現行刑事訴訟法の下では、捜査機関が証拠を押収した場合に、その押収処分が事後的に取り消されたとしても、当該証拠の複製等を廃棄、消去することとはされておらず、直ちに裁判において証拠として利用することはできなくなることともされておりません。
最高裁判例におきましては、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合に初めて証拠能力が否定されるという取扱いが確立しております。
このいわゆる違法収集証拠排除法則は、証拠物は押収手続が違法であってもその証拠価値に変わりはなく、その押収手続に違法があるとして直ちにその証拠能力を否定することは事案の真相解明に資するものではなく相当でないと考える一方で、事案の真相解明も、個人の基本的人権の保障を全うしつつ適正な手続の下でなされなければならないと考えられることを踏まえたものであり、刑事裁判実務上確立しているものであります。
また、強制処分が違法であるとして事後的に取り消される場合であっても、その違法の程度は比較的軽微なものから令状主義の精神を没却するような重大な違法なものまで様々であり、違法と判断された強制処分により取得した証拠物の複製等を一律に廃棄、消去しなければならないとすることは、ただいま申し上げた現行刑事訴訟法における仕組みや判例法理に照らし相当でないと考えております。
また、捜査や公判に必要なものとして取得された証拠は、捜査中から刑事事件終結後に至るまで、例えば後の再審請求審における利用等に備えてありのままの、ありのまま記録として保管、保存されるべきものであり、それが現行制度の基本的な考え方であるところ、このような取扱いは刑事手続の適正かつ円滑な遂行のために相当なものと考えております。
本法律案による改正後の刑事訴訟法においては、こうした我が国の刑事法の基本的な考え方との整合性を考慮し、実質的な相当性にも配慮して、違法であるとして取り消された電磁的記録提供命令により取得された電磁的記録の消去の規定は設けていないところでございまして、今述べたような点から、その理由が弱いというふうには考えておりません。
128
矢倉克夫(公明)
方向性についてより具体的にと思うんですが、衆議院法務委員会において池田参考人が、電磁的記録に着目した保管、管理の仕組みは設けられてもよいというふうに発言されていました。
大臣に伺いたいんですけど、大臣も四月四日に、データの適正な取扱いに関する規定等の整備が必要だと答弁されています。今後、具体的にどのように検討を進めるのか、具体的な道筋を示していただきたいと思います。大臣、よろしくお願いします。
この発言のページ
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鈴木馨祐(自民)法務大臣
この電磁的記録、この適切な保管、管理、さらには不適切な、不適正な利用の防止をするということ、そして必要な期間保管した後にこれはしっかりと確実に廃棄をする、こうしたことについて適正な取扱い、これに努めていくこと、これ極めて重要である、そうした趣旨で先般も発言をしたと承知をしております。
その適正な取扱い等に関する規定等の整備につきましては、私どもといたしましては、そうした規定あるいは通達ということの整備ということを考えておりますけれども、まさにその具体的な規定の内容、この法案の審議、こちらの委員会も含めてこの法案審議の状況、これも踏まえながら検討しており…
この発言のページ
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矢倉克夫(公明)
ちょっと済みません、一問飛ばしまして。
これ、主に違法に収集された電磁的記録の保管、消去を念頭に、先日の参考人質疑のときには、成瀬参考人から、現行刑事訴訟法の構造は、違法な処分があったとしても、物は返しても複写は返さないであるとし、その構造との整合性から、違法な処分により収集した無体物たるデータの消去、課題が多いといった趣旨の御意見があったと思いますが、これまでとは取り扱うものも違う、また、新たな制度も創設される、だからこれまでの構造との整合性だけでは論拠としては少し弱いように思うんですが、政府としてはそのほかどういう理由があるのか、何か意見があればと…
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- (上の発言)
131森森本宏法務省刑事局長
現行刑事訴訟法の下では、捜査機関が証拠を押収した場合に、その押収処分が事後的に取り消されたとしても、当該証拠の複製等を廃棄、消去することとはされておらず、直ちに裁判において証拠として利用することはできなくなることともされておりません。
最高裁判例におきましては、令状主義の精神を没却するような重大な違法があり、これを証拠として許容することが将来における違法な捜査の抑制の見地からして相当でないと認められる場合に初めて証拠能力が否定されるという取扱いが確立しております。
このいわゆる違法収集証拠排除法則は、証拠物は押収手続が違法であってもその証拠価値に変わりはなく、その押収手続に違法があるとして直ちにその証拠能力を否定することは事案の真相解明に資するものではなく相当でないと考える一方で、事案の真相解明も、個人の基本的人権の保障を全うしつつ適正な手続の下でなされなければならないと考えられることを踏まえたものであり、刑事裁判実務上確立しているものであります。
また、強制処分が違法であるとして事後的に取り消される場合であっても、その違法の程度は比較的軽微なものから令状主義の精神を没却するような重大な違法なものまで様々であり、違法と判断された強制処分により取得した証拠物の複製等を一律に廃棄、消去しなければならないとすることは、ただいま申し上げた現行刑事訴訟法における仕組みや判例法理に照らし相当でないと考えております。
また、捜査や公判に必要なものとして取得された証拠は、捜査中から刑事事件終結後に至るまで、例えば後の再審請求審における利用等に備えてありのままの、ありのまま記録として保管、保存されるべきものであり、それが現行制度の基本的な考え方であるところ、このような取扱いは刑事手続の適正かつ円滑な遂行のために相当なものと考えております。
本法律案による改正後の刑事訴訟法においては、こうした我が国の刑事法の基本的な考え方との整合性を考慮し、実質的な相当性にも配慮して、違法であるとして取り消された電磁的記録提供命令により取得された電磁的記録の消去の規定は設けていないところでございまして、今述べたような点から、その理由が弱いというふうには考えておりません。
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矢倉克夫(公明)
証拠能力の点という部分はあるかもしれないけど、無体物たる情報がそのまま残っているということそのものが、いろんなところに複製され得る、さらにプライバシーというところからもまた考えなきゃいけない問題は多いかと思います。
その上で、大臣にも伺いたいと思うんですが、この無体物たる情報そのものを取り扱うリスクを認識、それを認識した上で、それに合った管理の仕方というのをこれ真剣に考えなければいけないと思います。仮にそれが実質的にできないということ、難しいということであれば、先日の参考人、河津参考人も、監督する第三者機関ということもおっしゃっておりましたが、これは私…
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鈴木馨祐(自民)法務大臣
捜査機関におきましては、一般に、捜査の過程で取得をした書類あるいは個人情報、これにつきましては、刑事訴訟法あるいは刑事確定訴訟記録法といった法令等の規定あるいは趣旨に従って適正に取扱いをしていると我々としては承知をしているところであります。
今御指摘のまさに第三者機関ということでありますけれども、まさにこの捜査機関による電磁的記録あるいは個人情報の取扱いを監督するに当たりましては、個々の電磁的記録あるいは個人情報と被疑事件等との関連性の有無、程度、さらには被疑者等の防御上の必要性の有無、程度、そうしたもの、それらが捜査の進展あるいは争点に応じて変化をす…
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矢倉克夫(公明)
個々の捜査上とか裁判上の前提知識があるかないかということで、それはなし得ないという御意見だったと思うんですけど、要するに、ちゃんと制度としてこの捜査機関も含めた関係のところがそれを侵害しないような体制が組めるかどうかという、そこの部分、制度論、制度の在り方、情報の管理の仕方というのもちゃんと監視というか監督するような、そういう機関というのも必要だと思うんですね。
機関かどうかは別にしても、そこをしっかりと意識をして、内部でも少なくともちゃんと規律を図っていくという意識はしっかり持っていかなきゃいけないというふうに私自身は思っておりますし、それと、最終的…
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