佐藤淳法務省刑事局長

2026年6月24日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第22号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 109 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 168 発言)

お答えいたします。

本法律案による法二条一号の改正は、現行の正常な運転が困難な状態という構成要件を、個別具体的な事情を問わずに一律にそのような状態と認められる数値基準を設けることでより明確にするものでございます。この文言は、判例上、アルコールの影響により道路交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態をいい、アルコールの影響により前方を注視してそこにある危険を的確に把握して対処することができない状態もこれに当たるとされているところでございます。

したがいまして、この数値基準といいますのは、個別具体的な事情を問わずに一律にそのような正常な運転が困難な状態にあると認められる体内アルコール濃度にする必要があると考えられたところでございます。

具体的な数値の在り方については、法制審議会の部会におきまして、体内アルコール濃度が呼気一リットルにつき〇・五ミリグラムに至っている場合には、個人差を問わず、注意力や警戒心の低下、反応の遅延といった運転に必要不可欠な能力への影響が生じているといったアルコール医学の知見を前提といたしまして、そのような影響が生じていれば危険を的確に把握して対処することは困難でありまして、道路交通の状況に応じた運転操作を行うことが困難な状態に至っていると評価できるということについて幅広い意見の一致が見られたところでございました。

他方で、当部会におきましては、御指摘のように、飲酒類型の数値基準を呼気一リットルにつき〇・一五ミリグラムとすべきであるとの意見も示されたところでございました。

一方で、そのヒアリングで示されたアルコール医学の知見によりますと、体内アルコール濃度がその程度である場合には、注意力の低下とか反応の遅延といった運転を行うための重要な認知機能への影響が例外なく生じているとは言い難いために、反証を許さずに一律に正常な運転が困難な状態に該当することとなる数値基準とすることは相当でないという異論が示されて、結論に至ることはなかったということでございました。

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