石破茂 (自由民主党)内閣総理大臣

2025年3月6日・第217回国会 参議院 予算委員会 第3号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 68 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 383 発言)

よもやこういうような場面が来るとはゆめさら思っておりませんでしたが、私、防衛庁長官をしておったときに、ある方から、この猪瀬直樹さんの書いた「昭和十六年夏の敗戦」だけは必ず読めというふうにお薦めをいただきました。そのときに、えっ、昭和二十年夏の敗戦じゃないのと言ったら、違うんだと、敗戦は昭和十六年にもう既に決まっていたのだ、ちゃんと読めというお話でございました。

今のキャピタル東急ホテルの辺りに総力戦研究所というものをつくって、当時の帝国政府が、陸軍、海軍、そしてありとあらゆる官庁、日本銀行、同盟通信であったかと思います、三十代の俊才たちを集めてあらゆるデータを開示をして、日本とアメリカの今でいうGDPが八倍違ったとか、そういうあらゆるデータを開示して、日米もし戦わばどうなるかということ、今の言葉でいうシミュレーションをやったと。その結果は、何をやっても勝てないので、いかなる理由があってもこの戦争を始めてはいかぬということが結論であったが、それは顧みられることなく開戦に至り、日本はあのように悲惨な道をたどっていったと。

概略そのようなことでは、原作者を前にして言うことでもありませんが、そのように覚えております。つまり、情報の開示とは何であるか、みんな分かっていたのに何でこれを始めたのか、そして個別最適の総和は決して全体最適ではない。

私、若い方々に、安全保障、何読んだらいいですかと聞かれることが時々あるのですが、真っ先にお薦めをするのは、この「昭和十六年夏の敗戦」、この本でございます。その価値は不滅のものだと原作者を前にして申し上げておくところでございます。

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