早稲田ゆき (中道改革連合)

2026年5月21日・第221回国会 衆議院 地域活性化・こども政策・デジタル社会形成に関する特別委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 185 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 200 発言)

ただいま議題となりました両法律案につきまして、中道改革連合を代表し、デジタル行政推進法等改正案に賛成、個人情報保護法等改正案に反対の立場から討論を行います。

急激な人口減少に対応し、持続可能な経済成長を遂げるためには、AI開発等を含むデータ利活用の促進は重要です。しかし、国民の信頼なくして健全なデータ利活用は成り立ちません。保護と利活用の均衡を欠いた個人情報保護法等改正案には重大な問題があります。

とりわけ、統計作成等の特例については、AI開発や統計作成等を名目として、本人同意なく、要配慮個人情報を生データで第三者提供できる範囲を大幅に拡大するものです。病歴、思想信条、信仰、犯罪歴など、最も慎重に扱われるべき要配慮個人情報が、名前や住所が含まれた状態で企業や行政、さらには個人事業主にまで提供可能となる。これは、個人情報保護法が本来掲げてきた個人の権利利益の保護という理念を根本から後退させるものと言わざるを得ません。

松本大臣は、名前や住所など不要な情報の削除について、利用者側が適宜判断すると答弁されました。本来、より厳格な保護が求められる要配慮個人情報の取扱いが、法律ではなく規則やガイドラインに委ねられている点は看過できません。一度、生データが渡ってしまえば、漏えいや不適切利用の危険は飛躍的に高まります。AI技術の進展によって再識別の可能性も指摘される中、事業者の善意に委ねる制度設計では到底不十分です。

参考人質疑において、森参考人は、本特例によって生成される統計的推論が差別的プロファイリングにつながる危険について警鐘を鳴らされました。特定の生活習慣や属性を持つ人々が、支払い遅延率が高い、リスクが高いなどとAIによって分類され、不利益な取扱いを受ける可能性があるとすれば、これは単なるプライバシー侵害にとどまらず、社会的差別や排除につながりかねない重大な問題です。

さらに、課徴金制度の対象については、千人を超える大規模事案に限られるほか、目的外利用や要配慮個人情報の取得についての違反が対象外とされるなど、極めて限定的です。違法行為によって得られた額を吐き出せば済むだけでは、抑止力として不十分ではないでしょうか。加えて、被害者救済の要となる団体訴訟制度も見送られました。

こうした経緯については、事業者側の意向を強く反映したと言わざるを得ません。

今回の改正では、国民の権利利益よりもデータ利活用を優先したとの疑念を払拭するには到底至っておりません。

以上の理由により、個人情報保護法等改正案に反対することを表明し、討論を終わります。(拍手)

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