河津博史日本弁護士連合会刑事調査室室長

2025年5月8日・第217回国会 参議院 法務委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 65 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 101 発言)

証拠の中で電磁的記録ということに限定してお話をさせていただきたいと思いますけれども、電磁的記録提供命令を使った場合を含めて、捜査機関が電磁的記録を収集する場合というのはいろいろバリエーションはあり得るだろうと思います。任意捜査、任意に提出を受ける場合も含めると、捜査機関は現在でも多くの電磁的記録を取得しているのではないかと思います。

先ほど御紹介させていただいた事例では、警察がその電磁的記録を取得して警察署内のパソコンに保管していたにもかかわらず、それが証拠として取り扱われていなかった。その結果として、検察官も恐らくその証拠のその電磁的記録の存在を知らなかった。したがって、不存在と回答し、弁護人に開示されなかった。しかし、それは無罪を決定付けるような、目撃証人の信用性を否定する根拠となるような重要な電磁的記録であったということです。

このようなことが現在でも明らかにならないまま、そういった事態が起こっている可能性というのは否定することはできません。御紹介した事件では、たまたま、証人尋問の結果、電磁的記録を警察に提供しているということが明らかになって、それが開示されて、判決の中で用いられたということになるからです。こういったものが明らかにならないまま有罪判決が言い渡されてしまっている事例というのが実は多数存在するというおそれもございます。

そういったことがないようにするためには、警察、検察、捜査機関が電磁的記録を収集したときには、これを常に証拠として取り扱って、それを管理していく必要があるだろうと思います。弁護人から証拠開示があり、それが証拠開示の要件を満たすときには適正に開示されることが必要です。

そして、この電磁的記録の消去に関しては、捜査機関が恣意的に消去するのではなくて、まさに裁判所がその収集が違法であるとして処分を取り消した場合、これを義務的に取り消すようにするべきです。

少なくともこのような手続を定める必要があるのではないかと考えておりますが、そういった手続の履践を十分に担保するためには第三者による監督も必要なのではないかと思われますので、独立した監督機関の設置も検討が必要なのではないかと考えているところでございます。

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