だから、暴露要件がないと言っているでしょう。それは、国が言う暴露要件が、メチル水銀を多食したその可能性があるなしというのがないというふうに決め付けているんだけど、今御紹介をしている被害者のように、そんなことあり得ないじゃないですか。そうしたら、一体何を食べて育ったというのかということになるでしょう。
同じようなといいますか、もう少し、この地域がどれだけ不合理かということで、先ほど来の地図を見ていただきたいと思いますけれども、水俣市は皆さん御存じですよね。この水俣市に青いエリアがもちろんありますが、その指定地域にされていないエリアが水俣市の中にもあるんですよ。その中で被害者が確認をされたところが、久木野、古里、越小場というこの三つの字ですね。まだなお確認されていないところは白くなっている。これが今の実態把握の到達点なんですよ。
そこで、出水市を挟んで阿久根市というところがあります。この阿久根市は、ごく一部が青くなっていますが、折口、多田始めとして、その町の真ん中に、両側が対象地域でその真ん中だけが地域外というところがありますよね。この折口で生まれ育った前田芳枝さんという被害者がいらっしゃって、百二十八人全員勝訴をした近畿原告団の団長なんですが、その方の簡単な陳述書を皆さんのお手元にお配りしています。
十ページですけれども、子供の頃、家で食べる魚は、阿久根市の黒之浜、高尾野町の江内や水俣市の袋辺りから来ていた行商人から買っていました。十歳からは母が魚介類の行商を始め、売れ残ったものを持って帰って家で食べたり、子供ながら、イワシの目刺しの加工の手伝いに行っていた会社で、小魚やイカ、カニなどをわたごとごった煮にしたのをおやつ代わりに食べさせてもらったりしていました。
こういう食生活ですよ。それは、両側に赤瀬川とか脇本とか対象地区がありますけれども、そこでも、それからそうじゃないところでも、その地域には魚を食べるというそういう生活があったのであって、だから、裁判所、大阪地裁は、当然そんな線引きに合理性はないですから、被害者だと全員認めた。百二十八人の中にはそういう対象地域外の人たちがいっぱいいます。もう数え上げると切りがない。
年代についてもそうですよね。もうこれ資料を見ていただくだけにしますけれども、十七ページに熊本県が整理している資料を出していますけれども、政府は、昭和四十三年の末までの居住歴が必要だと、新潟では昭和四十年末までの居住歴が要ると言ってきたけれども、実際には、昭和四十四年以降に生まれた方々のうち二百二十一人が一時金、総合判定で七人、療養費では四十七人、つまり、年代の区分けにかかわらず救済されている被害者がいるわけです。
だから、対象地域だとか年代だといって線引きをするのは極めて不合理な中で、この地域で暮らし、一定の時期に大阪や東京始めとして全国に出稼ぎに行ったり、その中で暮らしの拠点ができた方々が近畿訴訟や東京訴訟の原告ですよね。
新潟から来られた方々ももちろんありますが、そういう方々は、その次のページに本田さんという広島にお住まいの方の陳述書がありますけれども、平成二十七年になるまで、自分が水俣病ではないかと思いもしなかったですよ。既に特措法は打ち切られているわけです。その方、本田さんも含めた人たちを大阪地裁は救済をしました。藤下さんは、被害者と認められたにもかかわらず、除斥期間が過ぎているというので救済の対象外だと裁判しているんですね。
長く苦しめば苦しむほど救済されないと。私、人道に反すると思いますが、大臣、いかがですか。
261中中尾豊環境省大臣官房政策立案総括審議官
お答え申し上げます。
水俣病被害者特措法におきましては、先ほどお答え申し上げたとおり、対象地域に一年以上居住していなかった方でありましても、水俣湾又はその周辺水域あるいは阿賀野川の魚介類を多食したとそれぞれ認めるのに相当な理由がある方についても救済の対象とされていたところでございます。
この相当な理由の有無については、先ほど委員からも御説明ございましたように、申請者が提出する魚介類摂取等申立書等の書類の確認や、魚介類の摂取状況に係る申請者の聴取などを行いまして、一件一件審査を行った上で救済が行われたものと承知しているところでございます。
この特措法…
この発言のページ
262
仁比聡平(共産)
おかしいじゃないですか。何で宮野河内が対象地域外なのかという問いに答えられない。
この藤下さんについて言えば、先ほど申し上げたように、お父さんは漁師なんですよ。漁業が家業なんですよ。当時の食生活あるいは経済生活を考えたら、毎日三食魚ばっかり食べ続けてきたって当たり前じゃないですか。だから、お兄さんたちは救済されているじゃないですか。今おっしゃった提出されている資料だとか、それから家族の状況だとかということを本当に審査していたら、この人救済されているはずじゃないですか。何でされていないかというと、対象地域の外の被害者はそれだけで、検診も受けさせずに切り捨…
この発言のページ
263中中尾豊環境省大臣官房政策立案総括審議官
お答え申し上げます。
先ほどのお答えと重なりますけれども、水俣病特措法では、メチル水銀の暴露を受けた可能性のあるという暴露要件と、四肢末梢優位の感覚障害又はそれに準ずる感覚障害という症状の要件、この二つを満たす方が対象となるところでございました。このため、暴露要件がない方につきましては対象とならなかったということでございます。
この発言のページ
- (上の発言)
264
仁比聡平(共産)
だから、暴露要件がないと言っているでしょう。それは、国が言う暴露要件が、メチル水銀を多食したその可能性があるなしというのがないというふうに決め付けているんだけど、今御紹介をしている被害者のように、そんなことあり得ないじゃないですか。そうしたら、一体何を食べて育ったというのかということになるでしょう。
同じようなといいますか、もう少し、この地域がどれだけ不合理かということで、先ほど来の地図を見ていただきたいと思いますけれども、水俣市は皆さん御存じですよね。この水俣市に青いエリアがもちろんありますが、その指定地域にされていないエリアが水俣市の中にもあるんですよ。その中で被害者が確認をされたところが、久木野、古里、越小場というこの三つの字ですね。まだなお確認されていないところは白くなっている。これが今の実態把握の到達点なんですよ。
そこで、出水市を挟んで阿久根市というところがあります。この阿久根市は、ごく一部が青くなっていますが、折口、多田始めとして、その町の真ん中に、両側が対象地域でその真ん中だけが地域外というところがありますよね。この折口で生まれ育った前田芳枝さんという被害者がいらっしゃって、百二十八人全員勝訴をした近畿原告団の団長なんですが、その方の簡単な陳述書を皆さんのお手元にお配りしています。
十ページですけれども、子供の頃、家で食べる魚は、阿久根市の黒之浜、高尾野町の江内や水俣市の袋辺りから来ていた行商人から買っていました。十歳からは母が魚介類の行商を始め、売れ残ったものを持って帰って家で食べたり、子供ながら、イワシの目刺しの加工の手伝いに行っていた会社で、小魚やイカ、カニなどをわたごとごった煮にしたのをおやつ代わりに食べさせてもらったりしていました。
こういう食生活ですよ。それは、両側に赤瀬川とか脇本とか対象地区がありますけれども、そこでも、それからそうじゃないところでも、その地域には魚を食べるというそういう生活があったのであって、だから、裁判所、大阪地裁は、当然そんな線引きに合理性はないですから、被害者だと全員認めた。百二十八人の中にはそういう対象地域外の人たちがいっぱいいます。もう数え上げると切りがない。
年代についてもそうですよね。もうこれ資料を見ていただくだけにしますけれども、十七ページに熊本県が整理している資料を出していますけれども、政府は、昭和四十三年の末までの居住歴が必要だと、新潟では昭和四十年末までの居住歴が要ると言ってきたけれども、実際には、昭和四十四年以降に生まれた方々のうち二百二十一人が一時金、総合判定で七人、療養費では四十七人、つまり、年代の区分けにかかわらず救済されている被害者がいるわけです。
だから、対象地域だとか年代だといって線引きをするのは極めて不合理な中で、この地域で暮らし、一定の時期に大阪や東京始めとして全国に出稼ぎに行ったり、その中で暮らしの拠点ができた方々が近畿訴訟や東京訴訟の原告ですよね。
新潟から来られた方々ももちろんありますが、そういう方々は、その次のページに本田さんという広島にお住まいの方の陳述書がありますけれども、平成二十七年になるまで、自分が水俣病ではないかと思いもしなかったですよ。既に特措法は打ち切られているわけです。その方、本田さんも含めた人たちを大阪地裁は救済をしました。藤下さんは、被害者と認められたにもかかわらず、除斥期間が過ぎているというので救済の対象外だと裁判しているんですね。
長く苦しめば苦しむほど救済されないと。私、人道に反すると思いますが、大臣、いかがですか。
265
浅尾慶一郎(自民)環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災)
様々な方の御紹介をいただいたわけでありますけれども、御紹介いただいた方を含め、現在もなお訴訟を行う方が多くいらっしゃるという事実は重く受け止めております。
繰り返しになりますけれども、他方、現在、高等裁判所で係争中の訴訟では、その地裁判決には国際的な科学的な知見や最高裁で確定した近時の判決の内容等と大きく相違があるとの認識の下、必要な対応を行っているところであります。
御紹介いただいた方について、例えば除斥期間を理由に救済対象とならないとの判示がなされたことについては、現在係争中の訴訟の内容に関することであり、コメントは差し控えさせていただきたいと思…
この発言のページ
266
仁比聡平(共産)
冷たい御答弁なんですが、資料の十四ページを最後御覧いただきたいと思います。
水俣病の被害救済に当たって、公害健康被害補償法で三千人、九五年の政治解決で一万千百五十二人、裁判の和解で二千九百六十五人、そして特措法で合わせて五万五千百二十五人、訴訟で賠償が確定した方は五十八人いらっしゃいます。一時金、療養手当の三万二千二百六十二人もそこに含まれていますが、手帳のみの二万二千八百六十三人という方を除いてもおよそ五万人、四万九千四百三十七人の方々が、国や県が指定した医師が検査をしてこれだけの感覚障害が認められているわけですね。これは、水俣病あるいはメチル水銀の…
この発言のページ
267
片山さつき(自民)
それでは、他に御発言もないようですから、国会、会計検査院、復興庁、総務省及び環境省の決算についての審査はこの程度といたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後六時二分散会
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