御質問いただいた危険性、通報が濫用的に行われる危険性というのは、日本社会の場合、十分あると考えております。
これは、六年前のコロナ感染症の蔓延を防ぐためにみんながステイホーム、自宅で過ごそうという状態になったときにかなり実際に行われたことです。警察への通報ではないですけれども、あそこのお母さんは外で子供を遊ばせている、それでいいのかというように、市民同士が言いつけ合うというようなことがあり、これはそうした通報や、それからSNSに上げて、これでいいのかというふうにあげつらう行為というのは、決して悪い、相手を傷つける気持ちからではなく、違法なことなんじゃないか、違法なことは許していていいのかという正義感から行われているというものが非常に多かったんですね。
この国旗損壊罪、正式に制定されますと、そういう正義を愛する国民が過剰な監視、そしてあげつらいを起こすということが日本社会の経験上はかなり危惧されます。
そして、そうしたことがあっても必要な法律なのか。例えば、殺人罪というのは、そういうことがあったとしても、とにかく殺人というものは防ぐ必要があるので必要な法律だということははっきりしているわけですけれども、これをデメリット、メリットを比較考量したときに、そうした通報の濫用が起こり得るというデメリットを凌駕する、優越するだけのメリットが認められるかというところは非常に難しいところだと思われます。
また、芸術作品については、既にそういった通報が濫用される動きというのは実際に見られていて、多くの、特に現代芸術系の芸術家がかなり悩んでいるという現実は今既にございます。それが加速することを危惧しております。
以上です。
82志志田陽子武蔵野美術大学造形学部教授・学長補佐
ただいま、罪刑法定主義からの問題があることが指摘されましたが、私も同じように考えております。見る人にとっての主観で判断の発端が生じるというものについては、これを定義として限定していくことが非常に難しい。
そして、罪刑法定主義に反するという問題は、日本国憲法の条文に照らした場合には、憲法三十一条の、法の適正手続の中の、法律で定めたことによらなくては国家は人に刑罰その他の不利益を与えることはできない、そういう原則になっていますけれども、ここで言う法律というのは明確なものでなくては、この三十一条が意味を成さないことになってしまいます。その観点からも、明確性の…
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畑野君枝(共産)
ありがとうございます。
引き続きまして、江藤参考人と志田参考人に伺います。
私人による現行犯逮捕ができるようになる、思想、信条の異なる市民同士が不快だとか嫌悪感を持ったとお互いの言動を監視し合う、こういう息苦しい社会になるのではないかと昨日私は質問したんです。こういう点について、どのようにお考えになるでしょうか。
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84江江藤隆之桃山学院大学副学長・法学部教授
ありがとうございます。
現にそれが起きるかどうか分かりませんが、可能性としてはあり得るかと思います。ただし、それが最後まで認められるということはない、単に国旗を粗末に扱っていた、さあ、現行犯逮捕だというようなのが認められる、最後までそれが正当な逮捕だと認められることはないと思いますけれども、しかし、私の先ほどの意見陳述でも申し上げましたけれども、通報するとか、あの人が国旗を粗末に扱っている、許さないというふうな、そういう社会が来る可能性はあり得ると思います。
以上です。
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- (上の発言)
85志志田陽子武蔵野美術大学造形学部教授・学長補佐
御質問いただいた危険性、通報が濫用的に行われる危険性というのは、日本社会の場合、十分あると考えております。
これは、六年前のコロナ感染症の蔓延を防ぐためにみんながステイホーム、自宅で過ごそうという状態になったときにかなり実際に行われたことです。警察への通報ではないですけれども、あそこのお母さんは外で子供を遊ばせている、それでいいのかというように、市民同士が言いつけ合うというようなことがあり、これはそうした通報や、それからSNSに上げて、これでいいのかというふうにあげつらう行為というのは、決して悪い、相手を傷つける気持ちからではなく、違法なことなんじゃないか、違法なことは許していていいのかという正義感から行われているというものが非常に多かったんですね。
この国旗損壊罪、正式に制定されますと、そういう正義を愛する国民が過剰な監視、そしてあげつらいを起こすということが日本社会の経験上はかなり危惧されます。
そして、そうしたことがあっても必要な法律なのか。例えば、殺人罪というのは、そういうことがあったとしても、とにかく殺人というものは防ぐ必要があるので必要な法律だということははっきりしているわけですけれども、これをデメリット、メリットを比較考量したときに、そうした通報の濫用が起こり得るというデメリットを凌駕する、優越するだけのメリットが認められるかというところは非常に難しいところだと思われます。
また、芸術作品については、既にそういった通報が濫用される動きというのは実際に見られていて、多くの、特に現代芸術系の芸術家がかなり悩んでいるという現実は今既にございます。それが加速することを危惧しております。
以上です。
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畑野君枝(共産)
どうも今日はありがとうございました。
以上で終わります。
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山下貴司(自民)
これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。
この際、一言御挨拶を申し上げます。
参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、誠にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。
次回は、明二十六日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十一時二十六分散会
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