料老人ホームのケアマネジメントは新型になり、利用者負担が導入されようとしています。これまで住宅型有料老人ホームは、自宅と同じ在宅の扱いでした。同じ在宅なのに、住む場所によって利用者負担のないケアマネジメントに、新型になるとはいえ、利用者負担が導入されてよいのでしょうか。特定地域に暮らしても、あるいは住宅型有料老人ホームに入居しても、全国の認定者に公平で平等な給付を維持していただきたい、そのための見直しをしていただきたいのです。
改正案とは別に、今年の介護保険制度のテーマについても意見を申し上げます。
財政制度等審議会は、四月二十八日の資料で介護保険制度について、利用者二割負担の範囲拡大、ケアマネジメントの利用者負担の導入、軽度者に対する生活援助サービス等の地域支援事業への移行など、今後の主な改革の方向性を示しています。
今年は、社会保障審議会で二割負担の対象者の拡大について継続審議される予定です。今は高齢者の所得階層の上位二〇%が二割あるいは三割の負担です。昨年の介護保険部会の意見には、所得階層上位二五%あるいは三〇%と対象を広げる提案があります。そして、対象者の預貯金が一定額以下の場合は、本人が申請すれば一割負担に戻すという配慮措置も提案されています。
認知症の人と家族の会は、これまで応分の負担を求めてまいりました。負担できる人は負担する、負担できなくても支援が必要な人には、低所得者対策などを講じ、きちんと給付していただきたいと願ってきました。とはいえ、高齢者の負担能力を判断する基準がいまだにはっきりしていません。これまでよりも所得の低い人に二割負担を求めるのは、預貯金に応じた配慮措置があるとしても、説得力があるのでしょうか。そして、合理的根拠があるのでしょうか。是非お考えいただきたいと思います。
ケアマネジメントは有料化の提案が繰り返し出されています。そもそも、制度がスタートするとき、ケアマネジメントが十割給付で利用者の負担がないのは、介護保険サービスの利用促進、そして公平なサービス利用の確保という二つの目的があるからだと説明されていました。介護が必要と認定されても、ケアマネジメントが有料ならサービスを使わないという入口での利用控えが増えると、かえって状態が悪化するリスクをはらみます。
もう一つ、軽度者に対する生活援助サービス等の地域支援事業への移行ですが、この軽度者は要介護一と二の人になります。生活援助サービス等には、生活援助だけでなく、ホームヘルプサービスとデイサービスも含まれます。特に認知症の人の場合、身体的にはまだ元気な要介護一と二の人の方が生活に様々なトラブルが起き、外出して帰ってこれなくなるなどの困難があり、家族だけでなくケアマネジャーやホームヘルパーなど介護保険制度によって暮らしが支えられています。軽度者と呼ばれるたびに私たちは、認知症が分かっていない、介護家族の心労が理解されていないと悔しい思いを抱いてまいりました。
認定を受けた人にはしっかり給付を維持していただきたいのです。給付を維持するには、ホームヘルパーや介護職員、つまり介護労働者が必要です。二〇四〇年まで増え続けると言われる介護が必要な人を支える介護労働者をしっかり確保していただきたいと思います。
最近はカスタマーハラスメント対策を充実させる取組が進んでいます。現場で働く介護労働者の安全は守られなければなりません。当然であります。とはいえ、私たち認知症の電話相談では、制度が理解できない、支援が少ないという不満や苦情が増えています。特に認知症の人には、今の制度はとても理解できるレベルではありません。認知症の人にも合理的配慮が必要であることを強く訴えたいと思います。
また、介護する家族にとって、ケアマネジャーや自治体窓口、サービスを提供する事業所に要望や苦情を伝えるのは、不利な状況になってはまずいとためらう人も多いのです。認知症になっても誰もが安心してその人らしい介護のある暮らしを続けることができる社会を維持するために、介護保険制度の見直しを御検討いただきますよう、心からお願いいたします。
拙い訴えでございますが、以上でございます。
御清聴ありがとうございました。
6
小川克巳(自民)
ありがとうございました。
次に、三原参考人にお願いいたします。三原参考人。
この発言のページ
7三三原岳株式会社ニッセイ基礎研究所上席研究員
皆さん、おはようございます。ニッセイ基礎研究所の三原です。
今日は、こういう機会をつくっていただき、ありがとうございます。今日は、社会福祉法等改正案について、独立した立場で十五分ほどお時間いただきたいと思っております。よろしくお願いします。
振り返りますと、この委員会にお招きいただくのは二年連続、三度目の出場でして、去年は改正医療法に関してお招きいただきました。医療提供体制改革の話をしたんですけれども、そのときに、介護保険の関係でも恐らく同じような法案が出ますと言って、介護のことも少し先取りして話させていただいたことを今でも覚えています。結果的に、二…
この発言のページ
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小川克巳(自民)
ありがとうございました。
次に、志田参考人にお願いいたします。志田参考人。
この発言のページ
- (上の発言)
9志志田信也公益社団法人認知症の人と家族の会介護保険・社会保障専門委員会委員長
ありがとうございます。
公益社団法人認知症の人と家族の会の志田でございます。
本日は、参考人としてお招きいただき、大変ありがとうございます。
私は、認知症の人と家族の会の副代表理事を務めておりますが、山形県に住み、仕事では介護職、生活相談員、ケアマネジャーを経て、医療法人の介護事業の統括を担う介護労働者でもあります。また、東京で暮らしていた両親を呼び寄せ、十六年前に認知症の父を、昨年はこれまた認知症の母親のみとりを終えたばかりの介護家族でもあります。この場では、認知症の人と家族のために、そして介護保険を利用する側の立場として意見を申し上げます。
認知症の人と家族の会は、認知症になっても、認知症の人を介護する立場になっても、全ての人の尊厳が守られることを願い、一九八〇年から活動を続けています。スタートから四十六年がたち、多くの皆様に支えられ、北海道から沖縄まで四十七都道府県に支部があり、約一万人の会員を有しております。会員は、全国各地で本人と介護者の集い、そして相談などのボランティア活動をしております。
なお、二〇二四年一月に認知症基本法が施行されました。私たちの地道な活動が反映されたことをうれしく思うとともに、制定に御尽力いただいた国会議員の皆さんに、この場を借りて改めて御礼を申し上げます。
二〇〇〇年度に介護保険制度がスタートしました。それまで家庭に閉じ込められていた介護に光が当たり、認知症の人を始め介護が必要な人への支援が社会保険に位置付けられ、私たちは大きな期待を抱きました。また、二〇〇三年からは制度の見直しを検討する社会保障審議会に認知症の人と家族の会から委員として参加させていただき、利用者、介護者の立場から発言するよう努めてまいりました。
私は、認知症の人と家族の会の介護保険・社会保障専門委員会で、厚生労働省から示される社会保障審議会の資料などを各地のメンバーと読み込む作業をしております。しかし、難しい内容が多くて、利用者、介護者の立場からどのような発言をすべきか、毎回みんなで頭を悩ませながら話し合っています。
今回の介護保険法改正案ですが、昨年末、社会保障審議会介護保険部会で意見がまとめられました。私たちの会からも介護保険部会に委員として参加していますが、審議するテーマがたくさんあって、四月三日に閣議決定された法律案文を読むまでよく分からないことも多々あったことを正直に申し上げたいと思います。
改正案について、私たちは五月十一日、全ての国会議員の皆さんに、介護保険法改正案についての緊急要望書を郵送させていただきました。人口の減少する市町村の事業について、人員配置基準を緩和して減らすのではなく、介護労働者を確実に確保する見直しをしてください、どこに住んでいても、どんな場所に暮らしていても、認定を受けた被保険者には公平で平等な給付を維持してください、この二つをお願いいたしました。
この要望書については、介護保険部会の委員として了承したにもかかわらずおかしいではないかという御批判もいただいています。しかし、昨年の審議に登場した中山間・人口減少地域の新たなサービス構想をどのように理解したらいいのか、私たちは大変戸惑いました。介護労働者が確保できず、人員配置基準を維持できない事業所が増えるなら、スタッフ数を減らしたサービスにするのは致し方ないのだろうか。給付サービスが維持できないなら、市町村の地域支援事業に移すのもやむを得ないのだろうか。しかし、私たちは考えました。
全国で約七千八百万人の被保険者が毎月介護保険料を支払っています。被保険者になるのは四十歳からですが、介護が必要な時期を迎えるのは、個人差はありますが、八十歳くらいからというのが一般的です。六十五歳で第一号被保険者になっても、給付を受けるまでおよそ十五年くらい掛かるとも言えます。
私たちは、介護のある暮らしを支えてくれる介護保険制度にとても感謝しています。しかし、この二十六年の間に、ホームヘルプサービスやデイサービスの給付抑制があり、特別養護老人ホームの利用は要介護三以上が原則になり、利用者負担も一割だったのが二割、三割と引上げが続いています。介護保険制度があっても、孤立死や介護心中、介護殺人、高齢者虐待などの悲劇は絶えません。制度により初めて介護をめぐる課題が社会化したとも言えますが、もはや四半世紀が過ぎています。
また、政府は二〇一五年に介護離職ゼロを掲げました。しかし、働く家族介護者の離職も減ることはありません。介護離職してもなお、介護者の経済的、肉体的、精神的な負担はいずれも増えるという指摘もございます。そして、今回、いざサービスが必要になったとき、事業所のスタッフが少ないから対応できないと断られるのではないか、給付から事業に移って必要な支援が減るのではないか、家族など介護者の負担が再び大きくなるのではないか、家族などの支援がない人はどうなるのだろうか、このような不安や懸念が大きく膨らんで、国会でもっと議論を深めていただきたい、そういったやむにやまれぬ思いで全ての国会議員の皆さんに要望書を送らさせていただきました。
法律案に特定地域とあります。社会保障審議会では中山間・人口減少地域でしたが、法律案では人口の減少する特定地域となり、具体的な定義は、法案が成立した後、社会保障審議会などで議論するとされています。
人口の減少ですが、二〇五〇年までに全国の約九割以上の自治体が人口減を迎えるとされています。六十五歳以上の高齢者人口も減ると言われています。しかし、介護が必要な年頃となる八十五歳以上人口は二〇四〇年までに一千万人を超え、認知症の人は五百八十四万人、軽度認知障害の人は六百十三万人になるという推計もあります。人口は減っても介護が必要な人が暮らしをしている地域はどうしたらいいのでしょうか。また、事業所を確保するため人員配置基準を緩和したとしても、緩和した後はどうなるのでしょうか。
私は、社会保障審議会介護給付費分科会に委員として参加させていただいています。今後も委員を続けることができるならば、法律成立後の審議に関わらさせていただくことになります。しかし、法案が成立する前に、国会で特定地域の給付について丁寧な議論をお願いしたいのです。
もう一つの要望は、住宅型有料老人ホームの入居者のケアマネジメントの有料化です。
住宅型有料老人ホームにはサービス付き高齢者住宅も含まれ、老人福祉法の改正案で登録制の導入が予定されています。そして、介護保険法の改正案で登録施設となった住宅型有料老人ホームのケアマネジメントは新型になり、利用者負担が導入されようとしています。これまで住宅型有料老人ホームは、自宅と同じ在宅の扱いでした。同じ在宅なのに、住む場所によって利用者負担のないケアマネジメントに、新型になるとはいえ、利用者負担が導入されてよいのでしょうか。特定地域に暮らしても、あるいは住宅型有料老人ホームに入居しても、全国の認定者に公平で平等な給付を維持していただきたい、そのための見直しをしていただきたいのです。
改正案とは別に、今年の介護保険制度のテーマについても意見を申し上げます。
財政制度等審議会は、四月二十八日の資料で介護保険制度について、利用者二割負担の範囲拡大、ケアマネジメントの利用者負担の導入、軽度者に対する生活援助サービス等の地域支援事業への移行など、今後の主な改革の方向性を示しています。
今年は、社会保障審議会で二割負担の対象者の拡大について継続審議される予定です。今は高齢者の所得階層の上位二〇%が二割あるいは三割の負担です。昨年の介護保険部会の意見には、所得階層上位二五%あるいは三〇%と対象を広げる提案があります。そして、対象者の預貯金が一定額以下の場合は、本人が申請すれば一割負担に戻すという配慮措置も提案されています。
認知症の人と家族の会は、これまで応分の負担を求めてまいりました。負担できる人は負担する、負担できなくても支援が必要な人には、低所得者対策などを講じ、きちんと給付していただきたいと願ってきました。とはいえ、高齢者の負担能力を判断する基準がいまだにはっきりしていません。これまでよりも所得の低い人に二割負担を求めるのは、預貯金に応じた配慮措置があるとしても、説得力があるのでしょうか。そして、合理的根拠があるのでしょうか。是非お考えいただきたいと思います。
ケアマネジメントは有料化の提案が繰り返し出されています。そもそも、制度がスタートするとき、ケアマネジメントが十割給付で利用者の負担がないのは、介護保険サービスの利用促進、そして公平なサービス利用の確保という二つの目的があるからだと説明されていました。介護が必要と認定されても、ケアマネジメントが有料ならサービスを使わないという入口での利用控えが増えると、かえって状態が悪化するリスクをはらみます。
もう一つ、軽度者に対する生活援助サービス等の地域支援事業への移行ですが、この軽度者は要介護一と二の人になります。生活援助サービス等には、生活援助だけでなく、ホームヘルプサービスとデイサービスも含まれます。特に認知症の人の場合、身体的にはまだ元気な要介護一と二の人の方が生活に様々なトラブルが起き、外出して帰ってこれなくなるなどの困難があり、家族だけでなくケアマネジャーやホームヘルパーなど介護保険制度によって暮らしが支えられています。軽度者と呼ばれるたびに私たちは、認知症が分かっていない、介護家族の心労が理解されていないと悔しい思いを抱いてまいりました。
認定を受けた人にはしっかり給付を維持していただきたいのです。給付を維持するには、ホームヘルパーや介護職員、つまり介護労働者が必要です。二〇四〇年まで増え続けると言われる介護が必要な人を支える介護労働者をしっかり確保していただきたいと思います。
最近はカスタマーハラスメント対策を充実させる取組が進んでいます。現場で働く介護労働者の安全は守られなければなりません。当然であります。とはいえ、私たち認知症の電話相談では、制度が理解できない、支援が少ないという不満や苦情が増えています。特に認知症の人には、今の制度はとても理解できるレベルではありません。認知症の人にも合理的配慮が必要であることを強く訴えたいと思います。
また、介護する家族にとって、ケアマネジャーや自治体窓口、サービスを提供する事業所に要望や苦情を伝えるのは、不利な状況になってはまずいとためらう人も多いのです。認知症になっても誰もが安心してその人らしい介護のある暮らしを続けることができる社会を維持するために、介護保険制度の見直しを御検討いただきますよう、心からお願いいたします。
拙い訴えでございますが、以上でございます。
御清聴ありがとうございました。
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小川克巳(自民)
ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
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本田顕子(自民)
自由民主党、本田顕子です。
今日は、参考人の先生方、それぞれに御陳述をいただきまして、ありがとうございます。自由民主党、本田顕子でございます。
では、まず菊池参考人と永井参考人に質問をさせていただきます。
地域包括ケアを考えるときに、以前、日本薬剤師会の資料を見ていたときに、これからは、病院の病棟の廊下で医療を病室に提供していたものが、今後は地域の道路が病院の廊下となり、各皆さんの御自宅が病室になって、そこに様々な医療職の方が医療を提供するようになるというお話を聞きました。
その中で、今回は介護のお話でございますけれども、介護におきましても、今回…
この発言のページ
12菊菊池馨実早稲田大学理事・法学学術院教授
ありがとうございます。
その急を要する事態の中身に大きく依存すると思いますが、生命、身体に直接影響が及び得るような場合は、介護というよりは主に医療にいかに緊急的につなぐかという、そちらの方が主になってくるのではないかなという気がいたします。
その意味で、ある意味で介護は日常の生活を支えるサービスですので、それも小さな自治体では自前で全部サービスそろえることができない、もうそういう状況にありますので、そこは広域でもう既にやっておられる自治体さんもあります。
その中で支え合いを行いつつ、緊急の、命に関わるような事態においては、やはりいかに医療を発動する…
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