五要件の一つ一つが世界のどのナショナルアカデミーでも基盤になっているものかどうかと、これちょっとまず分かりません。日本学術会議が出してきたこの五要件なるものが、全ての各国のアカデミーがこの五要件をもってアカデミーの基盤だと考えているとは私は承知はしておりません。
その一つ一つは極めて妥当なものだというふうに思っています、アカデミーとしては妥当なものだとは思っています。ただ、その一つ一つを、特に私が挙げた二点ですけれども、厳密な意味で確保しようとすれば、政府の中にいることとはやっぱり矛盾するだろうと。具体的に言うならば、全ての活動の独立性ですね。独立性ということに関して言えば、政府の中にいることによって起こる様々な忖度、様々なある種の考え方というものが発生するだろうというふうには私は思いますね。だから、この五要件を厳密に組織として遂行していこうとするならば、必然的な方向性として、政府の中にいることは無為だというのが普通の結論になると思います。
問題は、出たときに果たして学術会議がここである五要件を満たせるだけの組織になれるのかどうか、それに対して政府がどのようなサポートをするのか、これは大きな論点だとは思います。そこは、政治の力でこれを担保するためにはどのような資金的あるいは助言的なサポートをすべきかということをはっきりと言わなければいけないと思います。
したがって、この五要件を今のところ満たしているから、したがって政府の中にあるべきだという、その議論は私にはやっぱり理解はできないんですね。政府の中にいれば、この五要件は厳密な意味では確保することはできないと私は思っています。
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井上哲士(共産)
日本共産党の井上哲士です。
今日は、四人の参考人、貴重な御意見いただきまして、ありがとうございます。
〔委員長退席、理事磯崎仁彦君着席〕
まず、川嶋参考人にお聞きいたします。
他の参考人から、国を代表するアカデミーは政府の中に基本的に存在していないというお話がありました。ただ、日本の場合は、戦前以来、歴史があるということはあるけれども、八十年もたって、もう政府の中にいる意味とかいろんなことが問われているというお話もあったと思うんですね。
もちろん、学術会議はこの八十年間、様々な自己改革もされてきたわけでありますけれども、あの前文の中にある例えば…
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82川川嶋四郎同志社大学法学部法律学科教授
御質問ありがとうございます。
まず、その前文の話に入る前に、国の中に日本学術会議が特別の機関として現在存在するという点について御指摘いただきました。
私は、これは、日本国というものの歴史を考えた場合に、そしてまた、世界におけるナショナルアカデミーの位置付けを考えた場合に、非常に重要なことであると考えております。なぜかと申しますと、諸外国の先ほど挙げましたようなナショナルアカデミーというのは、もう十七世紀から存在しております。古い歴史を持っております。ところが、日本の場合には必ずしもそうではございません。まさに、日本国憲法の歩みとともに日本学術会議がで…
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井上哲士(共産)
ありがとうございました。
次に、上山参考人にお聞きいたしますけれども、今のとも関わりまして、先ほど来、川嶋参考人や吉村参考人からは、現在の学術会議は五要件を満たしていると。しかし、上山参考人の最初の陳述で、政府の中にとどまっている限り五要件は実現できないというふうに言われました。むしろ、法改正によってこの五要件が妨げられるというのがお二人の陳述だったわけであります。
有識者会議の最終報告書が取りまとめられたあの懇談会でも学術会議の光石会長は、残念ながら日本学術会議がこれまで主張してきた点について完全に反映されていないと言われましたし、この間国会でも懸…
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- (上の発言)
84上上山隆大政策研究大学院大学客員教授
五要件の一つ一つが世界のどのナショナルアカデミーでも基盤になっているものかどうかと、これちょっとまず分かりません。日本学術会議が出してきたこの五要件なるものが、全ての各国のアカデミーがこの五要件をもってアカデミーの基盤だと考えているとは私は承知はしておりません。
その一つ一つは極めて妥当なものだというふうに思っています、アカデミーとしては妥当なものだとは思っています。ただ、その一つ一つを、特に私が挙げた二点ですけれども、厳密な意味で確保しようとすれば、政府の中にいることとはやっぱり矛盾するだろうと。具体的に言うならば、全ての活動の独立性ですね。独立性ということに関して言えば、政府の中にいることによって起こる様々な忖度、様々なある種の考え方というものが発生するだろうというふうには私は思いますね。だから、この五要件を厳密に組織として遂行していこうとするならば、必然的な方向性として、政府の中にいることは無為だというのが普通の結論になると思います。
問題は、出たときに果たして学術会議がここである五要件を満たせるだけの組織になれるのかどうか、それに対して政府がどのようなサポートをするのか、これは大きな論点だとは思います。そこは、政治の力でこれを担保するためにはどのような資金的あるいは助言的なサポートをすべきかということをはっきりと言わなければいけないと思います。
したがって、この五要件を今のところ満たしているから、したがって政府の中にあるべきだという、その議論は私にはやっぱり理解はできないんですね。政府の中にいれば、この五要件は厳密な意味では確保することはできないと私は思っています。
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井上哲士(共産)
政府の中にいると忖度が働くということがあったんですけど、吉村参考人にお聞きしますが、過去様々な提言とか出されたときに、自分たちはこの政府の中にいる組織やからちょっとこれは言わぬとこうとか、そういう忖度をされたような事実があるんでしょうか。
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86吉吉村忍東京大学名誉教授
冒頭の私の参考人意見で述べましたけれども、学術会議が出した様々な意思の表出、多くのものをいろいろな形で受け止めていただいたり、あるいは無視されたり、あるいは物すごく強く反発されたりと、いろんなケースありましたけれども、まさしくそれが、そういうことが行われたということ自体が、しっかりと学術会議、ナショナルアカデミーとして、政府との、政治との忖度なしで審議してきた結果だというふうに私は理解しているところです。
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井上哲士(共産)
テーマも含めて自分たちで選んでいるということもあると思うんですね。
それに関連しまして、法人化の必要性について、相原参考人から、首相の会員任命権がなくなるということが一つのメリットとして言われました。これが独立性ということになるんですけど、しかし今起こっていることは、そもそもその首相の任命権というのは形式的なものだという国会の答弁があり、この法解釈があるのに、これを一方的に変えて、首相がこの任命権なるものを悪用して任命拒否したということが今問題になってきているわけですよね。
その政府が出した法案によって学術会議の独立性が高まるというのは、私、大変矛盾…
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