森本宏法務省刑事局長

2025年4月1日・第217回国会 衆議院 法務委員会 第7号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 22 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 208 発言)

お答えいたします。

通信傍受は、現に行われている他人間の通信の内容を知るため、当該通信の当事者のいずれも同意を得ずに行うというものでございます。また、継続的かつ密行的に、憲法の保障する通信の秘密、憲法二十一条二項の通信の秘密を制約する処分であります。こうした通信傍受の性質を踏まえ、通信傍受法においては、当該通信の当事者が傍受された通信の内容を確認する機会及び不服申立てをする機会を保障するなどの観点から、捜査機関において、傍受記録に記録された通信の当事者に対して通知することとされているところでございます。

これに対しまして、電磁的記録提供命令は、通信傍受とは異なり、既に存在している電磁的記録の提供を命ずるものにとどまり、先ほど申し上げたような、継続的、密行的に通信の秘密を制約する性質の処分ではございません。

また、実質的に見ても、仮に、被処分者以外の者に対して不服申立ての機会を与えるために、電磁的記録で提供命令や差押えがなされた、電磁的記録提供命令がなされた事態を通知しなければならないといったこととした場合には、罪証隠滅や被疑者の逃亡を招いて捜査の目的を達することができなくなるであるとか、あるいは、提供を受けた電磁的記録に記録された情報に関係する人を特定した上で、その通知をどこまでするのかといった問題もあって、捜査の迅速性も著しく損なわれるなどの問題があるというふうに考えております。

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