お答え申し上げます。
まず、電磁的記録提供命令において取得するデータが関連するものに限られるようにどう制度上担保されているかという点でございますが、今回、まず裁判官の事前の令状審査をかませるという仕組みになってございますし、その際の要件というのは、これまで差押えや記録命令付差押えで要求されていた要件と全く同じものが要求されているわけです。
更に申し上げますと、今回の電磁的記録提供命令というのは、被処分者にデータを選別していただいて出していただくという形になりますので、捜査機関が捜索差押えの現場で選び出すという作用とは異なってまいります。すなわち、事件の概要を御存じない被処分者の方にデータを出していただかないといけませんので、通常の捜索差押えと比べても、更に特定性を高めた形で提供させるべき電磁的記録というものが限定されて令状が発付されるものと考えております。
さらに、事後審査として不服申立ても可能になっておりますので、万が一、その裁判官が出す令状が被疑事実と関連しないデータまで提供させるべきデータに含まれているというような事態であれば、それに対して事後審査として不服申立てでチェックもされるというふうな仕組みが取られているところでございます。
他国、外国におきまして、このような無関係のデータを取得しないような仕組みとしてどのようなものがあるかという御指摘だったかと思いますが、例えば私が専門にしておりますアメリカなどでは、日本と同様に、裁判官に事前の審査をさせた上で被疑事実に関連するデータに限って令状を発付し、その下で提供命令を執行するというふうな仕組みが取られておりますので、今回我が国が採用する制度というのは、例えばアメリカなどと比べても遜色ない内容になっているというふうに認識しております。
31成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
現在の刑事訴訟法の基本的な考え方をお伝えしたいと思います。
現在の刑事訴訟法においては、その物ないしはデータを取得する段階で、強制的に取得するのであれば、事前に令状を得た上で行うというのが原則的な仕組みでございます。当該データはもちろん被疑事実に関連するものとして取得されるわけですけれども、同じデータが別の被疑事実に関わりを持つということも当然ございます。その場合に、他事件に利用するということを禁止する規定は刑事訴訟法にはございません。
一例を挙げますと、例えば業務上横領罪の被疑事実で商業帳簿を差し押さえたといたします。その商業帳簿について、当然、業…
この発言のページ
32
田島麻衣子(立憲)
私の時間、これで終わりになりますので、質疑を終わらせていただきたいと思います。
本当に三人の参考人の方々、ありがとうございました。
この発言のページ
33
矢倉克夫(公明)
公明党の矢倉克夫です。
三人の参考人の先生方、今日は本当に貴重な御意見またいただきまして、心から感謝申し上げます。ありがとうございます。
私からは、まず成瀬参考人にお伺いしたいと思うんですが、先ほど御説明いただいた中で、電磁的記録提供命令、こちら、これまでの記録命令付差押えとかとの違い、今までは言わば記録媒体としての有体物、それと今回の無体物としての情報の違い、前者は記録媒体である以上、それ特定の必要があるというお話があったと思います。その上で、また令状主義との関係で、このデータについても、裁判所、裁判官が関連するものとして限定をしているということが…
この発言のページ
- (上の発言)
34成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
お答え申し上げます。
まず、電磁的記録提供命令において取得するデータが関連するものに限られるようにどう制度上担保されているかという点でございますが、今回、まず裁判官の事前の令状審査をかませるという仕組みになってございますし、その際の要件というのは、これまで差押えや記録命令付差押えで要求されていた要件と全く同じものが要求されているわけです。
更に申し上げますと、今回の電磁的記録提供命令というのは、被処分者にデータを選別していただいて出していただくという形になりますので、捜査機関が捜索差押えの現場で選び出すという作用とは異なってまいります。すなわち、事件の概要を御存じない被処分者の方にデータを出していただかないといけませんので、通常の捜索差押えと比べても、更に特定性を高めた形で提供させるべき電磁的記録というものが限定されて令状が発付されるものと考えております。
さらに、事後審査として不服申立ても可能になっておりますので、万が一、その裁判官が出す令状が被疑事実と関連しないデータまで提供させるべきデータに含まれているというような事態であれば、それに対して事後審査として不服申立てでチェックもされるというふうな仕組みが取られているところでございます。
他国、外国におきまして、このような無関係のデータを取得しないような仕組みとしてどのようなものがあるかという御指摘だったかと思いますが、例えば私が専門にしておりますアメリカなどでは、日本と同様に、裁判官に事前の審査をさせた上で被疑事実に関連するデータに限って令状を発付し、その下で提供命令を執行するというふうな仕組みが取られておりますので、今回我が国が採用する制度というのは、例えばアメリカなどと比べても遜色ない内容になっているというふうに認識しております。
35
矢倉克夫(公明)
ありがとうございます。
続いて、成瀬参考人に、また今のこの捜査機関が令状によって電子データ取得する手続の関係ですけど、今おっしゃったアメリカの方の連邦刑事訴訟規則九十一条で、それで書いている限りだと、アメリカの方では、捜査機関が令状に基づいてサービスプロバイダーからデータの提供を受けたり、ハードディスクドライブを押収してデータを取得した後、その中から令状の対象となるデータを期限付で選別する、で、この選別されたデータのみを取得するという手続があるというふうに聞いたことがあるんですが。
こういう実行困難な方法によることなく捜査機関の手元に保存されるような…
この発言のページ
36成成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授
今委員が御指摘のとおり、アメリカは五十州ございますし、連邦もあるということで、法域ごとにかなりルールが異なるわけでございますが、一部の法域においては、データを提供させるに当たっても、まず第一段階として事業者からデータを提出させて、その上で更にそのデータを選別する過程を二段階目として設ける法域というものもございます。
ただ、それはアメリカの全法域で一般的に行われているものではなくて、私自身が認識している限りでは、アメリカも多くの法域においては、日本と同様に、一度裁判官の令状審査をかませてデータを提供させて、その上で被疑事実に関連するデータを捜査機関側で精…
この発言のページ
37
矢倉克夫(公明)
ありがとうございます。
ちょっと、じゃ、次にまた済みません、成瀬参考人、また引き続きで恐縮ですけど、先ほど、電磁的記録の保管、消去の部分で、これ刑事訴訟法体系全体を考える問題である、その趣旨をまた詳しく教えていただきたいのと、一方で、河津参考人からは、これに関連したところで、要は有体物を想定している今の下でこの消去の規定がないということが、じゃ、今回のような無体物、情報データを想定しているもの、同じようになくていいという話じゃないというような御意見があったと思うんですけど、それについての成瀬参考人の御意見をいただきたいなと。あわせて、それについて河津参…
この発言のページ