井戸まさえ (国民民主党)

2026年4月17日・第221回国会 衆議院 法務委員会 第5号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 122 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 166 発言)

国民民主党の井戸まさえです。

本日は、出入国管理及び難民認定法等の改正案について、過去の施策ではなぜ十分でなかったのか、そして、今回の改正の背景、目的、そして懸念事項を整理しながら質問させていただきたいと思っています。

キャン・アイ・シー・ユア・パスポート・プリーズ、この言葉を私は何度口にしてきたか分かりません。一九八〇年代末、大学三年生の秋から卒業まで、私は、アメリカ系の航空会社でグランドスタッフとして勤務をいたしておりました。チェックインカウンターに立ち、日々膨大な数のパスポートを手に取り、搭乗手続を行ってまいりました。

まず、顔写真と御本人の一致、パスポートの有効期限を確認をする。さらに、渡航国の国によっては、査証、ビザの有無、その種類や有効性まで細かく見る。搭乗券を発券する以前に確認するべき項目は数多くあり、また、まさに仕事の半分はこのパスポートチェックであったと言っても過言ではありません。

また、出勤すると、カウンターの横にはその日搭乗する可能性のある国際手配犯などの情報が掲示されており、一人一人の情報が、単なる事務作業ではなく、水際での安全確保そのものであるということを、まさに緊張感の中で業務に当たってまいりました。

現在では、チェックインシステムの高度化により、自動チェックインが主流となって、パスポートはスキャナーで読み取られるようになりましたが、出入国管理の最前線がこの水際にあるという本質は今も変わっていないと考えます。そして、今回議題になっていますJESTAが導入された際のキーとなる部分というのが、まさにこのチェックインカウンターであるということもしっかり見ていかなければいけないと思っています。

海外へ渡航する際、私たちは当然のようにパスポートを持ち、相手国の求める条件を満たすことで国境を越えてまいります。それによって移動の自由を享受いたしますが、その自由は、各国の制度と国際的なルールの下、成り立っているものであります。

私は、こうした現場を経験してきた立場から、出入国の管理というものが、単なる手続ではなくて、人の移動の自由と国家の責任ある管理とを両立させる極めて重要な制度であると認識しております。その観点から、今回の改正案について質問をさせていただきます。

まず、これまでの出入国管理施策の検証と評価についてです。

政府は、これまで、出入国管理については、いわゆる円滑化の観点から、二〇一六年には、訪日外国人が入国審査を受ける際、待ち時間を使って必要な情報を取得する新たな機器、バイオカート、さらには、二〇一九年からはウォークスルーゲートの整備、二〇二二年には、デジタル庁が提供する入国手続の電子サービスで、従来、紙によって手続を行っていたのを、代わって、事前にオンラインで必要な情報を入力することで空港での手続を大幅に簡素化できるビジット・ジャパン・ウェブ、昨年の二〇二五年には、税関と入管が連携して、旅券情報、顔写真、税関申告情報を一度に提供できる電子端末で、それまで別々に行ってきた入管と税関の手続を一括で完了できる共同キオスクなど、出入国管理に関して様々な措置を講じてまいりました。また、一方で、航空会社からの事前旅客情報提供制度など、厳格化の施策も進めてきたと承知をしています。

しかしながら、現実には、不法滞在者の問題は依然として解消されておらず、入国審査の待ち時間は長いまま、在留資格認定や難民認定の審査期間の長期化も繰り返し指摘をされています。つまり、円滑化と厳格化の双方について、やってきたが十分な成果が出ていないのではないかというのが率直な問題意識としてあります。

出入国管理は、この円滑化と厳格化という相反する要請を同時に満たさなければいけない極めて難しい分野です。日本はこれまで、観光振興、成長戦略を背景に、どちらかといえば円滑化に軸足を置いてきたのではないでしょうか。昨年導入された共同キオスクも、有人審査の一部を無人化することで、利便性の向上はあっても、厳格化の強化という点では設置効果は限定的ではないかという指摘もございます。

今回のJESTA導入を含む制度改正に当たって、これまでの各施策について、どの程度の効果があったのか、何が機能して何が機能しなかったのか、そうした検証はそもそも行われてきたのか、評価も含めてお聞かせをいただきたいと思います。

〔委員長退席、三木委員長代理着席〕

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