成瀬剛東京大学大学院法学政治学研究科教授

2025年5月8日・第217回国会 参議院 法務委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 21 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 101 発言)

お答え申し上げます。

先ほど河津参考人の方から令状発付の件数あるいは令状却下件数について御紹介がありました。

ただ、私の認識するところでは、そもそも捜査機関側が裁判所に令状を請求するかという時点で、相当内部的なチェックが行われた上で初めて裁判所に請求が行くというふうに理解をしております。さらに、裁判官が令状を発付するとしても、捜査機関が請求してきた内容どおりに発付しているというふうには必ずしも言えませんで、請求してきた内容の中でも、被疑事実との関連性が薄いと思われる場合には差し押さえるべきものから排除するなどの判断をした上で、厳格な審査をした上で令状を発付しているというのが実情であるというふうに私自身は認識しております。

その上で、今回設けられる電磁的記録提供命令に関して、多様なデータが対象になり得るという御指摘がございました。その点はおっしゃるとおりなんですけれども、今回の電磁的記録提供命令についても、あくまでも問題となっている被疑事実について関連性が認められると判断されたデータのみが令状に記載されて発付されるということになりますので、多様なデータが同時に一回の令状で全て出されるというふうな運用にはならないだろうというふうに私自身は考えております。

ただ、先生が御指摘のとおり、この令状審査というものが通信の秘密の制約を認める上で最も大事な事前の審査でございますので、今後も、裁判所におかれましては厳格な審査がなされていくことを一研究者として期待しているところであります。

以上です。

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