ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
巌だけが助かればいいという問題ではありません、冤罪被害で苦しんでいる方が大勢いらっしゃいます、抜け道をつくらないで。元死刑囚である冤罪被害者の袴田巌さんの姉、袴田ひで子さんは、再審法改正の議論に際して度々そう訴えてこられました。袴田巌さんの事件で、逮捕から無罪が確定するまでに五十八年もの年数がかかっています。この事件のほかにも、近年、再審無罪事件が相次いでいますが、いずれも長期間にわたる再審手続を要しており、刑事司法に対する信頼も大きく揺らいでいる状況です。
このような中で、刑事訴訟法の第四編、いわゆる再審法については、様々な制度的不備があることが指摘されています。本法律案は、刑事訴訟法を改正して再審及び再審請求手続に関する規定を整備することにより、冤罪被害者の適正かつ迅速な救済を図ろうとするものです。
次に、その主な内容は、第一に、再審又は再審請求手続について、当該再審等に係る被告事件の裁判等に関与した裁判官を、除斥及び忌避の対象に追加することとしています。
第二に、再審請求手続に関し、期日の指定、裁判長の手続指揮権等の規定を整備することとしています。
第三に、再審請求手続における証拠開示について、より広範な証拠開示を可能とする観点から、まず、開示請求があった場合には、開示の必要性や開示による弊害などを考慮して相当でないと認めるときを除き、再審請求人等に対し直接開示する制度を設けることとし、また、その対象は、検察官等が保管する証拠だけに限られず、警察から検察官に事件が送致されるときに作成、送付される証拠物や書類のリストにも及ぶこととしています。加えて、裁判所が証拠開示の必要性を認めた場合には、その証拠の再審請求理由との関連性を問うことなく、職権によりその開示を命じることができることとしています。なお、本法律案では、開示された証拠の目的外使用については、証拠の公表による支援活動の拡充や報道機関による報道がこれまでの再審無罪事件で大きな役割を果たしてきたことを踏まえ、禁止規定及び罰則規定は設けていません。
第四に、検察官は、再審開始の決定に対しては、即時抗告、異議の申立て及び特別抗告をすることはできないこととしております。
第五に、附則において、政府は、この法律の施行後三年を目途として、捜査段階における書類や証拠物の目録作成及び保存の在り方、再審の請求をしようとする者への検察官保管証拠等の開示の在り方について検討を加え、必要な法制上の措置等を講ずる旨の検討条項を設けています。あわせて、新法の規定は、この法律の施行の際、現に係属している再審及び再審請求手続についても適用する旨の経過措置を設けることとしています。
最後に、本法律案の施行期日は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としています。
以上が、本法律案の趣旨及び主な内容です。
何とぞ、十分に御審議の上、本法律案に御賛同いただけますようお願いいたします。(拍手)
――――◇―――――
刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案(西村智奈美君外三名提出)の趣旨説明に対する質疑
40
森英介議長
この際、内閣提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案及び西村智奈美君外三名提出、刑事訴訟法の一部を改正する法律案について、順次趣旨の説明を求めます。法務大臣平口洋君。
〔国務大臣平口洋君登壇〕
この発言のページ
41
平口洋(自民)法務大臣
刑事訴訟法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
罪を犯していない人が処罰されることはあってはならず、仮に犯人でない人を有罪とする確定裁判があれば、速やかに救済されなければなりません。再審制度は、そのための非常救済手続であり、重要な意義を有するものです。
しかし、近時、一部の再審無罪事件において、再審の請求から再審無罪判決の確定までに相当な長期間を要し、再審請求者等に大きな負担を生ずる事態となっています。
そして、こうした事態の原因に関し、捜査機関が保管する裁判所不提出記録の提出までに多くの時間を要しているといった指摘や、…
この発言のページ
42
森英介議長
提出者西村智奈美君。
〔西村智奈美君登壇〕
この発言のページ
- (上の発言)
43
西村智奈美(中道)
ただいま議題となりました刑事訴訟法の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。
巌だけが助かればいいという問題ではありません、冤罪被害で苦しんでいる方が大勢いらっしゃいます、抜け道をつくらないで。元死刑囚である冤罪被害者の袴田巌さんの姉、袴田ひで子さんは、再審法改正の議論に際して度々そう訴えてこられました。袴田巌さんの事件で、逮捕から無罪が確定するまでに五十八年もの年数がかかっています。この事件のほかにも、近年、再審無罪事件が相次いでいますが、いずれも長期間にわたる再審手続を要しており、刑事司法に対する信頼も大きく揺らいでいる状況です。
このような中で、刑事訴訟法の第四編、いわゆる再審法については、様々な制度的不備があることが指摘されています。本法律案は、刑事訴訟法を改正して再審及び再審請求手続に関する規定を整備することにより、冤罪被害者の適正かつ迅速な救済を図ろうとするものです。
次に、その主な内容は、第一に、再審又は再審請求手続について、当該再審等に係る被告事件の裁判等に関与した裁判官を、除斥及び忌避の対象に追加することとしています。
第二に、再審請求手続に関し、期日の指定、裁判長の手続指揮権等の規定を整備することとしています。
第三に、再審請求手続における証拠開示について、より広範な証拠開示を可能とする観点から、まず、開示請求があった場合には、開示の必要性や開示による弊害などを考慮して相当でないと認めるときを除き、再審請求人等に対し直接開示する制度を設けることとし、また、その対象は、検察官等が保管する証拠だけに限られず、警察から検察官に事件が送致されるときに作成、送付される証拠物や書類のリストにも及ぶこととしています。加えて、裁判所が証拠開示の必要性を認めた場合には、その証拠の再審請求理由との関連性を問うことなく、職権によりその開示を命じることができることとしています。なお、本法律案では、開示された証拠の目的外使用については、証拠の公表による支援活動の拡充や報道機関による報道がこれまでの再審無罪事件で大きな役割を果たしてきたことを踏まえ、禁止規定及び罰則規定は設けていません。
第四に、検察官は、再審開始の決定に対しては、即時抗告、異議の申立て及び特別抗告をすることはできないこととしております。
第五に、附則において、政府は、この法律の施行後三年を目途として、捜査段階における書類や証拠物の目録作成及び保存の在り方、再審の請求をしようとする者への検察官保管証拠等の開示の在り方について検討を加え、必要な法制上の措置等を講ずる旨の検討条項を設けています。あわせて、新法の規定は、この法律の施行の際、現に係属している再審及び再審請求手続についても適用する旨の経過措置を設けることとしています。
最後に、本法律案の施行期日は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としています。
以上が、本法律案の趣旨及び主な内容です。
何とぞ、十分に御審議の上、本法律案に御賛同いただけますようお願いいたします。(拍手)
――――◇―――――
刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出)及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案(西村智奈美君外三名提出)の趣旨説明に対する質疑
44
森英介議長
ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。谷川とむ君。
〔谷川とむ君登壇〕
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45
谷川とむ(自民)
自由民主党の谷川とむです。
私は、自由民主党・無所属の会を代表し、ただいま議題となりました内閣提出の刑事訴訟法の一部を改正する法律案について質問いたします。(拍手)
言うまでもなく、冤罪、罪を犯していない者が処罰されることはあってはなりません。有罪の確定判決が誤っている場合には、速やかに救済する必要があります。そのための手段として、再審制度は極めて重要な意義を有しています。
他方で、再審制度については、三審制の下での確定判決による法的安定性の観点も重要であります。制度が悪用され、安易な裁判のやり直しにより真犯人が処罰を免れるような事態も防がなければ…
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46
高市早苗(自民)内閣総理大臣
谷川とむ議員の御質問にお答えいたします。
本法律案の成立に向けた意気込みについてお尋ねがございました。
再審制度の見直しについては、私自身、自民党の総裁選でも公約とし、強い思いを持って取り組んでまいりました。
本法律案は、誤判からの確実な救済と手続の円滑、迅速化を図るものであり、再審制度が非常救済手続としてより適切に機能するようにするため、大変重要な意義を有するものでございます。
十分に御審議をいただき、是非とも速やかに成立をさせていただけるよう、政府として、丁寧に説明を尽くしてまいります。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。(拍…
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