佐藤淳法務省刑事局長

2026年6月10日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 56 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 198 発言)

お答えいたします。

本法律案におきまして、まず前提から申し上げますと、再審開始決定に対する検察官の不服申立てについて全面的な禁止としなかったのは、仮に誤った再審開始決定であっても一切不服申立てができず、本来やり直すべきでない裁判でも直ちにやり直すこととする制度とすると、裁判の確定の意義や裁判の紛争解決機能が損なわれるなどといった刑事司法制度の根幹に関わる問題が生じるためでございます。

また、本法律案において証拠の目的外使用の禁止の規定を設けることとしたのは、関係者の名誉、プライバシーを保護する必要があるだけでなく、今後の捜査、公判への協力確保の困難化や捜査の秘密の漏えいを防止するなどして、刑事司法制度が適切に機能することを確保する必要があるためでございます。

その上で、今御指摘の証拠の一覧表の話でございますけれども、本法律案におきましては、再審請求審が、職権主義の下、裁判所が主体的に事実の取調べを行う手続であることを踏まえて証拠の提出命令制度を設けているわけですが、これに加えて、御提案のような、通常審における当事者主義的構造を前提とした証拠の一覧表の制度を設けることとした場合には、再審請求審の構造と整合しない制度を導入することとなり、裁判所における証拠の提出命令制度等の解釈に混乱が生じ、再審請求審における適切な運用を確保することが困難となるなどのおそれがあると考えられておりまして、必ずしも反対利益といったものではなくて、ただいま申し上げた制度全体としての理由であるとかバランスを考えて、御提案の制度は設けないこととしたところでございます。

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