上山隆大政策研究大学院大学客員教授

2025年6月3日・第217回国会 参議院 内閣委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 42 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 109 発言)

先ほどの参考人の方のお話を聞いていても、恐らく大きな誤解があるというふうに思います。一般的に、自然科学分野において企業との共同研究というのがあり得るわけですね、企業からの委託において、いわゆるスポンサードリサーチと言われているものですが。これは、企業が、これこれのことを研究してほしいと、そのための知見が欲しいと思って資金を出すというケースですが、ナショナルアカデミーに関してそのような依頼が来ることはまずあり得ないですね。企業が特定の目的のためにナショナルアカデミーを使うというようなことは聞いたことがありません。

一般的に、例えば先ほどおっしゃいましたけれども、地球温暖化の問題に関して、企業もやがて片々のところでは関わるけれども、大きな世界の流れを知りたいと、世界の流れにおいて我が国の立ち位置を知りたいというようなミッション性のある諮問というのはあるかもしれませんが、共同研究を行っていくためにその研究者を使うということはまずないと思いますね。それは大学の中において産学連携の中でやっていくことであって、むしろ純粋に寄附ですね。寄附というのは、このアカデミーを支えるために、どのような形でも裁量権のある資金として使ってくださいよというものが増えていくというのは多々あります。

それぐらい、企業あるいは一般のいわゆる富を持っている方たちにとっても、このナショナルアカデミーというものがその国において極めて重要な存在であるということを認識されている。したがって、これを財政的にも支えないといけないという機運があるがゆえに寄附行為が増えてきているわけです。実際のところ、そのようなものが我が国においても、特に東日本大震災以降、アカデミア全体に対する寄附行為というのは急速に増えています。これはアカデミーよりむしろ大学のところで非常に増えています。

このようないわゆる純粋な形での支える資金というものは、単に法的に守られているからとか組織が存在するからではなくて、その組織が行っている社会的な貢献度、社会的な認知度によって明らかに変わっていくものです。そのようなものを期待するのがこの民間からの資金だというふうに思っています。

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