成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授

2025年5月8日・第217回国会 参議院 法務委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 34 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 101 発言)

お答え申し上げます。

まず、電磁的記録提供命令において取得するデータが関連するものに限られるようにどう制度上担保されているかという点でございますが、今回、まず裁判官の事前の令状審査をかませるという仕組みになってございますし、その際の要件というのは、これまで差押えや記録命令付差押えで要求されていた要件と全く同じものが要求されているわけです。

更に申し上げますと、今回の電磁的記録提供命令というのは、被処分者にデータを選別していただいて出していただくという形になりますので、捜査機関が捜索差押えの現場で選び出すという作用とは異なってまいります。すなわち、事件の概要を御存じない被処分者の方にデータを出していただかないといけませんので、通常の捜索差押えと比べても、更に特定性を高めた形で提供させるべき電磁的記録というものが限定されて令状が発付されるものと考えております。

さらに、事後審査として不服申立ても可能になっておりますので、万が一、その裁判官が出す令状が被疑事実と関連しないデータまで提供させるべきデータに含まれているというような事態であれば、それに対して事後審査として不服申立てでチェックもされるというふうな仕組みが取られているところでございます。

他国、外国におきまして、このような無関係のデータを取得しないような仕組みとしてどのようなものがあるかという御指摘だったかと思いますが、例えば私が専門にしておりますアメリカなどでは、日本と同様に、裁判官に事前の審査をさせた上で被疑事実に関連するデータに限って令状を発付し、その下で提供命令を執行するというふうな仕組みが取られておりますので、今回我が国が採用する制度というのは、例えばアメリカなどと比べても遜色ない内容になっているというふうに認識しております。

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