熊本県知事の木村敬でございます。
議員各位におかれましては、平素より熊本県に格別の御支援を賜りまして、誠にありがとうございます。
とりわけ、先月は熊本地震の発生から十年という節目の年を迎えました。我が国観測史上初めての震度七が二度、前震、本震と二度襲った熊本地震、多くの尊い命が失われ、被害総額も、推計ではありますが、官民合わせて約三・八兆円という熊本県経済過去にない深い痛手を負いましたが、それから十年間、国の本当に総力を挙げた力強い御支援をいただきまして、熊本県は今、半導体分野を中心に我が国の経済安全保障の一翼を担うにまで至りました。熊本地震の甚大な被害からここに至るまで、本当に力強く復旧復興を遂げるに当たって、国の御支援にまずもって改めて深く感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
さて、本日は、産業競争力強化法の一部を改正する法律案の御審議に当たりまして、特に産業基盤整備、また産業の担い手確保の観点で、熊本県の課題、取組をということでお招きいただきました。まだ就任二年のひよっこの知事で、私にこのような機会を与えていただきましたことに感謝申し上げます。
お手元のこの資料に即しまして御説明申し上げたいと思います。
おめくりいただきまして、右下に三ページと書いてあります。二〇二一年の十一月にTSMC、世界的な半導体企業でありますTSMCの進出を契機に、熊本を中心に九州各県で半導体関連の集積が進んでおります。また、今年に入ってからの動きとしましては、二月五日にTSMCのシーシー・ウェイCEOが首相官邸訪問いたしまして、高市総理、木原官房長官と面会され、その際に、今度建設する第二工場で現在世界最先端の三ナノ半導体を製造する方針が示されまして、AI、自動運転など、今後の日本の産業を支える半導体生産への期待が高まっております。
また、ちょっと右側に新聞の記事、見出しを挿入いたしましたが、今月八日には、ソニーが決算発表会で、ソニーとTSMCが戦略的提携に向けた基本合意書を締結したという表明がありました。
熊本県内の拠点で次世代のイメージセンサーの開発生産ラインを構築するということで、今後、日本と台湾の高度な技術連携によりまして、熊本で次世代のイメージセンサーが生み出され、AIとかロボティクス、あと自動運転など、新技術の社会実装につながることが期待されます。そうすれば、熊本県が、日本の未来をつくる新たな産業を支える半導体の製造拠点として更なる存在感を発揮することとなりますので、この発表も大変うれしく思っています。
ここの全体の総論を申し上げれば、やはり我が国が経済安全保障をしっかりと確保するとともに、持続的な経済成長を続けて、お子さん、お孫さんの世代にしっかりとこの日本の未来を託していくためには、今やちょっと少なくなってしまったにせよ、この勝ち組に乗っている日本の民間企業をしっかりと支援し続けることが今大変重要なことだと思っております。今回の法案では、企業の大胆な設備投資などに対する支援が盛り込まれていまして、熊本県としても大いに期待をするところでありまして、国と歩調をそろえて取り組んでまいります。
次の四ページを御覧ください。
TSMCの進出効果を簡単に御説明すると、令和三年、二〇二一年に進出決定以来、県内の企業立地は増加しておりまして、令和七年の総投資額は二兆円を超えています。こういうことで、県内のGDP、ここにちょっと数字に、メモに入れていなくて申し訳ありませんが、熊本地震の前年、二〇一五年を一〇〇とした場合に、十年後の二〇二五年は、現在は約一二〇です。金額ベースでは、GDPが五・八兆円から十年間で六・九五兆円、二〇%増加しておりまして、熊本県としての目標であるGDP八兆円に今迫る状況です。
右のまた五ページ目を御覧ください。
TSMCの進出効果、進出で目に見える波及効果の一つとしては、熊本の国際化が挙げられます。阿蘇くまもと空港の国際定期便数は、現在、六路線、週四十四便となっておりまして、くまもと空港は、地方空港として全国一位の国際便数を誇っております。言うならば、ローカルからグローバルへ、地方と世界が直接つながる状況が熊本に生まれておりまして、国際線の旅客者数も、昨年、令和七年度の速報値では六十四万人ということで、前年から三割増となっております。
次の六ページを御覧ください。
現在、国において地域未来戦略の検討がなされているところでありますが、熊本県は国の動きと軌を一にしながら、九州全体で進める戦略産業クラスター計画の素案作りに今深く関与しております。特に半導体分野では、シリコンアイランド九州の再生を掲げて、九州全体でインフラ整備や人材育成に取り組んでまいります。ここはもう九州一丸となって取り組んでいきます。
また、次の七ページを御覧ください。
県としても、地域産業成長プランの策定をいち早く表明しております。熊本県の地域産業成長プランでは、半導体産業と半導体ユーザー産業を大きな柱としております。半導体チップをもう製造するだけではなくて、そのチップを活用したユーザー産業を国内に形成していかなければ、将来にわたって日本国内で十分な付加価値を生み出すことはできません。そのため、日本国内でGDPの向上につながる未来型の産業育成を進めていく必要があると考えております。またさらに、熊本県、全国有数の農業県でもありますので、食のみやこ熊本県の創造やライフサイエンス、そしてまた観光も加えた、こうした三つの柱で今後の成長戦略を進めています。
そうした中で、八ページを御覧ください。
これは、くまもとサイエンスパークの構想イメージです。我が国は、政府が国策としてTSMCを誘致して、先端半導体の製造拠点として今や世界から注目される存在となっておりますが、先ほどの繰り返しになるんですけれども、先端半導体を生産しても、それを輸出するだけでは十分ではないと私ども考えています。半導体を作るだけではなくて、それを使う産業、すなわちユーザー産業を国内に育成、集積させなければ、日本が再び世界市場へ打って出ることはできないと思っております。
ここにあります、左側にありますAI、自動運転、ロボット、遠隔診療など、日本にまだまだ伸び代のある未来型産業の集積があります。これをしっかりと進めていくためには、産学官の連携によって研究開発から製造までを支える施設機能を整備したイノベーション創出拠点が今こそ必要ではないでしょうか。
そうした中で、右のまた九ページを御覧ください。
熊本県では、アメリカのシリコンバレー、台湾のサイエンスパークのような拠点を、TSMCの日本法人であるJASMやソニー、東京エレクトロン、TELなどの近隣にイノベーション創発エリアというものを整備して、サイエンスパークを具体化する取組を県が先導して進めております。これによって産学官連携、産学連携を更に強化して、新たな産業創出につなげてまいります。
次の十ページを御覧ください。
この法案にも関わります熊本県内の工業団地の整備状況でございますが、現在、既存の県営工業団地八か所は全て売り切れてしまっています。こうした中、現在、県、市町村が主体となって県内各地で新たな工業団地の整備を進めておりますが、ここに一から十まであるうち、三番と四番の産業用地はもう既に官民連携で整備を行っておりますし、先ほど私が御紹介いたしましたくまもとサイエンスパークについても民間主導で用地の整備が進められています。
こうした官民連携での産業団地の整備は、これ時代の今流れと言えますので、今般の法改正は大変意義のあるものと考えております。
十一ページを御覧ください。
ここから、産業基盤を支えるインフラ整備の状況を御説明いたします。
まず、道路インフラです。TSMC誘致という国家プロジェクトに伴って、このTSMCが進出する辺りはもう大変激しい交通渋滞が発生、拡大しておりまして、企業集積に伴う最大の懸案の一つでございます。この地域課題に対応するために、令和五年、岸田政権のときに国が創設いただいた地域産業構造転換インフラ整備推進交付金によって多年度にわたる支援をいただいております。この交付金、極めて有効に機能しておりまして、TSMC周辺の道路整備や、後ほど申し上げます各種インフラ整備に活用されています。
この交付金、ただ一方で、実際は、今現在、補正予算での措置となっております。また、熊本のみならず、北海道、岩手、広島、新潟などの地域にとっても非常に重要な交付金でございます。基金化ですとか複数年にわたる安定的な措置について、是非御検討いただきたいと思います。
次の十二ページを御覧ください。
現在、国直轄事業として高規格道路の整備もこのTSMCの進出に合わせて極めて順調に進んでいただいており、感謝しております。また、これには実は地元サイドもしっかりと努力を重ねています。無料の高速道路を造れではなくて、有料道路事業によって整備を推進していくべきだというのを地元から逆に提案をしております。受益者負担の考えにしっかりと基づいて早期整備していくことが重要だと、地元や受益者にも一端の負担をお願いしながら、着実にインフラ整備を進めることが重要であると考えております。
続きまして、十三ページです。
工場排水を対象とする特定公共下水道事業について、熊本県のために新たに採択をいただきまして、現在、処理場や管路の整備を進めております。また、熊本県は全国でも名高い地下水都市であります。ですので、地下水の保全が県民の高い関心事となっています。そのため、地下水の使用量を抑制する観点から、既存のダムを水源に、使われていない未利用水を工業用水として活用する取組も進めています。これ、いずれもインフラ交付金で御支援いただいておりますので、継続的な御支援をお願いしたいと思っております。
続きまして、十四ページを御覧ください。
空港アクセス鉄道の整備とJR豊肥線の輸送力強化です。先ほど申し上げましたように、今、国際航空路線数、地方空港全国一位に、くまもと空港躍り出ました。この空港は半導体関連産業の集積地域と国内外を結ぶ空の玄関口ですので、産業集積やインバウンドの増加で今後も利用客数が増加いたします。そこで、新たに鉄道を整備することで、半導体関連産業集積地へのアクセスを強化しつつ、熊本県民の実は今最大の関心事であり、強い強い不満がたまっているこの渋滞問題の解消を鉄軌道の整備によってしっかりと進めていきたいと考えています。
鉄道インフラの強化を地域未来戦略の中で位置付けていただくことで、我が国の安全保障を担う熊本県のこの大きな社会変革の基盤を整備するとともに、この経済安全保障に対する県民からの共感も得られるものと考えておりますので、国のお力添え、強力な御支援をお願いしたいと思っております。
続いて、十五ページです。人材育成の話を一つさせていただきます。
熊本県では、熊本県立大学に新たに半導体学部を設置することを目指して、現在文科省に認可申請を行っています。少子化の中での対応ですので、既存のちょっと文系の学部の定員を六十名減らして、その六十名を半導体の分野に振り替える、振り向ける形でまずは進めていきます。
県としてできることを着実に進めるとともに、左側にあります、熊本大学を始め、熊本県内のあらゆる機関を総動員して人材育成の強化を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、本日御審議いただいている地域未来投資促進法に更に関連いたしまして、熊本県における現行法の活用状況を次の十六ページで御説明いたします。
熊本県は、県内全域を対象に基本計画を定めておりまして、農林水産業、真ん中の枠括弧のところに、要件一のところにありますけれども、農林水産業、自然共生型産業、成長ものづくり分野、デジタル関連、観光・物産、まちづくりの六つの地域特性を設定いたしまして、こうした地域特性を生かして、高い付加価値を創出するなどの要件を満たす事業を地域経済牽引事業として認定しています。
次の十七ページに、熊本県がこの地域未来投資促進法で認定、施行されてから九年間で認定した二百九十四件の事業があります。全国有数の承認件数となっていますけれども、分野別で見ますと、半導体分野を含めた成長ものづくり分野が一番多いところではあるんですけれども、同時に、農林水産業やバイオなど幅広い分野でこの法律は活用されています。
ちょっと具体例を二つ下に挙げさせていただきましたが、事例一は、これは半導体の製造装置の部品を製造する物づくりの事業者でございます。また、この右側は、ちょっと今いわゆる半導体で元気のいい県北部ではなくて、県南部の方にあります酪農家による乳製品の販売製造事業などです。これにも使われていまして、多岐にわたる設備投資で活用の事例が見られています。
今回の法改正は、熊本県にとって大変意義があると思っております。是非、この法案、法改正をしっかり熊本県も活用したいと思っております。
続きまして、今法案で予定されていますエッセンシャルサービスの維持に関するところについて、簡単に御説明させていただきます。
十九ページを御覧ください。
熊本県内の人口推移ですけれども、どこの県も同様ですけれども、人口減少と少子高齢化が見込まれています。二〇五〇年には、今二〇二五年時点での県の総人口は百六十八万三千人ですけれども、二〇五〇年には三十二万八千人減少して百三十五万五千人になる見込みです。
特に注目すべきは、この人口構造の変化です。グラフにあります老年人口、赤いところはほぼ横ばいで推移するんですけれども、生産人口が急激に減ります。ということは、エッセンシャルサービスにおいては、サービスの需要は一定程度ずっと存在し続ける一方で、産業の担い手が不足するということで、産業人材の確保が熊本にとって喫緊の課題でございます。
続いて、二十ページ、二十一ページを、二枚比較して併せて御覧ください。
熊本県内における職業別の求人倍率です。やはりその業種間での人手不足感のこの乖離というのが今非常に鮮明になっております。特に、赤枠で囲っていますけれども、医療技術者、介護サービス産業、また二十一ページの方に、接客、給仕職業、輸送、機械運転事業者などにおいて求人倍率が非常に高い水準で推移していまして、これらの職種はいずれも地域社会の維持、存続に欠かせないエッセンシャルサービスでございます。生活基盤を支える現場ほど人手不足が顕著になっています。
二十二ページを御覧ください。
県内における新規高校卒の割合についても、県内就職率が六七・一%で全国平均を下回っています。やっぱり相当数の高校卒業生が県外で就職していることを意味しておりまして、県内定着を進めていかなければいけません。
そのために、熊本県は、二十三ページで、くまもとで働こう推進本部ということで、県庁の縦割りの組織を横串に刺して、新規学卒者の県内定着、教育機関と連携した人材育成、DXによる生産性の向上、働きやすい職場づくりなどを掲げて具体的な施策を検討しています。
今般の法案で、エッセンシャルサービスの合理化、多角化、広域化などを推進するということは、県内の私どもの認識と一致しております。
ちょっと時間オーバーしていますが、最後に最終ページを御覧ください。
こうしたエッセンシャルサービスの効率化に関しての先進的な取組です。
一つは交通分野で、左側の事例でございますが、県内のタクシー会社十社が合併して、配車システムを一元化することによって事業の効率化を図っていますし、この会社は、この後、バス事業者と連携して、バス路線の車両の小型化とか利用者の少ないバス路線をタクシー会社が代行していくなどの取組を考えております。
また、右側の福祉事業については、資格を要する分野と要しない分野を切り分けて、資格を要しない分野について、業務については、障害を持つ方やアクティブシニアにも働きやすい環境を整備すること、また、ICTの技術を積極的に入れることで、サービスの質の向上や離職率の低下と、かつ事業の効率化を共に実現させているような事例がございます。
こうした事例を参考に、引き続きエッセンシャルサービスの充実と効率化に向けても熊本県、取り組んでまいります。
結びになりますが、熊本地震から十年という今、この十年間、本当に熊本地震からの復興に対して全国からいただいた御支援への恩返しを胸に、今後とも取り組んでまいりますので、引き続き御指導、御支援のほどよろしくお願いします。
以上でございます。
10浜浜口誠(国民)
ありがとうございました。
次に、今村参考人、お願いをいたします。今村参考人。
この発言のページ
11今今村卓株式会社丸紅経済研究所代表取締役社長
本日は、大変貴重な機会をいただき、ありがとうございます。丸紅経済研究所社長の今村でございます。
私は、我が国と世界で貿易投資を行っております丸紅のシンクタンクを率いまして、世界情勢、世界経済、国際金融などの分析を日々行っております。中でもアメリカの政治経済の分析あるいは日米経済の関係が専門でございます。
本日は、この議題の中でも、本邦企業の供給網の強靱化への対応として、貿易保険法の改正につきまして意見を述べたいと思います。そして、前提となっています必要な外国政府との取決めということで想定されています日米政府の戦略的投資イニシアティブ、これにつきまして…
この発言のページ
12浜浜口誠(国民)
ありがとうございました。
次に、木村参考人、お願いいたします。木村参考人。
この発言のページ
- (上の発言)
13木木村敬熊本県知事
熊本県知事の木村敬でございます。
議員各位におかれましては、平素より熊本県に格別の御支援を賜りまして、誠にありがとうございます。
とりわけ、先月は熊本地震の発生から十年という節目の年を迎えました。我が国観測史上初めての震度七が二度、前震、本震と二度襲った熊本地震、多くの尊い命が失われ、被害総額も、推計ではありますが、官民合わせて約三・八兆円という熊本県経済過去にない深い痛手を負いましたが、それから十年間、国の本当に総力を挙げた力強い御支援をいただきまして、熊本県は今、半導体分野を中心に我が国の経済安全保障の一翼を担うにまで至りました。熊本地震の甚大な被害からここに至るまで、本当に力強く復旧復興を遂げるに当たって、国の御支援にまずもって改めて深く感謝申し上げたいと思います。ありがとうございました。
さて、本日は、産業競争力強化法の一部を改正する法律案の御審議に当たりまして、特に産業基盤整備、また産業の担い手確保の観点で、熊本県の課題、取組をということでお招きいただきました。まだ就任二年のひよっこの知事で、私にこのような機会を与えていただきましたことに感謝申し上げます。
お手元のこの資料に即しまして御説明申し上げたいと思います。
おめくりいただきまして、右下に三ページと書いてあります。二〇二一年の十一月にTSMC、世界的な半導体企業でありますTSMCの進出を契機に、熊本を中心に九州各県で半導体関連の集積が進んでおります。また、今年に入ってからの動きとしましては、二月五日にTSMCのシーシー・ウェイCEOが首相官邸訪問いたしまして、高市総理、木原官房長官と面会され、その際に、今度建設する第二工場で現在世界最先端の三ナノ半導体を製造する方針が示されまして、AI、自動運転など、今後の日本の産業を支える半導体生産への期待が高まっております。
また、ちょっと右側に新聞の記事、見出しを挿入いたしましたが、今月八日には、ソニーが決算発表会で、ソニーとTSMCが戦略的提携に向けた基本合意書を締結したという表明がありました。
熊本県内の拠点で次世代のイメージセンサーの開発生産ラインを構築するということで、今後、日本と台湾の高度な技術連携によりまして、熊本で次世代のイメージセンサーが生み出され、AIとかロボティクス、あと自動運転など、新技術の社会実装につながることが期待されます。そうすれば、熊本県が、日本の未来をつくる新たな産業を支える半導体の製造拠点として更なる存在感を発揮することとなりますので、この発表も大変うれしく思っています。
ここの全体の総論を申し上げれば、やはり我が国が経済安全保障をしっかりと確保するとともに、持続的な経済成長を続けて、お子さん、お孫さんの世代にしっかりとこの日本の未来を託していくためには、今やちょっと少なくなってしまったにせよ、この勝ち組に乗っている日本の民間企業をしっかりと支援し続けることが今大変重要なことだと思っております。今回の法案では、企業の大胆な設備投資などに対する支援が盛り込まれていまして、熊本県としても大いに期待をするところでありまして、国と歩調をそろえて取り組んでまいります。
次の四ページを御覧ください。
TSMCの進出効果を簡単に御説明すると、令和三年、二〇二一年に進出決定以来、県内の企業立地は増加しておりまして、令和七年の総投資額は二兆円を超えています。こういうことで、県内のGDP、ここにちょっと数字に、メモに入れていなくて申し訳ありませんが、熊本地震の前年、二〇一五年を一〇〇とした場合に、十年後の二〇二五年は、現在は約一二〇です。金額ベースでは、GDPが五・八兆円から十年間で六・九五兆円、二〇%増加しておりまして、熊本県としての目標であるGDP八兆円に今迫る状況です。
右のまた五ページ目を御覧ください。
TSMCの進出効果、進出で目に見える波及効果の一つとしては、熊本の国際化が挙げられます。阿蘇くまもと空港の国際定期便数は、現在、六路線、週四十四便となっておりまして、くまもと空港は、地方空港として全国一位の国際便数を誇っております。言うならば、ローカルからグローバルへ、地方と世界が直接つながる状況が熊本に生まれておりまして、国際線の旅客者数も、昨年、令和七年度の速報値では六十四万人ということで、前年から三割増となっております。
次の六ページを御覧ください。
現在、国において地域未来戦略の検討がなされているところでありますが、熊本県は国の動きと軌を一にしながら、九州全体で進める戦略産業クラスター計画の素案作りに今深く関与しております。特に半導体分野では、シリコンアイランド九州の再生を掲げて、九州全体でインフラ整備や人材育成に取り組んでまいります。ここはもう九州一丸となって取り組んでいきます。
また、次の七ページを御覧ください。
県としても、地域産業成長プランの策定をいち早く表明しております。熊本県の地域産業成長プランでは、半導体産業と半導体ユーザー産業を大きな柱としております。半導体チップをもう製造するだけではなくて、そのチップを活用したユーザー産業を国内に形成していかなければ、将来にわたって日本国内で十分な付加価値を生み出すことはできません。そのため、日本国内でGDPの向上につながる未来型の産業育成を進めていく必要があると考えております。またさらに、熊本県、全国有数の農業県でもありますので、食のみやこ熊本県の創造やライフサイエンス、そしてまた観光も加えた、こうした三つの柱で今後の成長戦略を進めています。
そうした中で、八ページを御覧ください。
これは、くまもとサイエンスパークの構想イメージです。我が国は、政府が国策としてTSMCを誘致して、先端半導体の製造拠点として今や世界から注目される存在となっておりますが、先ほどの繰り返しになるんですけれども、先端半導体を生産しても、それを輸出するだけでは十分ではないと私ども考えています。半導体を作るだけではなくて、それを使う産業、すなわちユーザー産業を国内に育成、集積させなければ、日本が再び世界市場へ打って出ることはできないと思っております。
ここにあります、左側にありますAI、自動運転、ロボット、遠隔診療など、日本にまだまだ伸び代のある未来型産業の集積があります。これをしっかりと進めていくためには、産学官の連携によって研究開発から製造までを支える施設機能を整備したイノベーション創出拠点が今こそ必要ではないでしょうか。
そうした中で、右のまた九ページを御覧ください。
熊本県では、アメリカのシリコンバレー、台湾のサイエンスパークのような拠点を、TSMCの日本法人であるJASMやソニー、東京エレクトロン、TELなどの近隣にイノベーション創発エリアというものを整備して、サイエンスパークを具体化する取組を県が先導して進めております。これによって産学官連携、産学連携を更に強化して、新たな産業創出につなげてまいります。
次の十ページを御覧ください。
この法案にも関わります熊本県内の工業団地の整備状況でございますが、現在、既存の県営工業団地八か所は全て売り切れてしまっています。こうした中、現在、県、市町村が主体となって県内各地で新たな工業団地の整備を進めておりますが、ここに一から十まであるうち、三番と四番の産業用地はもう既に官民連携で整備を行っておりますし、先ほど私が御紹介いたしましたくまもとサイエンスパークについても民間主導で用地の整備が進められています。
こうした官民連携での産業団地の整備は、これ時代の今流れと言えますので、今般の法改正は大変意義のあるものと考えております。
十一ページを御覧ください。
ここから、産業基盤を支えるインフラ整備の状況を御説明いたします。
まず、道路インフラです。TSMC誘致という国家プロジェクトに伴って、このTSMCが進出する辺りはもう大変激しい交通渋滞が発生、拡大しておりまして、企業集積に伴う最大の懸案の一つでございます。この地域課題に対応するために、令和五年、岸田政権のときに国が創設いただいた地域産業構造転換インフラ整備推進交付金によって多年度にわたる支援をいただいております。この交付金、極めて有効に機能しておりまして、TSMC周辺の道路整備や、後ほど申し上げます各種インフラ整備に活用されています。
この交付金、ただ一方で、実際は、今現在、補正予算での措置となっております。また、熊本のみならず、北海道、岩手、広島、新潟などの地域にとっても非常に重要な交付金でございます。基金化ですとか複数年にわたる安定的な措置について、是非御検討いただきたいと思います。
次の十二ページを御覧ください。
現在、国直轄事業として高規格道路の整備もこのTSMCの進出に合わせて極めて順調に進んでいただいており、感謝しております。また、これには実は地元サイドもしっかりと努力を重ねています。無料の高速道路を造れではなくて、有料道路事業によって整備を推進していくべきだというのを地元から逆に提案をしております。受益者負担の考えにしっかりと基づいて早期整備していくことが重要だと、地元や受益者にも一端の負担をお願いしながら、着実にインフラ整備を進めることが重要であると考えております。
続きまして、十三ページです。
工場排水を対象とする特定公共下水道事業について、熊本県のために新たに採択をいただきまして、現在、処理場や管路の整備を進めております。また、熊本県は全国でも名高い地下水都市であります。ですので、地下水の保全が県民の高い関心事となっています。そのため、地下水の使用量を抑制する観点から、既存のダムを水源に、使われていない未利用水を工業用水として活用する取組も進めています。これ、いずれもインフラ交付金で御支援いただいておりますので、継続的な御支援をお願いしたいと思っております。
続きまして、十四ページを御覧ください。
空港アクセス鉄道の整備とJR豊肥線の輸送力強化です。先ほど申し上げましたように、今、国際航空路線数、地方空港全国一位に、くまもと空港躍り出ました。この空港は半導体関連産業の集積地域と国内外を結ぶ空の玄関口ですので、産業集積やインバウンドの増加で今後も利用客数が増加いたします。そこで、新たに鉄道を整備することで、半導体関連産業集積地へのアクセスを強化しつつ、熊本県民の実は今最大の関心事であり、強い強い不満がたまっているこの渋滞問題の解消を鉄軌道の整備によってしっかりと進めていきたいと考えています。
鉄道インフラの強化を地域未来戦略の中で位置付けていただくことで、我が国の安全保障を担う熊本県のこの大きな社会変革の基盤を整備するとともに、この経済安全保障に対する県民からの共感も得られるものと考えておりますので、国のお力添え、強力な御支援をお願いしたいと思っております。
続いて、十五ページです。人材育成の話を一つさせていただきます。
熊本県では、熊本県立大学に新たに半導体学部を設置することを目指して、現在文科省に認可申請を行っています。少子化の中での対応ですので、既存のちょっと文系の学部の定員を六十名減らして、その六十名を半導体の分野に振り替える、振り向ける形でまずは進めていきます。
県としてできることを着実に進めるとともに、左側にあります、熊本大学を始め、熊本県内のあらゆる機関を総動員して人材育成の強化を図ってまいりたいと考えております。
続きまして、本日御審議いただいている地域未来投資促進法に更に関連いたしまして、熊本県における現行法の活用状況を次の十六ページで御説明いたします。
熊本県は、県内全域を対象に基本計画を定めておりまして、農林水産業、真ん中の枠括弧のところに、要件一のところにありますけれども、農林水産業、自然共生型産業、成長ものづくり分野、デジタル関連、観光・物産、まちづくりの六つの地域特性を設定いたしまして、こうした地域特性を生かして、高い付加価値を創出するなどの要件を満たす事業を地域経済牽引事業として認定しています。
次の十七ページに、熊本県がこの地域未来投資促進法で認定、施行されてから九年間で認定した二百九十四件の事業があります。全国有数の承認件数となっていますけれども、分野別で見ますと、半導体分野を含めた成長ものづくり分野が一番多いところではあるんですけれども、同時に、農林水産業やバイオなど幅広い分野でこの法律は活用されています。
ちょっと具体例を二つ下に挙げさせていただきましたが、事例一は、これは半導体の製造装置の部品を製造する物づくりの事業者でございます。また、この右側は、ちょっと今いわゆる半導体で元気のいい県北部ではなくて、県南部の方にあります酪農家による乳製品の販売製造事業などです。これにも使われていまして、多岐にわたる設備投資で活用の事例が見られています。
今回の法改正は、熊本県にとって大変意義があると思っております。是非、この法案、法改正をしっかり熊本県も活用したいと思っております。
続きまして、今法案で予定されていますエッセンシャルサービスの維持に関するところについて、簡単に御説明させていただきます。
十九ページを御覧ください。
熊本県内の人口推移ですけれども、どこの県も同様ですけれども、人口減少と少子高齢化が見込まれています。二〇五〇年には、今二〇二五年時点での県の総人口は百六十八万三千人ですけれども、二〇五〇年には三十二万八千人減少して百三十五万五千人になる見込みです。
特に注目すべきは、この人口構造の変化です。グラフにあります老年人口、赤いところはほぼ横ばいで推移するんですけれども、生産人口が急激に減ります。ということは、エッセンシャルサービスにおいては、サービスの需要は一定程度ずっと存在し続ける一方で、産業の担い手が不足するということで、産業人材の確保が熊本にとって喫緊の課題でございます。
続いて、二十ページ、二十一ページを、二枚比較して併せて御覧ください。
熊本県内における職業別の求人倍率です。やはりその業種間での人手不足感のこの乖離というのが今非常に鮮明になっております。特に、赤枠で囲っていますけれども、医療技術者、介護サービス産業、また二十一ページの方に、接客、給仕職業、輸送、機械運転事業者などにおいて求人倍率が非常に高い水準で推移していまして、これらの職種はいずれも地域社会の維持、存続に欠かせないエッセンシャルサービスでございます。生活基盤を支える現場ほど人手不足が顕著になっています。
二十二ページを御覧ください。
県内における新規高校卒の割合についても、県内就職率が六七・一%で全国平均を下回っています。やっぱり相当数の高校卒業生が県外で就職していることを意味しておりまして、県内定着を進めていかなければいけません。
そのために、熊本県は、二十三ページで、くまもとで働こう推進本部ということで、県庁の縦割りの組織を横串に刺して、新規学卒者の県内定着、教育機関と連携した人材育成、DXによる生産性の向上、働きやすい職場づくりなどを掲げて具体的な施策を検討しています。
今般の法案で、エッセンシャルサービスの合理化、多角化、広域化などを推進するということは、県内の私どもの認識と一致しております。
ちょっと時間オーバーしていますが、最後に最終ページを御覧ください。
こうしたエッセンシャルサービスの効率化に関しての先進的な取組です。
一つは交通分野で、左側の事例でございますが、県内のタクシー会社十社が合併して、配車システムを一元化することによって事業の効率化を図っていますし、この会社は、この後、バス事業者と連携して、バス路線の車両の小型化とか利用者の少ないバス路線をタクシー会社が代行していくなどの取組を考えております。
また、右側の福祉事業については、資格を要する分野と要しない分野を切り分けて、資格を要しない分野について、業務については、障害を持つ方やアクティブシニアにも働きやすい環境を整備すること、また、ICTの技術を積極的に入れることで、サービスの質の向上や離職率の低下と、かつ事業の効率化を共に実現させているような事例がございます。
こうした事例を参考に、引き続きエッセンシャルサービスの充実と効率化に向けても熊本県、取り組んでまいります。
結びになりますが、熊本地震から十年という今、この十年間、本当に熊本地震からの復興に対して全国からいただいた御支援への恩返しを胸に、今後とも取り組んでまいりますので、引き続き御指導、御支援のほどよろしくお願いします。
以上でございます。
14浜浜口誠(国民)
ありがとうございました。
以上で参考人の御意見の陳述は終わりました。
これより参考人に対する質疑を行います。
なお、質疑及び答弁は着席のままで結構でございます。
質疑のある方は順次御発言願います。
この発言のページ
15
浅尾慶一郎(自民)
自由民主党の浅尾慶一郎です。
参考人の皆様方には、大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございます。
まず最初に、深尾参考人に伺わせていただきたいと思いますが、資本蓄積がこれから大変重要になってくるという御主張でございました。その中で、今回の法案の中で二点、設備投資の即時償却、そして投資した額の七%税額控除と入っておりますけれども、設備投資の方ですね、即時償却の方は、本来はそのこと自体が、何というんですかね、償却を、投資額を何年で回収するかというのは本来企業が考えればいい話で、私自身はそれを国が規定するのはおかしいので、長く掛けて償却しようと思…
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16深深尾京司一橋大学経済研究所特命教授
私、投資減税が投資にどう波及するかに関する専門家ではないので、ほかにどういう政策があるかというのはすぐにはいいアイデアはありませんが、一橋の例えば佐藤主光先生の実証研究等によると、やはり法人税考えるときに限界税率が非常に重要で、あとタックスベースがどれくらいかという、広くなるとやっぱり阻害要因になるといった指摘もありまして、幅広くやはり企業の投資活動に関する税を引き下げることは投資を促進する上で大事だと思います。
済みません、余り細かい情報は持っていません。
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