志田陽子武蔵野美術大学造形学部教授・学長補佐

2026年6月25日・第221回国会 衆議院 内閣委員会 第23号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 85 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 88 発言)

御質問いただいた危険性、通報が濫用的に行われる危険性というのは、日本社会の場合、十分あると考えております。

これは、六年前のコロナ感染症の蔓延を防ぐためにみんながステイホーム、自宅で過ごそうという状態になったときにかなり実際に行われたことです。警察への通報ではないですけれども、あそこのお母さんは外で子供を遊ばせている、それでいいのかというように、市民同士が言いつけ合うというようなことがあり、これはそうした通報や、それからSNSに上げて、これでいいのかというふうにあげつらう行為というのは、決して悪い、相手を傷つける気持ちからではなく、違法なことなんじゃないか、違法なことは許していていいのかという正義感から行われているというものが非常に多かったんですね。

この国旗損壊罪、正式に制定されますと、そういう正義を愛する国民が過剰な監視、そしてあげつらいを起こすということが日本社会の経験上はかなり危惧されます。

そして、そうしたことがあっても必要な法律なのか。例えば、殺人罪というのは、そういうことがあったとしても、とにかく殺人というものは防ぐ必要があるので必要な法律だということははっきりしているわけですけれども、これをデメリット、メリットを比較考量したときに、そうした通報の濫用が起こり得るというデメリットを凌駕する、優越するだけのメリットが認められるかというところは非常に難しいところだと思われます。

また、芸術作品については、既にそういった通報が濫用される動きというのは実際に見られていて、多くの、特に現代芸術系の芸術家がかなり悩んでいるという現実は今既にございます。それが加速することを危惧しております。

以上です。

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