お答え申し上げます。
電磁的記録提供命令ということで、電磁的記録に着目した処分となることによって、違法収集証拠排除法則と呼ばれる考え方の適用の在り方に違いが生じるのではないかという御指摘と理解しております。
しかしながら、先ほどのお答えの繰り返しになるかもしれませんけれども、処分の目的はあくまで必要な電磁的記録の保全ということでありまして、媒体が関与しない、関わらないということによって、当然にそれが広がるということ、従前の記録命令付差押えの範囲と質的に異なる拡張をもたらすものではないと考えられます。
将来にわたる影響も踏まえて考慮すべきだという御指摘は、なるほど、確かにそのとおりだというふうに考えておりますけれども、そこで念頭に置かれておりますのは、現に起きた違法な捜査の在り方というものが将来にわたって反復されてはならない、そういうことを述べるものでありまして、過去に起きた具体的な捜査手法の当否を、どれだけ将来にわたって繰り返されてはならないかという観点から評価すべきものであって、電磁的記録提供命令が導入された後も、電磁的記録提供命令そのものについてそのような評価が当てはまるかどうかということを考えることになるのだと思っております。具体的になされた処分、その当否を論じることになるものと考えております。
以上です。
17
井出庸生(自民)
吉開先生にも伺いたいと思います。
先生は平成二十六年まで検察官をされていたということで、今の、旧法の差押えの方は多分平成二十三年頃の法律議論であったかと思いますので、少し重なっているかなとも想像するところなんですが、先ほど申し上げました、検察官又は警察官が令状に記載すべき提出させる電磁記録というものについては、媒体があっても媒体がなくなっても変わらぬ記載でいいのか、それとも、媒体ではなくなるからより限定したものを書かなければいけないと考えるか、ちょっとその辺りを教えてください。
この発言のページ
18吉吉開多一国士舘大学法学部教授
お答えいたします。
当時から、記録命令差押えのときから限定は行ってきたということですので、そこが今後変わるということもないと思います。
この発言のページ
19
井出庸生(自民)
再び池田先生に教えていただきたいと思います。
先生のレジュメの(5)、電磁的記録の情報主体に対する通知の要否、これは、今の差押えの規律でも必要はないとされている。平成二十三年、民主党政権のときに立法審議があったものですが、その際、江田五月法務大臣は、手紙を押収するときに手紙の差出人にそのことを伝えるばかがどこにいるんだと。ばかとは言わなかったです、もっと丁寧な言い方をしたんですが、それはそのとおりだと思うんです。ただしかし、電磁的情報は、手紙というわけにはいかない。
それから、(6)なんですが、保管、消去というものが、物であれば、ある程度限られた場所…
この発言のページ
- (上の発言)
20池池田公博京都大学大学院法学研究科教授
お答え申し上げます。
電磁的記録提供命令ということで、電磁的記録に着目した処分となることによって、違法収集証拠排除法則と呼ばれる考え方の適用の在り方に違いが生じるのではないかという御指摘と理解しております。
しかしながら、先ほどのお答えの繰り返しになるかもしれませんけれども、処分の目的はあくまで必要な電磁的記録の保全ということでありまして、媒体が関与しない、関わらないということによって、当然にそれが広がるということ、従前の記録命令付差押えの範囲と質的に異なる拡張をもたらすものではないと考えられます。
将来にわたる影響も踏まえて考慮すべきだという御指摘は、なるほど、確かにそのとおりだというふうに考えておりますけれども、そこで念頭に置かれておりますのは、現に起きた違法な捜査の在り方というものが将来にわたって反復されてはならない、そういうことを述べるものでありまして、過去に起きた具体的な捜査手法の当否を、どれだけ将来にわたって繰り返されてはならないかという観点から評価すべきものであって、電磁的記録提供命令が導入された後も、電磁的記録提供命令そのものについてそのような評価が当てはまるかどうかということを考えることになるのだと思っております。具体的になされた処分、その当否を論じることになるものと考えております。
以上です。
21
井出庸生(自民)
なかなか、では、今回の提供命令によって何を将来的に気をつけなければいけないかというところも、私自身もちょっと直ちに思い浮かぶものがないというのは、現時点ではそういう状況でございます。無論、これまでにあったように、そもそも令状自体が偽造であるとか、そういうものは論外だと思いますが、何か少し気をつけるべきところは、これから考えていかなきゃいけないと思います。
それから、先生のレジュメで保管、消去のところのお話を触れていただきましたので、ちょっと伺いたいと思います。
法務省、法務大臣の答弁の中でも、今回のものは現行の法律によって適切に保存されていくという話…
この発言のページ
22池池田公博京都大学大学院法学研究科教授
お答え申し上げます。
捜査の過程で収集された物件がいつまで保管されるのか、必要がなくなったときにどのように処理されるのかということについて明確な規定がないというのは、御指摘のとおりであります。既に法務大臣等からも説明があったように、適切に保管されているという説明の範囲で運用されているものと承知しております。
これは、委員御指摘のとおりですけれども、今回の法改正に限った話ではなくて、刑事手続全般にわたる重要な課題であるとは考えておりまして、全般を見通した検討が求められるという点で、さきに述べたとおりの見解を持っております。
以上です。
この発言のページ
23
井出庸生(自民)
ありがとうございます。
まだ少し時間があるので、今後の議論の参考のために、引き続き先生にお尋ねをしたいんです。
先ほどの最高裁判例を国会の答弁等で扱うときに、違法に収集されたものも直ちにその証拠能力を失うわけではない、その一方で、私が触れた、令状主義とかを没却する重大な違反があるのであれば、それはきちっとその証拠能力が否定されなきゃいけない。
私は、その両方をきちっと国会審議の中で、質問する方も質問し、答弁する方も答弁しなきゃいけないと思うんですけれども、そこをちょっと、先生の御見識だけいただいておきたいと思います。
この発言のページ