まあそういうふうに総裁はおっしゃるんですけれども、マーケットはちょっと違う反応だと思うんですよね。
というのは、マーケットでは、日銀が利上げに前のめりなのは将来の利下げ余地をつくるためではないかと、金融政策の幅を広げるために、言われている、この利下げののり代をつくると、そういう考え方でやっているんじゃないかと感じているわけなんですね。
経済理論では、利上げの引締め効果の方が利下げの金融効果よりも大きいというのが通説であります。かつて、二〇〇〇年のゼロ金利解除や二〇〇六年の量的緩和解除、そうすると、利下げののり代を期待して逆に、先に早くこれをやってしまったために、金融緩和から緊縮の方向に逆に経済を悪化させてしまったという事実があるわけなんですね。
だから、今回も先行き経済がこれから良くなってくるだろうという前提でおっしゃっているわけですけれども、実際にはどうなるか、トランプ関税も含めて分からないわけです。そんな中で先に利上げをしてしまうと、かつてのように失敗してしまうということになりかねないんですよ。
だから、そのことについて、要するに利下げののり代をつくるという、そういう考え方でやっているのではないかという懸念が私は持っているわけですけれども、総裁の見解をお伺いしたいと思います。
14植植田和男日本銀行総裁
日本銀行法第四条には委員御指摘の記述がございます。日本銀行の通貨及び金融の調節が政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。したがいまして、私ども、政府との間で緊密に連絡を取り、今回であれば、各国の通商政策の影響等を含め、経済・物価情勢に対する基本的な認識を共有してきたところでございますし、今後とも政府との間では十分な意思疎通を図ってまいりたいと考えています。
委員御指摘の企業部門への影響についても、各国の通商政策等の今後の展開が極めて不確実である下で、私ども、本支店のネットワーク等も活用し…
この発言のページ
15
西田昌司(自民)
ですから、この政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らねばならないというところで、図っているとおっしゃっているわけですよね。だから、そのときに私は、政府側は、金利が、この総理がおっしゃっている金利のある世界を恐れなければならないということは、裏返して言うと、早期の金利を上げていくのはまずいんじゃないかと、そういうメッセージだと思うんですよね。
その辺のところを日銀ではどう理解して協調してやっていこうという形になっているんですか。その辺が、だから、予断を持たずにやらなきゃならないだけだったらいいんですけれども、先に金利を、政策金利を上げることを検討してい…
この発言のページ
16植植田和男日本銀行総裁
先に金利を上げるという方針ありきではございませんで、最初に申し上げましたように、中心的な見通しでは、経済あるいは基調的な物価の動きが一旦はどこかこの先足踏みをする状態に陥ることはあるかもしれないけど、その後再び上昇基調に戻るという見通しでございます。
それが本当に実現していくという確度が高まっていくに応じて、利上げの、あるいは緩和度合いの調整ということに踏み出すということでございます。
この発言のページ
- (上の発言)
17
西田昌司(自民)
まあそういうふうに総裁はおっしゃるんですけれども、マーケットはちょっと違う反応だと思うんですよね。
というのは、マーケットでは、日銀が利上げに前のめりなのは将来の利下げ余地をつくるためではないかと、金融政策の幅を広げるために、言われている、この利下げののり代をつくると、そういう考え方でやっているんじゃないかと感じているわけなんですね。
経済理論では、利上げの引締め効果の方が利下げの金融効果よりも大きいというのが通説であります。かつて、二〇〇〇年のゼロ金利解除や二〇〇六年の量的緩和解除、そうすると、利下げののり代を期待して逆に、先に早くこれをやってしまったために、金融緩和から緊縮の方向に逆に経済を悪化させてしまったという事実があるわけなんですね。
だから、今回も先行き経済がこれから良くなってくるだろうという前提でおっしゃっているわけですけれども、実際にはどうなるか、トランプ関税も含めて分からないわけです。そんな中で先に利上げをしてしまうと、かつてのように失敗してしまうということになりかねないんですよ。
だから、そのことについて、要するに利下げののり代をつくるという、そういう考え方でやっているのではないかという懸念が私は持っているわけですけれども、総裁の見解をお伺いしたいと思います。
18植植田和男日本銀行総裁
私ども、やや繰り返しになりますが、二%の物価安定目標の持続的、安定的な実現という観点から金融政策を運営しております。
昨年来実施してきた政策金利の引上げも、こうした観点から、毎回の会合において、経済・物価情勢、あるいは基調的な物価上昇率が高まっていくか、そういう見通しの確度やリスクを点検、確認しながら実施してきたものでありますし、今後もそうしていく考えでございます。
したがいまして、将来の利下げ余地をつくるために、経済・物価情勢の改善が余り見込めない中で無理に政策金利を引き上げるというような考えはございません。
この発言のページ
19
西田昌司(自民)
日銀の多角的レビューでは、金融政策と財政政策のポリシーミックスの効果が余り論じられていません。中央銀行の独立性や市場との対話を重視する姿勢はある意味正しいわけですが、しかし、トランプ・ショックなどの国難の時代には、中央銀行はかくあるべしという原則論では危機対応ができないのではないでしょうか。
その辺のところについて、特に日銀の総裁が黒田総裁から植田総裁に替わられてから、黒田総裁は明確に異次元の金融緩和ということをまさに信念としてされてこられたわけです。ところが、植田総裁になられてから、学者出身ということも踏まえ、日銀、中央銀行はかくあるべしなんだと、そ…
この発言のページ
20植植田和男日本銀行総裁
私ども、先ほども少し申し上げましたが、政府との間で日銀法に基づいて緊密に連絡を取り、十分な意思疎通を図っております。各国の関税、通商政策の影響等を含め、経済・物価情勢に対する基本的な認識を共有している中で、金融政策を二%の物価安定目標実現のために、持続的、安定的な実現のために適切に運営してきているつもりでありますし、今後もそのつもりでございます。
この発言のページ