福田千恵子最高裁判所事務総局行政局長

2025年5月16日・第217回国会 衆議院 法務委員会 第15号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 158 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 185 発言)

委員御指摘の部分のうち、判決文十一ページの下から六行目、「憲法十三条は、」から、十二ページ二行目、「いうべきである。」までをまず読み上げさせていただきます。

憲法十三条は、婚姻をするかどうかについての個人の自由を保障するだけにとどまらず、婚姻の成立及び維持について法制度による保護を受ける権利をも認めていると解するべきであり、このような権利は同条が定める幸福追求権の内実の一つであるといえる。そして、上記のとおり、婚姻が人にとって重要かつ根源的な営みであり、尊重されるべきものであることに鑑みると、幸福追求権としての婚姻について法的な保護を受ける権利は、個人の人格的な生存に欠かすことのできない権利であり、裁判上の救済を受けることができる具体的な権利であるというべきである。

このように記載されております。

続いて、判決文十二ページ八行目、「性的指向は、」から、十二ページ十九行目、「重大である。」までを読み上げさせていただきます。

性的指向は、出生前又は人生の初期に決定されるものであって、個々人が選択できるものではなく、自己の意思や精神医学的な方法によって変更されることはないところ、互いに相手を伴侶とし、対等な立場で終生的に共同生活をするために結合し、新たな家族を創設したいという幸福追求の願望は、両当事者が男女である場合と同性である場合とで何ら変わりがないから、幸福追求権としての婚姻の成立及び維持について法的な保護を受ける権利は、男女のカップル、同性のカップルのいずれも等しく有しているものと解される。にもかかわらず、両当事者が同性である場合の婚姻について法制度を設けず、法的な保護を与えないことは、異性を婚姻の対象と認識せず、同性の者を伴侶として選択する者が幸福を追求する途を閉ざしてしまうことにほかならず、配偶者の相続権(民法八百九十条)などの重要な法律上の効果も与えられないのであって、その制約の程度は重大である。

このように記載されております。

最後に、判決文十二ページ下から二行目、「したがって、」から、十三ページ三行目、「いわざるを得ない。」までを読み上げます。

したがって、本件諸規定のうち、異性婚のみを婚姻制度の対象とし、同性のカップルを婚姻制度の対象外としている部分は、異性を婚姻の対象とすることができず、同性の者を伴侶として選択する者の幸福追求権、すなわち婚姻の成立及び維持について法制度による保護を受ける権利に対する侵害であり、憲法十三条に違反するものといわざるを得ない。

このように記載されております。

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