森本宏法務省刑事局長

2025年5月15日・第217回国会 参議院 法務委員会 第9号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 124 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 228 発言)

まず、捜査機関による電磁的記録提供命令は、捜査に必要な電磁的記録を保管する者又はそれを利用する権限を有する者に対してすることができるものでございまして、一般に裁判官による令状審査においては、被処分者とされている者がこれらに該当するかということも含めて審査されることになりますことから、御指摘のような電磁的記録提供命令を受けた者が提供を命じられた電磁的記録を取得することが不正アクセスに該当するという事態はまず基本的には想定し難いとは考えておりますが、その上で、あくまで一般論として申し上げますと、改正後の刑事訴訟法二百二十二条の二第一項においては、正当な理由がなく、電磁的記録提供命令に違反した者に対する罰則を規定しておりますところ、この正当な理由がなくとは違法にという意味でございまして、正当な理由には、法律上明文の規定によって電磁的記録提供命令の拒絶権が認められる場合のほか、実質的に違法性を欠くと認められる場合も含まれると考えられます。

どのような場合がその成立するか否かについては、個別具体的な事案ごとに証拠によって判断されるべきことではございますが、一般的には、被処分者において不法な手段を用いなければ当該命令を履行することができないような場合には、正当な理由に該当し、同罪の成立が否定され得るものと考えております。

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