植田和男日本銀行総裁

2025年4月2日・第217回国会 衆議院 財務金融委員会 第13号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 35 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 139 発言)

お答えいたします。

まず、トランプ政権の関税政策でございますが、委員御指摘のように、今晩これからアナウンスされるというふうに予想されているものもありますので、全容はまだ不透明な状況が続いております。

その上で、アメリカの物価への影響ですけれども、まず短期的には、輸入物価が上昇しますので、押し上げに利くという見方が支配的かと思います。ただ、やや長い目で見ますと、関税の導入等が、この後も触れますが、経済活動を抑制し、物価に下押し圧力を発生させるという経路も考えられますので、不確実性は大きいと見ております。

その上で、FEDの政策に具体的にコメントすることは差し控えたいと思いますが、こうした関税政策を含む各種の政策の経済、物価への影響を見極めつつ、金融政策を適切に運営していくものというふうに考えてございます。

関税の世界経済への影響ですけれども、不確実性が高いということを申し上げた上で、関税の範囲、規模次第では、各国の貿易活動に大きな影響が及ぶ可能性がありますし、また、家計や企業のマインドにどういう影響があり、それが支出全体にどういう影響があるかという点も大きいかと思います。

さらに、トランプ政権は、関税政策以外に、移民政策、財政政策、規制緩和など様々な政策を今後打ち出す、あるいはより具体化していくということが予想されますので、こうした影響も含めて、アメリカ経済、アメリカの新政権の政策の影響が世界経済、我が国経済に及ぶ影響を総合的に見ていくことが重要であると考えています。

まだ残念ながら不確実性が高い状況ですので、今後の政策の展開を見極めつつ、経済への影響をより正確に見ていきたいと思っております。

それから、新興国でございますが、総じて見ますと、緩やかな経済の改善が続いております。また、インフレ率が一頃よりも低下してきている中で、金利も、全体として見れば低下してきております。

ただし、中には債務残高が増加傾向にある国も見られていますので、景気の下振れに伴う財政収支の悪化や金利の大幅な上昇が見られる場合には、新興国債務への懸念がマーケットで高まるリスクもあると認識しております。こうした点については、私どもも注意深く見てまいりたいと思っております。

以上でございます。

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