田村まみ (国民民主党)

2025年6月12日・第217回国会 参議院 厚生労働委員会 第21号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 244 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 255 発言)

私は、国民民主党・新緑風会を代表して、ただいま議題となりました法律案に対し、反対の立場から討論を行います。

本法案については、基礎年金の底上げ措置の審議に多くの時間が割かれましたが、働き方に中立な年金制度の構築に向けた施策への踏み込みが不十分であることを指摘し、以下、本法律案に反対する主な理由を申し述べます。

まず、被用者保険の適用拡大において、企業規模要件について十年間掛けて段階的に撤廃と、被用者の加入を十年後に先送りしたことです。

政府は、今まで以上に小規模の企業や個人事業所を適用拡大の対象とするためと答弁をしますが、最長十年の準備期間を設けると、事業主の理解、納得が醸成されて、負担分の稼ぐ力が付くとの根拠が明らかになりませんでした。

また、短時間労働者への被用者保険の適用拡大における労働時間要件は、現在、週二十時間以上とされていますが、労働時間要件の見直しが全く盛り込まれていません。政府の審議会でも、今後施行される雇用保険に合わせた被用者保険の要件を週十時間以上にすべきとの意見が多数派でしたし、見直しにおける課題は事業者の負担増と負担と給付のバランスだと明確でしたが、本法案に見直しは盛り込まれませんでした。

週十時間以上の被用者八百四十万人への適用拡大は、積立金の活用への影響も少なく、マクロ経済スライドの一致への有用な手段である上に、加入者の納得も得やすく、被用者の保険加入も実現できる策です。財政検証が五年ごとに行われることを踏まえ、中小企業への支援を講じ、企業規模要件の完全撤廃を五年後に完了し、労働時間要件を週十時間以上とすべきです。

もう一つの理由は、基礎年金拠出期間の四十五年化を見送ったことを含めて、国民への説明と理解を促すことを棚上げし、法案提出も遅れ、一部修正されましたが、議論が不十分だということです。

今回の財政検証及びオプション試算で、基礎年金の拠出期間を四十年から四十五年に延長することが年金給付水準の底上げに大きな効果があることも参考人質疑で示されました。しかし、負担増に対する世論の批判を一掃できていないとし、拠出期間の四十五年化を早々に断念したことは大変遺憾です。

その一方で、標準報酬月額の上限引上げによる負担増は今回の法律案に盛り込まれており、批判のない施策については入れ込むなど、改正をすべきことを改正するのではなく、批判の少ないことだけを盛り込み、現在も起きている給付水準の低下に対する施策が不十分な法律案には賛成できません。

国民に理解される年金制度、社会保障制度を構築するためには、政府がそうした議論に前向きに取り組むことが必要で不可欠であることを申し上げ、私の反対討論とさせていただきます。

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