鬼木誠 (立憲民主党)

2025年5月15日・第217回国会 参議院 内閣委員会 第14号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 295 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 308 発言)

立憲民主・社民・無所属の鬼木誠でございます。

会派を代表して、能動的サイバー防御二法案につきまして、幾つかの課題を指摘をしつつ、いずれも賛成の立場から討論をいたします。

まずは、通信の秘密についてです。

衆議院における修正によって、本法律の適用に当たっては、必要最小限において、法律の規定に従って厳格に権限を行使するものとし、いやしくも通信の秘密その他日本国憲法の保障する国民の権利と自由を不当に制限することがあってはならない旨が明記をされました。明文化をした内容を政府としても受け止めていただいた上で、謙虚に能動的サイバー防御に関する制度を運用することが極めて重要であると考えています。

当事者協定に基づく選別後通信情報の利用及び提供については、そもそも目的外利用は行うべきではないことを主張した上で、少なくとも犯罪捜査には用いず、利用についても厳に限定すべきといった質疑が行われました。この点について、政府から一定の考え方は示されましたが、懸念や不安を全て払拭するものとはなっておらず、法施行後の運用を注視をしていく必要があると考えています。

また、政府と基幹インフラ事業者等の当事者協定について、協定を締結をしていない場合に不利益を与えないことについて政府答弁により確認できてはいますが、今後、基本方針などに明記をすることも必要です。

次に、官民連携の強化に関しましては、基幹インフラ等のサイバー攻撃への対処能力を高めるものと捉えています。

新たに設けられる協議会の構成員の在り方等については、基幹インフラ事業者のみならず、中小企業や地方公共団体も含む関係者の意見を幅広く丁寧に聴取して、各主体が協議会に参加する意義を実感できる仕組みとなるような制度設計を進めることを求めます。

四点目は、アクセス・無害化措置についてです。

政府は、万が一にも間違った措置はとらない、エスカレーションに至ることは想定されないなどと答弁をされていますが、楽観論に陥ることなく、国際法上問題がないのかの事前協議を適時適切に行うことと併せて、サイバー行動に係る国際法に関する議論を我が国がリードし、ルール形成に貢献していくことも重要であると考えています。

最後に、国会の関与についてでございます。

サイバー通信情報監理委員会による国会への報告について、政府原案では単に国会に報告するとだけしか書かれていませんでしたが、衆議院において、アクセス・無害化措置に係る承認の求めや当該承認の件数などの具体的な報告事項を条文上明記するように修正がなされ、一定の前進があったと評価をしています。

ただし、件数だけではアクセス・無害化措置の妥当性を判断する材料としては不十分であり、政府においては、国会の民主的統制の重要性を踏まえ、法律上明記された事項以外の事項を含めその内容の拡充に努めるものとし、国会が当該報告等を契機として説明を求めた場合には、政府全体として誠実に対応し、その説明責任を果たすことが必要です。

以上述べたように、法案にはなお懸念される点があることも事実ですが、その一方で、巧妙化するサイバー攻撃に官民が力を結集し対処する仕組みを整えることは待ったなしの課題であると捉えています。

衆議院での修正、そして積み上げてきた質疑に対する政府答弁を踏まえ、政府によって可能な限り透明性を確保しつつ、慎重かつ実効性の高い運用が行われることを前提とし、また、私どもとしても、引き続き、国会による民主的統制の観点からも、運用状況を適宜チェックしていくことを申し述べ、賛成討論といたします。

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