長谷部恭男早稲田大学法学学術院教授

2026年6月10日・第221回国会 参議院 憲法審査会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 52 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 121 発言)

この問題は、これは先ほど只野参考人もおっしゃった点とも関連をするのですが、私は、憲法を改正をするというのは、やはりプラスとマイナスを考えたときにプラスの方が明らかに上回るという、そういう場合にやはり私は限定するべきであるというふうに考えております。プラスになるのかマイナスになるのかよく分からない、でも、何となくその方が、明確化した方がよい、そういった場合には私はやめておいた方がよいのではないかという、そういう考え方を持っておりまして、やはり、これは解釈によって乗り切る方が原状に復元をする力という、そのばねが大きく働いてくるんですね。そうでなくて、こういうような新しい制度、緊急事態に対応するような制度を一旦つくってしまいますと、これは一体、これ自体が、この異常な事態が一体いつまで続くのかという、そういう問題が逆に起こってまいります。

これ、只野参考人の御専門の国だと、フランスでかつて第五共和制、ドゴール大統領の下でアルジェリアの現地軍が反乱を起こしたことがあります。反乱は三日間で鎮圧されたんですけれども、それを契機として発動をされた緊急事態というのが五か月間続きました。こういう形で緊急事態に対応する権限というのは濫用されがちなものですが、これ、どこの国を見てもそういうものです。そういう懸念があるということを一つ私は考えております。

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