間隆一郎厚生労働省年金局長

2025年5月21日・第217回国会 衆議院 厚生労働委員会 第19号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 327 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 360 発言)

お答えいたします。

まず、適用拡大になった場合に負担とか給付がどう変わるのかという面で申し上げますと、それまで三号被保険者であった方が、社会保険が適用になって二号被保険者になった場合には、それまで御本人自ら保険料を払っておられなかったので負担が発生する、そして同時に、御本人の給付は、基礎年金だけじゃなくて報酬比例の厚生年金が出るということでございます。

他方で、それまで一号被保険者、例えばシングルの方でありますとか自営業、あるいはフリーランスで働いていた方が被用者保険が適用になりますよということになりますと、国民年金の保険料の水準からいきますと、おおむね、事業主負担が出る関係で、二号被保険者になりますと保険料の負担は半分近くになります。そして、給付は、基礎年金プラス報酬比例が出ますので、給付は厚くなる。こういった方が相当数いらっしゃるということはお伝えしなきゃいけないなというふうに思っております。

その上で、賃金要件の話につきましては、現在、二十時間という労働時間要件で考えますと、八・八万円あるいは百六万円という要件は、時給単価が千十六円でありますと、千十六円掛ける二十時間で、五十二週になりますと百六万円ぐらいになりますので、そうすると、自動的に今その地域で働く方々が全員適用になる、こういうことでございます。

こういうような地域が全国で今十二都府県あるということでございますが、今後、最低賃金が上がってきたときには、いずれかのタイミングで全都道府県が千十六円を超えた場合には、その地域で働く方々、皆様、二十時間以上働いた場合には社会保険適用になるということでございます。そうなったときに、賃金要件は実質的に意味がなくなるから撤廃するということで、無理無理やろうということではないということを一つ申し上げます。

その上で、済みません、話の前段が長くなりましたが、保険料調整制度の話ですけれども、これは、今回、その一方で企業規模要件というのを撤廃していこうということを考えているわけですが、この企業規模要件の撤廃などの対象となる、比較的小規模な企業で働く短時間労働者を対象としたものでございまして、この制度が適用になったときに、それまで働いていたときに、保険料は、例えば三号だったら払っていない、一号だったら一万七千円余り払っていただいていたというのが変わるわけですね、負担が。その変化に対してポジティブに捉える人も、一号から二号の場合にはあるでしょうが、三号から二号に変わられた場合には、えっ、それならこの会社で働いていられないわ、こういうこともあろうかと思います。

そういう変化、制度変更によって就業調整が増えるということのないようにしたい、このように考えて、適用拡大の際に、その適用拡大の対象となる比較的小規模な企業で働く短時間労働者に対して、社会保険料による手取りの収入の減少を緩和し、就業調整を減らし、被用者保険の持続可能性の向上につなげる観点から、それこそ特例的に、時限的に行うというふうにしたものでございます。その観点から三年ということでございます。

三年につきましては、結局、先ほどの別の方の御質疑でもありましたけれども、やはり、足下で最低賃金を上げていくということで、賃上げが大事だと思っています。そうした中で、賃金が上がっていくと、三年後には保険料の御負担をいただくようになって、本来の額を御負担いただくようになっても、その意味では手取りが以前とそう変わらない、あるいはそれより上がっているということも期待できるだろうというふうに考えております。また、年収の壁・支援強化パッケージのキャリアアップ助成金におきまして、三年間の取組で手取り収入を増加させるというメニューもあり、こうしたことも参考としてございます。

いずれにしても、政府全体としては、賃金が上げられるような環境をつくっていくということを真剣に取り組みながら、こうした制度についても運用していきたい、このように考えております。

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