自由民主党の藤木眞也です。
これまでの衆参それぞれの憲法審査会の議論を議事録等で読み返してみますと、幾つかの異なる見解が見えてまいります。
その一つは、参議院の緊急集会を一定期間内に総選挙の実施が見通せる場合に対応する仕組みという限定的な捉え方をして、選挙の実施が長期にわたって見通せるかどうかで緊急集会の権能の範囲をどのように解釈するのかということについて意見が分かれています。
その分かれ目の一つは、憲法の条文の位置の関係性をどう見るかという視点です。
参議院の緊急集会を規定する憲法第五十四条は、衆議院解散後の選挙と特別会、参議院の緊急集会ということで、「解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。」という第一項があり、緊急集会はその後に第二項と第三項となります。
そこで、第一項と第二項、第三項との関連性を強く見て、第一項の三十日プラス四十日の七十日以内に国会が召集されない間に国に緊急の必要があるときは参議院の緊急集会を開き得ると解釈する考え方、あるいは第一項と第二項、第三項の関連性をそう強く見ないで、第二項だけで、衆議院が不存在の間は、両院同時活動の原則はあるけれど、国に緊急の必要があるときは参議院の緊急集会を開き得ると解釈する考え方とがあると受け止めております。
そこで、憲法審査会の事務局にお尋ねをいたしますが、参議院の緊急集会に関する近年の議論以前に、国会において、この五十四条一項と二項、三項が置かれる位置との形式的な関連性と参議院の緊急集会の開催期間を結び付ける形で、例えばいわゆる三十日プラス四十日で七十日以内と限定する議論がなされたことはあったのでしょうか。お尋ねいたします。
29
中曽根弘文(自民)
打越さく良君。
この発言のページ
30
打越さく良(立憲)
立憲民主・社民・無所属の打越さく良です。
参議院の緊急集会制度は、総司令部が想定していなかった制度であり、日本側、とりわけ、入江俊郎、佐藤達夫ら法制官僚による憲法の日本化の象徴的なものでありましょう。
緊急集会について、加藤一彦先生は、日本側の意図は、帝国憲法八条と七十条が予定する議会活動不能の非常時のみを描き、これに対応する規定を憲法に導入すること一点のみにあったと述べられておられます。
しかし、その導入までには幾多の紆余曲折がありました。日本側は元々、常置委員会構想をもって非常事態に対応しようとしていました。一九四五年十一月二日の第二回憲法問題…
この発言のページ
31
中曽根弘文(自民)
藤木眞也君。
この発言のページ
- (上の発言)
32藤藤木眞也(自民)
自由民主党の藤木眞也です。
これまでの衆参それぞれの憲法審査会の議論を議事録等で読み返してみますと、幾つかの異なる見解が見えてまいります。
その一つは、参議院の緊急集会を一定期間内に総選挙の実施が見通せる場合に対応する仕組みという限定的な捉え方をして、選挙の実施が長期にわたって見通せるかどうかで緊急集会の権能の範囲をどのように解釈するのかということについて意見が分かれています。
その分かれ目の一つは、憲法の条文の位置の関係性をどう見るかという視点です。
参議院の緊急集会を規定する憲法第五十四条は、衆議院解散後の選挙と特別会、参議院の緊急集会ということで、「解散の日から四十日以内に、衆議院議員の総選挙を行ひ、その選挙の日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。」という第一項があり、緊急集会はその後に第二項と第三項となります。
そこで、第一項と第二項、第三項との関連性を強く見て、第一項の三十日プラス四十日の七十日以内に国会が召集されない間に国に緊急の必要があるときは参議院の緊急集会を開き得ると解釈する考え方、あるいは第一項と第二項、第三項の関連性をそう強く見ないで、第二項だけで、衆議院が不存在の間は、両院同時活動の原則はあるけれど、国に緊急の必要があるときは参議院の緊急集会を開き得ると解釈する考え方とがあると受け止めております。
そこで、憲法審査会の事務局にお尋ねをいたしますが、参議院の緊急集会に関する近年の議論以前に、国会において、この五十四条一項と二項、三項が置かれる位置との形式的な関連性と参議院の緊急集会の開催期間を結び付ける形で、例えばいわゆる三十日プラス四十日で七十日以内と限定する議論がなされたことはあったのでしょうか。お尋ねいたします。
33本本多恵美参議院憲法審査会事務局長
お答えいたします。
憲法五十四条の条文構造を根拠に、緊急集会の開催期間を明確に七十日以内と限定すべきとする発言は見当たりませんでした。
この発言のページ
34藤藤木眞也(自民)
ありがとうございました。ただいまお述べになられたように、やはり直接的な結び付きというのはないという答弁だったと思います。
なお、私も実はこの件で議事録を検索しておりましたら、昭和二十七年の参議院議院運営委員会で当時の議事部長から、思うに緊急集会制度は憲法上の慣習としてこれから育てていくべきものという趣旨も答弁で述べられておりました。
この件についても憲法審査会事務局に確認したいと思いますが、どうでしょうか。
この発言のページ
35本本多恵美参議院憲法審査会事務局長
御指摘のとおり、昭和二十七年八月三十一日に当時の議事部長が、「思うに緊急集会のごとき制度は、憲法上の慣習として、いわばこれから育つて行くべきものでありまして、その運用の態様はこうであるということを、一概に断定することは慎しむべきものであると思う」と発言しております。
この発言のページ