八代尚宏昭和女子大学特命教授

2025年5月27日・第217回国会 衆議院 厚生労働委員会 第21号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 55 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 107 発言)

調整期間の一致というのは、私は、本来極めて技術的な問題で、なぜそんなにまず年金を減らさなきゃいけないのかが大事だと申し上げました。

ただ、そうはいっても、今これが大きな問題なわけなんですけれども、一つは、マクロ経済スライドが長引いたからこういう問題が起こったという説明なんですが、なぜ長引いたんでしょうか。デフレだったから。

デフレだってマクロ経済スライドは使えるはずだったんです。それは、名目下限措置という非常にこそくな手段があったからできなかったわけで、本来、マクロ経済スライドというのは、デフレであろうがインフレであろうが、ちゃんと年金支給額を減らさないといけないわけですね、そうでなければ年金制度はもたないわけですから。だから、名目下限措置をまず撤廃しなきゃいけないんですけれども、そういう議論は全くないわけです。だから、今後の二十年に全く同じ問題が起こる可能性がある。

それから、マクロ経済スライドが失敗したことによって、多くの過大給付が発生しているんですよね。これはもう取り返せないわけで、その分、後の世代に負担が大きくなっている。だから、一般会計からの財政負担もさることながら、二十年間のマクロ経済スライドの失敗で、既に多くの世代間の、勤労世代から高齢世代への移転も起こっている。

そういうことにもかかわらず、何でそこまでマクロ経済スライド一本やりに固執するのかというのが私の疑問であります。ほかの、支給開始年齢の引上げ等も併用すべきである。

先ほど、四十年を四十五年に延ばすのは、ある意味で、高齢化を目指せば当たり前のことだ、時間はかかるけれどもと。同じことが厚生年金だって言えるはずなわけで、今後、高齢者の平均寿命は二歳ぐらい延びるんですね、あと二十年そこそこで。それに対応するためには、やはりマクロ経済スライド一本やりでは余りにも国民は窮乏化してしまうというのが私の考え方です。

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