そのまま放置すればということとまさに危害が切迫をしているというのは、私、大分違うと思うんですね。そういう要件なしに規定しているということは、警察官の権限行使の濫用を許さないとする警職法の趣旨を逸脱して、現場の警察官の権限を拡大する、令状主義に反するものだと言わざるを得ません。
〔理事磯崎仁彦君退席、委員長着席〕
この問題は、海外のサーバーに対するアクセス・無害化措置において、国際法との関係でも重大な問題になります。先ほど来からも質問があるわけでありますが、国際的に参考にされているタリン・マニュアルでは、国家は根本的な利益に対する重大で差し迫った危険を示す行為への反応として、そうすることが当該利益を守る唯一の手段である場合に緊急避難を理由に行動できると、こうしております。
しかし、この警職法の第六条の二の規定は、このタリン・マニュアルが規定しているこの国家の根本的利益への危険、重大で差し迫った危険、唯一の手段と、こういう規定はないんですね。タリン・マニュアルよりも非常に幅広く解釈することが可能になっておりますけれども、なぜこういう規定にしたんでしょうか。
128逢逢阪貴士警察庁サイバー警察局長
お答えいたします。
警察官職務執行法第六条は現実空間を前提とした条文であり、危険な事態が発生し危害が切迫した場合に関する規定であるのに対し、改正後の警職法第六条の二は被害の瞬時拡散性などの特徴を持つサイバー空間を前提とした条文であり、サイバー攻撃をそのまま放置すれば重大な危害が発生するおそれがあるため緊急の必要がある場合に関する規定でございます。
両者は適用される場面が根本的に異なるものでありますので、単純な用語の違いだけをもって両者の要件を比較して論じることは適当ではないと考えております。
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129
井上哲士(共産)
単純な用語の違いを言っているんじゃないんですよ。具体的中身なんですね。
同じ即時強制として行われるわけです。その立入りの要件の危害の切迫性について、コンメンタールではこう言っているんですね。危険な事態が発生するだけでなく、さらに、当該危険な事態に起因して人の生命、身体又は財産に対する危害が切迫していることを要するとしているわけですね。
ところが、この六条二は、同じ即時強制でありながら、危害がいまだ発生していないと、発生するおそれの段階でアクセス・無害化措置が可能としてあって、大幅に緩和されているんですね。これでは警察の恣意的な判断による濫用に道が開か…
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130逢逢阪貴士警察庁サイバー警察局長
繰り返しになりますけれども、警職法六条の二は被害の瞬時拡散性などの特徴を持つサイバー空間を前提とした条文でありまして、サイバー攻撃をそのまま放置すれば重大な危害が発生するおそれがあるため、緊急の必要がある場合に関する規定であります。
緊急の必要があるときというその趣旨は、いつサイバー攻撃が敢行されてもおかしくない状況にあることであります。そのような状況であればまさにアクセス・無害化措置をとる緊急の必要があるということで、更に危害が切迫している等の要件を加えることは適当ではないと考えております。
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- (上の発言)
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井上哲士(共産)
そのまま放置すればということとまさに危害が切迫をしているというのは、私、大分違うと思うんですね。そういう要件なしに規定しているということは、警察官の権限行使の濫用を許さないとする警職法の趣旨を逸脱して、現場の警察官の権限を拡大する、令状主義に反するものだと言わざるを得ません。
〔理事磯崎仁彦君退席、委員長着席〕
この問題は、海外のサーバーに対するアクセス・無害化措置において、国際法との関係でも重大な問題になります。先ほど来からも質問があるわけでありますが、国際的に参考にされているタリン・マニュアルでは、国家は根本的な利益に対する重大で差し迫った危険を示す行為への反応として、そうすることが当該利益を守る唯一の手段である場合に緊急避難を理由に行動できると、こうしております。
しかし、この警職法の第六条の二の規定は、このタリン・マニュアルが規定しているこの国家の根本的利益への危険、重大で差し迫った危険、唯一の手段と、こういう規定はないんですね。タリン・マニュアルよりも非常に幅広く解釈することが可能になっておりますけれども、なぜこういう規定にしたんでしょうか。
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平将明(自民)デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(規制改革)
まず、改正警察官職務執行法第六条の二の規定は、国外に設置されている電子計算機に対する措置のみを定めるものでなく、国内に設置されている電子計算機に対する措置も含むものであります。
その上で、国外に設置されている電子計算機に対するアクセス・無害化措置については、そもそも国際法上禁止されていない合法的な行為に当たる場合や、サーバー所在国の領域主権の侵害に当たり得るとしてもその違法性を阻却できる場合があります。
委員が指摘されているような緊急状態は、あくまで違法性を阻却する必要がある場合に援用する可能性がある法理の一つとして想定しているものであり、今般の措置…
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井上哲士(共産)
アクセス・無害化措置は、主権侵害とみなされ、そして相手国が武力行使とみなす場合もあるわけですよね。この緊急避難要件の幅広い解釈を可能にして、それに基づく措置が行えることになっていく、そうした危険性を、私、高めることになると思うんですね。
更に具体的に聞きますけれども、タリン・マニュアルは、重大で差し迫った危険としており、危害が及ぶ時間が接近しているということを要件に挙げております。
一方、この第六条の二は、緊急の必要があるときにとどまっております。これについては、衆議院での答弁では、マルウェアに感染を発見し、いまだ発動はしていないものの、C2サーバー…
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平将明(自民)デジタル大臣・内閣府特命担当大臣(規制改革)
アクセス・無害化措置については、そもそも国際法上禁止されていない合法の、合法的な行為に当たる場合や、サーバー所在国の領域主権の侵害に当たり得るとしてもその違法性を阻却できる場合があります。
すなわち、委員が指摘されているような緊急状態はあくまで違法性を阻却する必要がある場合に援用する可能性がある法理の一つとして想定しているものであり、今般の措置をとるに当たって常に緊急状態を援用することを想定しているわけではありません。
御指摘のいわゆるタリン・マニュアルは、サイバー行動に適用される国際法に関する研究の成果として専門家によって作成された文書であると承知…
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