本日の議論の中で明らかになったこと。
第一に、令和四年の改正の経過措置、実際に何人の無戸籍者の方が戸籍を得たのかは、法務省はその人数を把握していない。国会に示された百二十二名という数字も、実際に救済された無戸籍者数は分からないという不正確なものであった。
第二は、就籍を始めとする裁判手続も、申立てと救済は別であり、誰が救済され、誰が救済されなかったのかを把握する属性の統計は存在をしない。
第三に、制度があっても、安全に使えないために、戸籍を得られない方たちが現に存在をしているということです。
つまり、現在の制度は、戸籍を得たい人が自分の力で裁判所にたどり着けることを前提にしています。その前提からこぼれ落ちている人がいる。そして、国はその人数も実態も把握をしていない。令和四年改正は大きな前進でしたけれども、そして、その意義というものを私は否定をしません。しかし、その改正によってもなお取り残されている人たちがいることを、これからどの制度で、いつまでに、どのように救済していくのか。
でも、私は、もう今までの制度では無理だと思っています。ここに新たな枠組みが必要だと考えています。これまで、父の欄を未定とする記載や内密出産ガイドラインの応用などを提案してきましたけれども、法務省のお答えは消極的なものばかりでした。であれば、どうしたらいいのか。大臣に質問したいと思うんですけれども、その質問に入る前に、私がなぜ無戸籍問題に取り組んでいるのか、少しお話をさせてください。
私は、二〇〇二年に、再婚後の夫との間に子供を産みました。しかし、当時、民法七百七十二条の嫡出推定より、子供が無戸籍になるということを経験をいたしました。
私は調停離婚だったんです。調停離婚の後に子供を懐胎した。でも、その子供は前夫の子と推定をされる。これは、この法律が、国家として、離婚後に懐胎した子供の父親は前夫ということは、離婚した女性は一定期間前夫の性的拘束下に置かれるということにほかならないんです。私は、これが許せなくて、国を相手取って裁判もしました。でも、高い壁でした。
しかしながら、私の子供というのは、その後、戸籍を得ることができました。なぜかというと、その後、私は、全ての衆参法務委員の皆さんのところを回りました。この法律はおかしいんだと言って回りました。そのときに、みんなけんもほろろで、無戸籍問題なんというのはまだ全然問題になっていなかったので、そこで唯一取り上げてくださったのが河村たかしさんだったんです。河村たかしさんは、当時法務委員会で、その場で、私と子供がベビーカーを引いて全てのところを回っていたのを余りにかわいそうに思ったのか、突然、民事局長に電話して、今から行くからと。
たまたま民事局長はそのときにお部屋におられたんです。何のために河村さんが行かれるのか、全く分からず、民事局長はお部屋で待っていて、私が行きました、子供と行きました。そうしたら、河村たかしさんが、この親子はかわいそうなんだ、七百七十二条とか嫡出推定とか聞いても、何だかかんだかこんがらがって分からない、分からないけれども、自分は、この法律がおかしい、そしてこの子を救わなければいけない、そのことだけは分かる、かわいそうなことだけは分かるから、あとは民事局長お願いと言って、河村さんは帰っていかれて、民事局長室に私と子供と民事局長、そして、そのときに四人の法務省の職員の方がおられたんです。
そして、そこで私は、前夫に関わらないでこの子の戸籍を取るためには、認知調停、認知裁判ということをやっていくしかないのではないか、でも、その認知裁判というのは、平和な家庭の中で夫を被告にするんですよ、そして私たちは申立人として闘っていくというような、平和な家庭の中に便宜上争いをつくる、こんなおかしな裁判をしなければ、でも、これしか方法はないと思うけれども、民事局長、どうですかと聞いたらば、民事局長は、そのときに、その法務省の役人の方たちに、できるかどうか、どうだということで、皆さんにお伝えをしたんですよ。そうしたらば、そこから皆さん、六法を持っていて、当時、それでそこを開けて、しゃしゃしゃしゃしゃあといって皆さんがそれを検討し始めた。それがぴたっと止まったところで、民事局長がどうだと言ったら、みんな、できる、できる、できる、できる、四人ができると言ったんですよ。
その後に、民事局長が大事なことをおっしゃいました。私たちもリーガルマインドがあると。こんなおかしな制度、七百七十二条が時代に合っていないというのは分かっている、だけれども、法律を変えるためには、その法律を変えた後にこれによって益を得る人たちの姿が見えなきゃ駄目なんだ、まず井戸さん、判例をつくってほしい、判例をつくって、いろいろな人たちにこれを、認知制度を使ってそして無戸籍を解消するという例をつくったならば、リーガルマインドが法務省はあるんだ、法律を変えなければおかしいんだということは誰もが思って、そして法改正につながっていくと。
私はそれを信じて、法律を改正をする、そのために、まずは、その当時は政治家でも何でもありません、単なる母親です、でも、それで闘ってきた。そして、一緒にやってくださっている弁護士の皆さんも、まさにこのリーガルマインドなんですよ。この国に生まれて登録されない子供がいていいんですか、これを変えるために何とかしなければいけない、そう思っています。
そこで、大臣にお伺いをしたいと思う。
さっき言いました、無戸籍の会見をした大学生、無戸籍のまま大学に行くなんということは本当に大変なんです。想像できますか、このお母さんがどれだけ大変だったのか。それでも、今も救われていない子供たちが本当に多くいるんです。ですので、今問われているのは、平口法務大臣、法務大臣のリーガルマインドであり、法務省のリーガルマインドです。
令和四年改正で救済できなかった人たちを救済するために、こうした無戸籍者救済法、新しい法律が必要だと思っています。政府として検討を開始すべきではないでしょうか。無戸籍者たちを安全かつ迅速に戸籍につなげるための新たな制度的枠組みを是非つくっていただきたいと思います。大臣のお考えを伺います。
99松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
まず、個別の事案についてお答えすることが難しいことは御理解いただきたいと存じますが、その上で、一般論として申し上げますと、嫡出推定を避けるために無戸籍となっている場合において、嫡出推定を覆して無戸籍を解消するためには、母の元夫又は実の父に対する裁判手続をすることが必要となります。
そして、相手方からDVなどを受けている場合においてこのような裁判手続を行う際には、民事訴訟法上、相手方に対する住所等の秘匿決定の手続というものが予定されておりまして、これが関係法令で準用されているということもございまして、この住所等の秘匿決定の手続を活…
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井戸まさえ(国民)
その秘匿制度、秘匿手続というのが、住所、氏名を相手方に知らせないようにする制度です。大事な制度なんです。しかし、この事案で問題になっているのは、住所を隠せるかどうかだけの話じゃないんですよ。
第一に、嫡出否認の手続をすれば、その手続が始まったこと自体は、相手方である前夫に知らされます。住所は隠せても、子供の存在がまず伝わるわけですから、リスクが発生します。
第二に、秘匿制度は、一部にしか認められない場合もあれば、認められても、相手が争えば取り消される可能性もある不安定な制度です。
第三に、そもそもこの類型の方は、DVの証拠も、前夫の夫ではないこと、…
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101松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
裁判所における各種手続において、そこに出頭するですとか、その手続に参加することについて不安を覚えていらっしゃる方がいることは存じ上げております。先ほど申し上げたような相手方に対する住所等の秘匿決定という手続は、そのようなおそれに対処するために設けたものでございますが、この制度が適切に運用され、その趣旨もしっかりと伝わり、皆様に御不安を感じさせることがないような運用が望まれるというところでございます。
また、先ほど委員からは、証拠が実際にはないんだというお話もございました。DVを受けられた方々について、様々な法律関係が問題になりま…
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- (上の発言)
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井戸まさえ(国民)
本日の議論の中で明らかになったこと。
第一に、令和四年の改正の経過措置、実際に何人の無戸籍者の方が戸籍を得たのかは、法務省はその人数を把握していない。国会に示された百二十二名という数字も、実際に救済された無戸籍者数は分からないという不正確なものであった。
第二は、就籍を始めとする裁判手続も、申立てと救済は別であり、誰が救済され、誰が救済されなかったのかを把握する属性の統計は存在をしない。
第三に、制度があっても、安全に使えないために、戸籍を得られない方たちが現に存在をしているということです。
つまり、現在の制度は、戸籍を得たい人が自分の力で裁判所にたどり着けることを前提にしています。その前提からこぼれ落ちている人がいる。そして、国はその人数も実態も把握をしていない。令和四年改正は大きな前進でしたけれども、そして、その意義というものを私は否定をしません。しかし、その改正によってもなお取り残されている人たちがいることを、これからどの制度で、いつまでに、どのように救済していくのか。
でも、私は、もう今までの制度では無理だと思っています。ここに新たな枠組みが必要だと考えています。これまで、父の欄を未定とする記載や内密出産ガイドラインの応用などを提案してきましたけれども、法務省のお答えは消極的なものばかりでした。であれば、どうしたらいいのか。大臣に質問したいと思うんですけれども、その質問に入る前に、私がなぜ無戸籍問題に取り組んでいるのか、少しお話をさせてください。
私は、二〇〇二年に、再婚後の夫との間に子供を産みました。しかし、当時、民法七百七十二条の嫡出推定より、子供が無戸籍になるということを経験をいたしました。
私は調停離婚だったんです。調停離婚の後に子供を懐胎した。でも、その子供は前夫の子と推定をされる。これは、この法律が、国家として、離婚後に懐胎した子供の父親は前夫ということは、離婚した女性は一定期間前夫の性的拘束下に置かれるということにほかならないんです。私は、これが許せなくて、国を相手取って裁判もしました。でも、高い壁でした。
しかしながら、私の子供というのは、その後、戸籍を得ることができました。なぜかというと、その後、私は、全ての衆参法務委員の皆さんのところを回りました。この法律はおかしいんだと言って回りました。そのときに、みんなけんもほろろで、無戸籍問題なんというのはまだ全然問題になっていなかったので、そこで唯一取り上げてくださったのが河村たかしさんだったんです。河村たかしさんは、当時法務委員会で、その場で、私と子供がベビーカーを引いて全てのところを回っていたのを余りにかわいそうに思ったのか、突然、民事局長に電話して、今から行くからと。
たまたま民事局長はそのときにお部屋におられたんです。何のために河村さんが行かれるのか、全く分からず、民事局長はお部屋で待っていて、私が行きました、子供と行きました。そうしたら、河村たかしさんが、この親子はかわいそうなんだ、七百七十二条とか嫡出推定とか聞いても、何だかかんだかこんがらがって分からない、分からないけれども、自分は、この法律がおかしい、そしてこの子を救わなければいけない、そのことだけは分かる、かわいそうなことだけは分かるから、あとは民事局長お願いと言って、河村さんは帰っていかれて、民事局長室に私と子供と民事局長、そして、そのときに四人の法務省の職員の方がおられたんです。
そして、そこで私は、前夫に関わらないでこの子の戸籍を取るためには、認知調停、認知裁判ということをやっていくしかないのではないか、でも、その認知裁判というのは、平和な家庭の中で夫を被告にするんですよ、そして私たちは申立人として闘っていくというような、平和な家庭の中に便宜上争いをつくる、こんなおかしな裁判をしなければ、でも、これしか方法はないと思うけれども、民事局長、どうですかと聞いたらば、民事局長は、そのときに、その法務省の役人の方たちに、できるかどうか、どうだということで、皆さんにお伝えをしたんですよ。そうしたらば、そこから皆さん、六法を持っていて、当時、それでそこを開けて、しゃしゃしゃしゃしゃあといって皆さんがそれを検討し始めた。それがぴたっと止まったところで、民事局長がどうだと言ったら、みんな、できる、できる、できる、できる、四人ができると言ったんですよ。
その後に、民事局長が大事なことをおっしゃいました。私たちもリーガルマインドがあると。こんなおかしな制度、七百七十二条が時代に合っていないというのは分かっている、だけれども、法律を変えるためには、その法律を変えた後にこれによって益を得る人たちの姿が見えなきゃ駄目なんだ、まず井戸さん、判例をつくってほしい、判例をつくって、いろいろな人たちにこれを、認知制度を使ってそして無戸籍を解消するという例をつくったならば、リーガルマインドが法務省はあるんだ、法律を変えなければおかしいんだということは誰もが思って、そして法改正につながっていくと。
私はそれを信じて、法律を改正をする、そのために、まずは、その当時は政治家でも何でもありません、単なる母親です、でも、それで闘ってきた。そして、一緒にやってくださっている弁護士の皆さんも、まさにこのリーガルマインドなんですよ。この国に生まれて登録されない子供がいていいんですか、これを変えるために何とかしなければいけない、そう思っています。
そこで、大臣にお伺いをしたいと思う。
さっき言いました、無戸籍の会見をした大学生、無戸籍のまま大学に行くなんということは本当に大変なんです。想像できますか、このお母さんがどれだけ大変だったのか。それでも、今も救われていない子供たちが本当に多くいるんです。ですので、今問われているのは、平口法務大臣、法務大臣のリーガルマインドであり、法務省のリーガルマインドです。
令和四年改正で救済できなかった人たちを救済するために、こうした無戸籍者救済法、新しい法律が必要だと思っています。政府として検討を開始すべきではないでしょうか。無戸籍者たちを安全かつ迅速に戸籍につなげるための新たな制度的枠組みを是非つくっていただきたいと思います。大臣のお考えを伺います。
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平口洋(自民)法務大臣
体験に基づいたお話を伺いまして、大変重く受け止めたいと思っております。
無戸籍は人間の尊厳にも関わる重大な問題であるというふうに認識しております。委員御指摘のとおり、無戸籍の解消に御不安を感じておられる当事者の方々が現にいらっしゃることに十分留意しながら、法務省としては、無国籍者の解消に向け、裁判手続の案内や支援を含めて、引き続き寄り添い型の支援をしっかりと進めるとともに、当該問題については、関係省庁及び関係機関、裁判所と連携しながら必要な検討を進めてまいりたいと考えて、済みません、無国籍と言ったようですけれども無戸籍の間違いです、必要な検討を進めてい…
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井戸まさえ(国民)
無国籍の問題も非常に深刻な問題ですけれども、無戸籍ですので、三回目になりますので、是非覚えていただきたいというか、本当に取り組んでいただきたいと思うんです。
無戸籍者の多くは、制度を悪用しようなんて思っていないんですよ。例えば偽装事件とか、いろいろあるけれども、そうじゃない。やはり制度のはざまに取り残された人たちです。
令和四年改正は前進でしたけれども、でも、本当に、救済された方たち、救済できなかった方たちもいらっしゃる。上川委員が大臣時代に、まさに無戸籍ゼロタスクフォースを立ち上げられて、そして、様々統計を取られたことからこの無戸籍問題というのは前…
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105松松井信憲法務省民事局長
お答え申し上げます。
お尋ねは仮定の質問でございまして、お答えすることが困難でございます。
御指摘のとおり、同性間の婚姻を認めない民法等の規定が憲法に違反するとして、原告らが国に対して損害賠償を求めた複数の訴訟がいずれも最高裁判所に係属しており、大法廷で審理されることになったものと承知をしております。
これまでに言い渡された高等裁判所の判決は、いずれも原告らの損害賠償請求を認めませんでしたが、その理由中の判断は、民法等の規定が憲法に違反しないとしたものと、憲法に違反するとしたものに分かれ、憲法のいかなる条項に違反しているかの判断も異なっております。…
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