皆さんのお手元に資料を配らせていただいております。夕刊デイリーと書いてあります。これは私の地元の日刊で発行される夕刊なんですけれども、袴田巌さんのドキュメンタリー映画、これが実は私の地元でも上映されました。
「拳と祈り」という映画を総理は御存じでいらっしゃいますでしょうか。これは、袴田事件の被告として四十七年七か月の獄中生活を強いられ、二〇二四年九月に無罪判決を受けた元プロボクサー袴田巌さん、今八十九歳でいらっしゃいます、その巌さんに迫ったドキュメンタリー映画でございます。
この映画を撮られた笠井千晶監督と、そして巌さんの無実を信じて支え続けた姉の秀子さん、秀子さんは九十三歳でいらっしゃいます、による講演会もございました。私、その講演会にも参加をさせていただいたんですが、冤罪という試練がなぜ与えられなければならなかったのか、権力によって覆い隠されてきた死刑という刑罰の残酷さを伝える内容になっておりました。
二〇一四年三月に再審開始が決定され、突如釈放されて東京拘置所を出る巌さんの背中や、秀子さんも同乗する車の中で巌さんの表情を捉えるシーンからこの映画は始まります。死刑という極めて重い判決によって心を破壊された巌さんの、その後の日常に密着をしているわけです。巌さんや秀子さんとの対話を重ねながら、二人の過酷な生涯をひもといていく作品でございます。
巌さんのお姉さんの秀子さん、写真にも載っておりますけれども、笑顔がとってもすてきで、明るい方なんですね。そこに救われる思いはするんですが、実際は、巌さんの逮捕から、長く笑顔というものを忘れていたそうです。食品卸会社の経理担当として住み込みで働きながら、同窓会にも出席せず、テレビで歌番組を見ることも一切しなかった、世間とは離れて、盆も正月もない生活を送っていたとお話しになりました。世間からとても冷たい目で見られ、孤立無援の中で、弟の無実を信じ背筋を伸ばして闘ってこられた秀子さんの姿には胸を打たれます。
袴田事件の当事者である袴田巌さんの姉、秀子さん、そして、日野町事件の当事者である弘さんの長男、弘次さん、御存じのとおり、国会には何度も足を運んでいただいておりますが、これまで、総理そして法務担当大臣には面会をいただけていないということでございます。
高市総理、是非、御面会をいただきまして、御家族の苦しみ、そして思いを直接聞いていただきたい。総理、いかがでしょうか。
169
平口洋(自民)法務大臣
お答えをいたします。
御指摘の事件については、本年二月二十四日、最高裁判所が、再審開始を認めた原決定に対する検察官の特別抗告を棄却する決定を行ったものと承知しております。
個別事件における裁判所の判断について、法務大臣として所感を述べることは差し控えたいと思います。
この発言のページ
170長長友慎治(国民)
普通の国民の受け止めとしては、これは救済が遅過ぎるというか、救済できていないということが普通の一般の感覚だと思います。血の通った人間の感覚であれば、これはおかしいというのが誰もの気持ちだと思うんですね。
結局、阪原さんはもうお亡くなりになっているわけですから、御本人の人生はもう戻ってこないわけですよね。こういう遅過ぎた救済で、再発防止をするための再審法の改正というものが求められているのは御承知のとおりでございます。
えん罪被害者のための再審法改正を早期に実現する議員連盟が昨年改正法案を提出していますが、一方で、法務省では、法制審議会の案を基にこれから…
この発言のページ
171
平口洋(自民)法務大臣
お答えをいたします。
再審制度の在り方については、超党派の議連による活動を含めて様々な御議論があることは承知しております。また、法制審議会の答申についても様々な御意見があると承知しております。
もっとも、法制審議会においては、超党派の議連が提出した法案も参照しつつ、様々な立場の構成員により幅広い観点から精力的かつ丁寧な議論がなされ、その結果としての答申が取りまとめられたものと認識しております。
法務省といたしましては、答申を重く受け止めており、今後、これを踏まえて、今国会への法案提出に向け速やかに準備を進めるとともに、幅広い御理解を得られるよう、丁…
この発言のページ
- (上の発言)
172長長友慎治(国民)
皆さんのお手元に資料を配らせていただいております。夕刊デイリーと書いてあります。これは私の地元の日刊で発行される夕刊なんですけれども、袴田巌さんのドキュメンタリー映画、これが実は私の地元でも上映されました。
「拳と祈り」という映画を総理は御存じでいらっしゃいますでしょうか。これは、袴田事件の被告として四十七年七か月の獄中生活を強いられ、二〇二四年九月に無罪判決を受けた元プロボクサー袴田巌さん、今八十九歳でいらっしゃいます、その巌さんに迫ったドキュメンタリー映画でございます。
この映画を撮られた笠井千晶監督と、そして巌さんの無実を信じて支え続けた姉の秀子さん、秀子さんは九十三歳でいらっしゃいます、による講演会もございました。私、その講演会にも参加をさせていただいたんですが、冤罪という試練がなぜ与えられなければならなかったのか、権力によって覆い隠されてきた死刑という刑罰の残酷さを伝える内容になっておりました。
二〇一四年三月に再審開始が決定され、突如釈放されて東京拘置所を出る巌さんの背中や、秀子さんも同乗する車の中で巌さんの表情を捉えるシーンからこの映画は始まります。死刑という極めて重い判決によって心を破壊された巌さんの、その後の日常に密着をしているわけです。巌さんや秀子さんとの対話を重ねながら、二人の過酷な生涯をひもといていく作品でございます。
巌さんのお姉さんの秀子さん、写真にも載っておりますけれども、笑顔がとってもすてきで、明るい方なんですね。そこに救われる思いはするんですが、実際は、巌さんの逮捕から、長く笑顔というものを忘れていたそうです。食品卸会社の経理担当として住み込みで働きながら、同窓会にも出席せず、テレビで歌番組を見ることも一切しなかった、世間とは離れて、盆も正月もない生活を送っていたとお話しになりました。世間からとても冷たい目で見られ、孤立無援の中で、弟の無実を信じ背筋を伸ばして闘ってこられた秀子さんの姿には胸を打たれます。
袴田事件の当事者である袴田巌さんの姉、秀子さん、そして、日野町事件の当事者である弘さんの長男、弘次さん、御存じのとおり、国会には何度も足を運んでいただいておりますが、これまで、総理そして法務担当大臣には面会をいただけていないということでございます。
高市総理、是非、御面会をいただきまして、御家族の苦しみ、そして思いを直接聞いていただきたい。総理、いかがでしょうか。
173
高市早苗(自民)内閣総理大臣
その苦悩、長期間にわたる苦悩については深く思いを致すところです。
袴田事件につきましては、現在、国家賠償請求訴訟が係属中、日野町事件については、今後、再審公判が開かれる予定でございます。
ですから、内閣総理大臣として、国の訴訟の当事者やその御家族の方々と直接お会いするということについては極めて慎重であるべきと考えております。
その上で、再審の手続に長期間を要することで、当事者の大変な御負担となっている場合があるという認識は私も持っておりました。
そこで、私から法務大臣に再審制度の見直しを指示し、法制審議会の答申も得て、法案提出に向けた準備を進めて…
この発言のページ
174長長友慎治(国民)
総理、内閣総理大臣というお立場で会うことは難しい、そういう立場であるという理解はいたします。ですが、このドキュメンタリー映画の「拳と祈り」、是非見ていただきたいと思います。袴田巌さんのお姉さん、秀子さん、そして巌さん本人が今も、現在生きていらっしゃいますから、今お会いしなければいつお会いできるのかというふうに思いますし、是非、難しいお立場であることは重々承知の上で、血の通った、人としての御対応をお願いをしたいと思います。
このドキュメンタリー映画「拳と祈り」でございますけれども、既に全国で六十四か所の劇場で公開されております。また、自主上映会というのも…
この発言のページ
175
高市早苗(自民)内閣総理大臣
法務大臣には既に再審法改正について指示を出し、そしてまた、法律案提出に際しましては与党の審査もございます。その中で、私自身、非常に強い問題意識を持ってまいりましたので、委員の御指摘は重く受け止めたいと思っております。
また、映画についても拝見をいたします。
この発言のページ