盛山正仁 (自由民主党)

2026年4月23日・第221回国会 衆議院 憲法審査会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 34 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 36 発言)

自由民主党の盛山正仁です。

御指名いただき、ありがとうございます。

本日集中討議が行われております緊急事態条項について発言をいたします。

先ほど鈴木幹事が御発言されたように、ドイツ基本法では、防衛事態の下における連邦議会議員の任期の延長や、連邦議会の解散の禁止が規定されています。スウェーデン、ポーランドでも、緊急時において議員の任期を延長するとともに、議会の解散を制限する規定があります。カナダでは、任期は原則五年ですが、戦争、侵略、反乱の場合に、三分の一を超える下院議員の反対がなければ、上下両院の議決により下院は五年を超えて継続できる旨の規定があります。フィンランドの基本法におきましては、日本と同様に議員任期は四年と明確に規定されていますが、次の選挙が実施されるまで現在の議員の任期が継続する旨の規定がございます。

このように、新たな議員が選出されるまで任期が継続する旨の規定は、イタリア、デンマーク等、比較的多くの国に存在しています。このような任期の定め方をすれば、議員が不在となることはなく、緊急時でも議会を機能させることができるということになります。

ギリシャの憲法では、戦争時の議会活動の継続規定があるほか、議会が解散されている場合には選挙の実施は戦争の終結まで延期され、それまでの間、解散された議会が当然に再招集されるという規定があります。この規定は、解散時でも緊急事態が生じれば議会活動を再開できることを規定しており、これまで本審査会で議論がなされた前議員の身分復活の制度と趣旨を同じくするものではないかと思料いたします。

憲法等の規定に基づき、実際に議員任期が延長されている例がございます。私は超党派の日本・ウクライナ議連の幹事長としてウクライナと御縁がございますが、ウクライナ憲法では、議員任期は五年と規定されていますが、同時に、戒厳終了後の選挙で構成される議会の開会時まで会期が延長され、その間は議員任期も延長される旨の規定があります。

御案内のとおり、令和四年二月二十四日にロシアがウクライナに侵略を開始し、ウクライナは直ちに戒厳を布告しております。本来であれば、最高会議、これは国会のことです、この議員選挙は翌二〇二三年十月に実施される予定でありましたが、先ほど述べた憲法等の規定により、現在に至るまで選挙は延期され、議員任期も延長されています。

このように、ウクライナでは、侵略後も安定的に本会議、委員会等を開催し、必要な予算、法律を制定する等、戦時であっても厳然と議会の機能を維持し続けております。

議会政治の母国であるイギリスは、我が国と同様に議院内閣制を採用しておりますが、下院議員の任期が延長されております。これは、第一次世界大戦の際、一九一四年から一八年にかけて四回任期が延長され、本来五年の任期が最終的には七年六か月となりました。第二次世界大戦の際には、一九四〇年から四四年にかけて五回任期が延長され、最終的には任期が十年に及んでおります。

以上、諸外国憲法における議会機能維持のための制度や議員任期が延長された事例について御紹介いたしました。多くの国において、議員任期の延長や、次の選挙の実施までの現在の議員の任期の継続、緊急時における解散禁止、選挙延期といった制度が整備されております。いかなる場合であっても議会の機能や活動を維持する規定を設けること、これは当然のことではないかと考えます。

私の選挙区である神戸では、三十一年前に阪神大震災が発生し、交通、通信が麻痺し、大変な大災害となりました。当時は知事からの要請なく自衛隊を出動できるという規定がなかったこと等、緊急時対応に遅れが生じました。そのような経験を踏まえ、その後、道路の啓開等も含め、もろもろの法制度の手当てがなされております。

問題点について認識されていないのであれば仕方がないことかもしれませんが、緊急時に何をなすべきか、ここにおられる議員を含め、明確に問題が認識されていると考えます。緊急時において超法規的な対応を取らざるを得ないということがないように、可能な限り速やかに憲法に必要な規定を設けることが私たちの責務ではないでしょうか。

会議は踊る、されど進まずということでは、私たち立法府が問題を認識しながら不作為を行っているという責めを負うものであると考えます。本日の冒頭で新藤筆頭幹事から御提案があったように、緊急事態条項に関する議論をピン留めして何らかの具体的なイメージを明らかにすることが最低限必要であり、我々の責務であることを述べ、新藤筆頭幹事の御提案に賛成の意を表明いたしまして、私の発言といたします。

ありがとうございました。

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