先日の当委員会で示された四つの事例、すなわち、一つ目として、昭和六十二年に、競技会場に掲揚されていた日の丸を引き降ろし、ライターで火をつけて掲げた後、その場に投げ捨て、半分ほど焼失させた事例、二つ目として、平成三年に、大学生が大学正門に掲揚されていた日の丸を引きずり降ろした事例、三つ目として、平成八年に、旧日本海軍殉職者記念碑近くのポールに掲揚されていた日の丸を燃やした事例、四つ目として、平成二十年に、神社の境内で参拝客が所持していた日の丸を奪い、足で踏みつけた上、さおを折った事例についてであります。
公刊物によりますと、一つ目の事例については、その判決において、被告人は、日の丸旗は国民を戦争に動員するのに利用された旗であり、国旗としてふさわしくなく、本件競技会の開始式において日の丸旗を掲揚すべきでないと考えており、日の丸旗が掲揚されることになったことを知り、開始式で日の丸旗が掲揚されれば、これを引き降ろそうと考えるに至っていたところ、その当日、会場に実際に日の丸旗が掲揚されたのを見て、これを引き降ろして、再掲揚を妨げるため燃やしてしまおうと決意した旨判示されていることが確認できました。
他方で、二つ目から三つ目までの事例については、公刊物において確認できなかったところでございます。
その上で、先ほど申し上げた一つ目の事例の犯行が政治的表現行為として行われたものかどうかについては、個別の事件における裁判所の認定した事実に対する評価にわたる事柄でございますので、法務当局の立場からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
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吉田宣弘(中道)
ありがとうございます。
判例はそのとおりでございます。それは付随的審査制だから、当然そういうことになると思います。
憲法学において二重の基準を否定する憲法学者は恐らく一人もいないと思います。そんな学者がいたら、多分、憲法学界で生きていけないと思うからですね。
これは、そういった意味においては、ある意味、通説的な見解であるということでございますけれども、今も御答弁にございましたとおり、表現の自由に対する規制については厳格な審査基準が妥当するというふうなことで理解されておりますが、表現の自由に対する規制に対して違憲審査基準が厳格とされていることについて…
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31高高木啓(自民)
お答え申し上げます。
学説上、二重の基準の理論的根拠としては、まず第一に、経済的自由に関する不当な立法は、民主制の過程が正常に機能している限り、議会でこれを是正することが可能であるのに対し、民主制の過程を支える精神的自由が不当に制限されている場合には、そのような自己回復が困難であること、第二に、経済的自由の規制については、社会経済政策の問題が関係することが多く、裁判所の審査能力に限界があるのに対し、精神的自由の規制についてはそのような問題は少ないことなどが挙げられることが多いものと承知いたしております。
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吉田宣弘(中道)
そのとおりなんです。本法案で一番私が懸念されるところはその点なんです。表現の自由が制約をされることによって、それが民主制の過程でも修復が難しくなってくるというところに実はこの表現の自由に関する部分がありますから、そういうふうな懸念について明確に答えを国民の皆様に示していかないといけないということで今審議をさせていただいているわけでございますが、時間の関係で先に進ませていただきます。
六月二十四日の内閣委員会で示された、実際に国旗の損壊等の行為が行われた四つの事例を紹介していただきましたが、この四つの事例は政治的表現の行為として行われたものかについて、政…
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- (上の発言)
33吉吉田雅之法務省大臣官房審議官
先日の当委員会で示された四つの事例、すなわち、一つ目として、昭和六十二年に、競技会場に掲揚されていた日の丸を引き降ろし、ライターで火をつけて掲げた後、その場に投げ捨て、半分ほど焼失させた事例、二つ目として、平成三年に、大学生が大学正門に掲揚されていた日の丸を引きずり降ろした事例、三つ目として、平成八年に、旧日本海軍殉職者記念碑近くのポールに掲揚されていた日の丸を燃やした事例、四つ目として、平成二十年に、神社の境内で参拝客が所持していた日の丸を奪い、足で踏みつけた上、さおを折った事例についてであります。
公刊物によりますと、一つ目の事例については、その判決において、被告人は、日の丸旗は国民を戦争に動員するのに利用された旗であり、国旗としてふさわしくなく、本件競技会の開始式において日の丸旗を掲揚すべきでないと考えており、日の丸旗が掲揚されることになったことを知り、開始式で日の丸旗が掲揚されれば、これを引き降ろそうと考えるに至っていたところ、その当日、会場に実際に日の丸旗が掲揚されたのを見て、これを引き降ろして、再掲揚を妨げるため燃やしてしまおうと決意した旨判示されていることが確認できました。
他方で、二つ目から三つ目までの事例については、公刊物において確認できなかったところでございます。
その上で、先ほど申し上げた一つ目の事例の犯行が政治的表現行為として行われたものかどうかについては、個別の事件における裁判所の認定した事実に対する評価にわたる事柄でございますので、法務当局の立場からお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。
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吉田宣弘(中道)
私は、今、法務省は、三権分立という矜持の上から評価は差し控えされたと思います。そこは私も十分理解するところでございますが、私は、明確にこれは政治的表現の行為であったというふうに思います。
ただ、残りの三つについては、事案が明確でないし、裁判になったかどうかも明確でないし、よくぞこの四つの事例を事案として出してきたなというふうに私は率直に驚きました。そのことについては少し苦言を呈させていただきたいのですけれども、次の質問に移らせていただきます。
先日の中道の後藤議員の質問に対して、国旗損壊罪の構成要件に該当する行為で、ここからが答弁ですが、政治活動上の…
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35高高木啓(自民)
お答え申し上げます。
御指摘の答弁は、構成要件該当性の判断の段階においては政治目的か否か等の主観を考慮しないことから、政治活動上の表現として行われる行為についても、著しく不快又は嫌悪の情を催させるような方法であると客観的事情から認められる場合があり得ることを前提に、仮に構成要件に該当した場合であっても、違法性阻却事由の検討段階においては、政治表現目的であること等の事情も含めて総合考慮して、社会通念上相当なものが判断されるという趣旨で述べたものでございます。
違法性阻却については、本法案に限らず、刑法三十五条に基づく正当行為として、ある行為が構成要件に…
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吉田宣弘(中道)
私も、刑法をそれなりに学んできた者としては、今の答弁では、残念ながら、ちょっと納得できないところでございます。
答弁を聞いていて、恐らく違法性の本質については、判例の立場に立っておられるのかなと思います。すなわち、行為無価値論から入っているのかなというふうに考えます。ただ、様々、違法性でこの判断をするというのは非常に私は危険だと思いますよ。なぜならば、間口の部分で、構成要件の部分で国民の自由というものが保障されなければならないのに、その判断が違法性の段階で、しかも、今、何か社会通念とかそういったものもありましたけれども、そういったもので違法性が判断され…
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