お答えします。
まず、再審開始決定に対する抗告、そもそも、再審請求手続というものが、通常の控訴、上告と同じように被告人と検察官それぞれが当事者として控訴、上告をしていくというようなたてつけとはそもそも論として異なっているということを前提にしていただく必要があると思います。
再審請求は、再審請求人のみが当事者であって、その再審請求の理由があるかどうかを裁判所が職権で判断をするという職権主義の手続であるということは争いのないところです。
では、なぜ当事者ではない検察官がこれまで不服申立てができるということになっていたのかというと、当事者性を根拠にした主張はないと思います。言われているのは、当事者ではないけれども、公益の代表者として、再審開始決定が誤っているような場合には、自分は公益の代表者としてこれを是正するのだという、公益の代表者を根拠に抗告論を展開するというのが多いように思います。
しかし、福井事件の例を見ればすぐ分かるとおり、証拠を一方で隠しながら、隠したまま再審開始決定に抗告をして、実際に再審開始決定を取り消させたという事例が現に存在するわけです。先ほど幾つか事件名だけは挙げましたけれども、袴田事件、それから免田事件、この福井事件、これは全て、一度再審開始決定を取り消された経験のある事件なんです。
だとすると、元の再審開始決定は間違っていたのか、間違っていたから公益の代表者に取り消されたのは当然なのだという話になるのかということなんですね。そうではないでしょうということです。
何度も言うように、再審開始決定というのは、有罪、無罪の結論がそこで出るという話ではないです。いろいろと新しい証拠が出た結果、これまで通常審では出されていなかった新しい事実、新しい証拠が出たことによって、この裁判、もう一度見直してみようよというレベルの決定です。
それに対して抗告をするということは、例え話をすれば、自分がコロナにかかっているかもしれないという人が、市販の検査キットで陽性と出た、これは市販のキットだからおかしいから、もう一回別の市販のキットを試してみよう、そういう話には多分ならないと思うんですね。あくまでも中間的な、仮の判断は、その後ちゃんと病院に行ってすればいいだけのことですから。
これは、実際に再審公判でやるということが、まさに司法の中での手続全体の健全性につながると思います。これは時間の長い短いの話ではないということを改めて申し上げておきたいと思います。
以上です。
59池池田公博京都大学大学院法学研究科教授
お答え申し上げます。
再審請求審の審理が、裁判所が主体になって再審理由の存否を判断する手続であることから、証拠の提出は一義的に裁判所に対してなされるべきだという考え方に変わりはありません。
その上で、インカメラ審理に際しては、関連性が認められないかもしれない証拠も含めて点検した上で、そこで関連性の判断をするということで、一覧表の範囲も裁判所の指定する範囲とされていますけれども、それは関連性の係る範囲に限られずに、ある程度幅広な指定をされるはずですし、その上で、この範囲でということが分かれば、提出させたものは請求人に見せられる、審理の対象となる以上請求…
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60小小竹凱(国民)
ありがとうございました。
次に、もう一問、池田参考人、鴨志田参考人にお伺いしたいと思います。
再審開始決定に対する検察官抗告の在り方について、お二方の意見が相反しているというか、対立しているように感じました。
池田参考人からは、全て禁止となれば再審請求審が公判に場所を移すだけであって、判決にまた控訴をすれば、また結果として迅速化というか期間が短縮化されることにはつながらないというような意見を承りました。仮に期間としては同じだったとしても、期間という軸だけで見れば一緒だとしても、公開と非公開という違いがあるというふうに思います。
鴨志田参考人からは…
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61池池田公博京都大学大学院法学研究科教授
お答え申し上げます。
私は、手続保障が充実しているから公判に行くべきだという議論があることも承知しておりますが、そうであれば、誤って再審請求を棄却された方についても、迅速かつ公開の法廷で自分が救済を受けるべき者だということを主張させてしかるべきであるようにも思われますが、どなたもそのようなことはおっしゃっておられず、棄却決定との関係では再審請求審のフィルター機能は果たされている、正当であるということが前提となっているように思われます。
あくまで開始決定との関係だけで、それは誤っていたとしても先に進めていいのだとおっしゃっているわけですが、その結果、棄…
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- (上の発言)
62鴨鴨志田祐美弁護士(日本弁護士連合会再審法改正推進室長)
お答えします。
まず、再審開始決定に対する抗告、そもそも、再審請求手続というものが、通常の控訴、上告と同じように被告人と検察官それぞれが当事者として控訴、上告をしていくというようなたてつけとはそもそも論として異なっているということを前提にしていただく必要があると思います。
再審請求は、再審請求人のみが当事者であって、その再審請求の理由があるかどうかを裁判所が職権で判断をするという職権主義の手続であるということは争いのないところです。
では、なぜ当事者ではない検察官がこれまで不服申立てができるということになっていたのかというと、当事者性を根拠にした主張はないと思います。言われているのは、当事者ではないけれども、公益の代表者として、再審開始決定が誤っているような場合には、自分は公益の代表者としてこれを是正するのだという、公益の代表者を根拠に抗告論を展開するというのが多いように思います。
しかし、福井事件の例を見ればすぐ分かるとおり、証拠を一方で隠しながら、隠したまま再審開始決定に抗告をして、実際に再審開始決定を取り消させたという事例が現に存在するわけです。先ほど幾つか事件名だけは挙げましたけれども、袴田事件、それから免田事件、この福井事件、これは全て、一度再審開始決定を取り消された経験のある事件なんです。
だとすると、元の再審開始決定は間違っていたのか、間違っていたから公益の代表者に取り消されたのは当然なのだという話になるのかということなんですね。そうではないでしょうということです。
何度も言うように、再審開始決定というのは、有罪、無罪の結論がそこで出るという話ではないです。いろいろと新しい証拠が出た結果、これまで通常審では出されていなかった新しい事実、新しい証拠が出たことによって、この裁判、もう一度見直してみようよというレベルの決定です。
それに対して抗告をするということは、例え話をすれば、自分がコロナにかかっているかもしれないという人が、市販の検査キットで陽性と出た、これは市販のキットだからおかしいから、もう一回別の市販のキットを試してみよう、そういう話には多分ならないと思うんですね。あくまでも中間的な、仮の判断は、その後ちゃんと病院に行ってすればいいだけのことですから。
これは、実際に再審公判でやるということが、まさに司法の中での手続全体の健全性につながると思います。これは時間の長い短いの話ではないということを改めて申し上げておきたいと思います。
以上です。
63小小竹凱(国民)
時間になりましたので終わりたいと思いますが、四人の皆様、本日は本当にありがとうございました。
終わります。
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64井井上英孝(維新)
次に、和田政宗君。
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和田政宗(参政)
参政党の和田政宗でございます。
参考人の方々、ありがとうございます。
私からは、法制審、法制審議会の再審関係部会の委員であられました池田さんと鴨志田さん、お二人に三問、できれば四問お聞きをしたいというふうに思っております。
再審関係部会、全十八回、全部議事録を読む中で、ちょっとひっかかる部分がありまして、それについてお聞きをしたいんですけれども。
再審開始決定に対する検察官の不服申立てについてですが、第十八回のこの最後の会議では、慎重かつ十分な検討を行うという附帯事項案について、弁護士である田岡幹事が、より慎重かつ十分に検討を行うと記載しなければ…
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