ありがとうございます。
大きく二点に分けて、特に制度の観点からのお答えになるのですけれども、一つが、中国型の技術、そして中国型の制度というふうにいったようなものが、アメリカともヨーロッパとも異なる形でやはり発展しつつある。
この三極を捉えて、アニュ・ブラッドフォードというコロンビア大学の教授の近著が「デジタルエンパイアーズ」というふうにいうのですけれども、それぞれがその帝国を広げていくための競争というものを繰り広げている。それは、当然それぞれの市場の食い合いというのもありながらも、やはりグローバルサウスを始めとしたような関係諸国の巻き込み合いでもあるといったようなことがございます。
そうした中で、我が国は、諸外国というと、これまでアメリカ、米国、中国を見てきたのですけれども、少なくとも、デジタルやAI政策の中で、まだやはりグローバルサウスというものへの認識や、そして焦点の当て方というものが少ないところというものがございます。
これは、やはり我が国の経済的な発展及び国家安全保障の両方に関わるところでございますので、今回、この法案というものが、世界の範となるAI法制というものを作るということをやはり非常に強く強調していらっしゃる。その世界の範というのは、決してアメリカ、ヨーロッパ、中国だけではなくて、まさにグローバルサウス、アジアも含めた、そういった南半分を含めた世界の範になるために何をすればよいのかということ、そういうことを是非念頭に置いていただきたいなというふうに思います。
それから、もう一つは、制裁を受け、例えば、別の分野ですと、グーグルのアンドロイドが中国の中で輸出規制で使えなくなると、独自のOSを開発することに本気で注力して、そして、十億人のユーザーがいるので、やはりマーケットイン、マーケットバリューのサイズも含めて、作れてしまうのですよね。
アメリカのIT輸出の管理というところに関して、むしろ、アメリカのIT企業が、IT産業界がそれを警戒していて、実際にやったら、現実にそうなったというふうにいったようなところも含めまして、やはり制度にしてもビジネスにしても、多分、少なくとも三つの帝国の中で多様化をしていくのが今後しばらくの傾向であるのかなというふうに思います。
そうしたときに、主権でありますとか様々な要素はございますけれども、やはり我々として、最も優れたサービスというものを恐らくその三極の中から選び、そして安全、安心な形で活用していける環境をどのようにつくっていくかというのが一つ極めて重要なんだというふうに思います。
先ほど来、海外企業に対するイコールフッティングの観点からの法適用ということの論点が度々出ておりますけれども、やはりこういった法の在り方を海外企業に対して適用をしていくというのは、それがどこの国で作られたサービスであっても、我が国国民が自由に、そして安心して使えるための法的前提を作るための手段である、そうした観点からも、この法律の外国事業者への適用ということも、まさに彼らにとっての価値というところも含めて、是非積極的な推進をしていきたいなと考えるところでございます。
以上でございます。
99松松尾豊東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻/人工物工学研究センター 教授
ありがとうございます。
今の点は、余りこれまで考えたことがないのと、そのネイチャーの論文も読んでいませんので分かりませんけれども、少し印象として感じるのは、米国は、御存じのとおり、オープンAIであったりグーグルであったり、非常に派手に、こんなことができますということですし、ホワイトカラーの生産性を大きく上げます、仕事の仕方を変えますというふうな形ですけれども、中国の方がもっとそういった各インダストリーに入り込んでいる。アプリケーションを重視していて、よりいろいろな工夫によって、使い方を見つけ出していって、うまく取り込んでいっている。そういった意味では、…
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100緒緒方林太郎政府参考人など
ありがとうございました。
引き続き松尾先生、そして生貝先生にお伺いをさせていただきたいと思うんです。
去年、私は中国に行って、いろいろなAIの企業とか、ファーウェイとかも含めて見させていただきました。そのときにすごく感じたのが、目指す方向は一緒なんだけれども、結構制裁とかを打たれたりして、私は技術のことは全く分からないんですが、技術としては、何か全く違うプラットフォームが別個に発展していっているのかなというふうに見えたんですね、技術の細かいことは分からないですけれども。
二つ問いがあるんです。
今後、何かすごく雑に言うと、欧米型みたいなAIの発展…
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101松松尾豊東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻/人工物工学研究センター 教授
ありがとうございます。非常に重要な御質問かと思います。
私も、実は先生と全く同じ印象を持っておりまして、経済安全保障で、いろいろな形でトレードをしないようにすると、しばらくは困っていますけれども、かなり早いうちに代替の技術をつくってしまうということが、例えばGPUのような半導体のレベルでも起こりますし、それからソフトウェアのレベルでも起こっているというふうに感じています。
そうすると、結果的には、それが更に中国国内でのそういった経済圏であったりサプライチェーンを補強するようなことになっている可能性があって、そうだとすると、本来の意図とは違うようなこと…
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- (上の発言)
102生生貝直人一橋大学大学院法学研究科教授
ありがとうございます。
大きく二点に分けて、特に制度の観点からのお答えになるのですけれども、一つが、中国型の技術、そして中国型の制度というふうにいったようなものが、アメリカともヨーロッパとも異なる形でやはり発展しつつある。
この三極を捉えて、アニュ・ブラッドフォードというコロンビア大学の教授の近著が「デジタルエンパイアーズ」というふうにいうのですけれども、それぞれがその帝国を広げていくための競争というものを繰り広げている。それは、当然それぞれの市場の食い合いというのもありながらも、やはりグローバルサウスを始めとしたような関係諸国の巻き込み合いでもあるといったようなことがございます。
そうした中で、我が国は、諸外国というと、これまでアメリカ、米国、中国を見てきたのですけれども、少なくとも、デジタルやAI政策の中で、まだやはりグローバルサウスというものへの認識や、そして焦点の当て方というものが少ないところというものがございます。
これは、やはり我が国の経済的な発展及び国家安全保障の両方に関わるところでございますので、今回、この法案というものが、世界の範となるAI法制というものを作るということをやはり非常に強く強調していらっしゃる。その世界の範というのは、決してアメリカ、ヨーロッパ、中国だけではなくて、まさにグローバルサウス、アジアも含めた、そういった南半分を含めた世界の範になるために何をすればよいのかということ、そういうことを是非念頭に置いていただきたいなというふうに思います。
それから、もう一つは、制裁を受け、例えば、別の分野ですと、グーグルのアンドロイドが中国の中で輸出規制で使えなくなると、独自のOSを開発することに本気で注力して、そして、十億人のユーザーがいるので、やはりマーケットイン、マーケットバリューのサイズも含めて、作れてしまうのですよね。
アメリカのIT輸出の管理というところに関して、むしろ、アメリカのIT企業が、IT産業界がそれを警戒していて、実際にやったら、現実にそうなったというふうにいったようなところも含めまして、やはり制度にしてもビジネスにしても、多分、少なくとも三つの帝国の中で多様化をしていくのが今後しばらくの傾向であるのかなというふうに思います。
そうしたときに、主権でありますとか様々な要素はございますけれども、やはり我々として、最も優れたサービスというものを恐らくその三極の中から選び、そして安全、安心な形で活用していける環境をどのようにつくっていくかというのが一つ極めて重要なんだというふうに思います。
先ほど来、海外企業に対するイコールフッティングの観点からの法適用ということの論点が度々出ておりますけれども、やはりこういった法の在り方を海外企業に対して適用をしていくというのは、それがどこの国で作られたサービスであっても、我が国国民が自由に、そして安心して使えるための法的前提を作るための手段である、そうした観点からも、この法律の外国事業者への適用ということも、まさに彼らにとっての価値というところも含めて、是非積極的な推進をしていきたいなと考えるところでございます。
以上でございます。
103緒緒方林太郎政府参考人など
続きまして、最後の質問になると思いますが、松尾先生と、そして田中先生にお伺いをさせていただきたいと思います。
先ほどから何度もデジタル赤字の話が出ていると思います。松尾先生の方からは、V字回復なんて、それはなかなか無理だよと。取りあえず止めて、可能性があれば、もしかしたら解消していけるかもしれないぐらいの言い方だったというふうに理解したんですが、正直、本当にそういうふうになれるのかなということすら私は今結構懐疑的でありまして、もしかしたら、国会で言うから、少しだけエンカレッジングなことを言わなきゃいけないと思って言っておられたりするのかなと思ったりする…
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104松松尾豊東京大学大学院工学系研究科 技術経営戦略学専攻/人工物工学研究センター 教授
ありがとうございます。
やはり現状を正しく認識することが重要で、まず、今まで勝っていたのが負けてきたわけですから、それをしっかり踏みとどまる、そこからチャンスがあれば浮上していくということだと思います。
それが本当にできるのか、デジタル赤字の解消という意味で、私は直接的にはなかなか難しいんじゃないかと思っていまして、というのは、今、インターネットのビッグテックに代わるようなサービスが日本から出せるのかというと、そこは難しい。
ただし、自動車を始めとしまして様々な実産業があります。実産業がAIを活用をすることで更に付加価値をもたらして、それがトータル…
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105田田中邦裕一般社団法人ソフトウェア協会会長/さくらインターネット株式会社代表取締役社長
緒方先生、ありがとうございます。
私は、結論から言うと、日本は、必ずデジタルの次、AIで復活できるというふうに信じています。
おっしゃるように、現実を見なければならないということがありまして、六・五兆円の貿易赤字があるということもありますし、あと、何しろこの三十年のブランクの中で、ITは非常に厳しい。なので、ITで今更復活することはできないだろうというふうに私は思っていますが、AIと物づくり、これの融合によって再び成長できるんだろうというふうに思っております。
足下でいいますと、我々さくらインターネット自身が売上げが三百億ぐらいの会社ですから、六兆…
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