いろいろ頑張っていらっしゃるのは大変ありがたいと思っております。ただ、まだまだ諸外国、先進諸国に比べると不十分ではないかと思っております。
資料の四を御覧ください。これは関西学院大学の野瀬正治氏の論文の中の一部でございます。イギリスの取組と日本の取組を比較したものです。イギリスではACASという政府機関が設置されています。助言、調停、仲裁など、労働者と雇用主の間で生じる問題を解決するために、無償で公平公正なサービスを提供しています。
二〇二二年の一年間でこのACASへの相談件数は六十五万件、赤丸で囲っているところです。そのうち、あっせんなどが十三万七千件ほどで二一・二%。一方、右側ですが、日本では都道府県の労働局への相談件数が百二十五万件、そのうち、あっせんなどは三千五百件ほどにとどまっています。つまり、相談を受けて何らかの対応を行ったという割合が、日本はイギリスの四十分の一にすぎないということになります。
また、波線の部分、あっせんでの未解決率、あっせんで解決できなかった比率です。イギリスでは二三・六%、日本では六四・〇%。日本では、残念ながら労働局によるあっせんがなかなか解決につながっていないのではないかということが懸念されます。
また、ある研究者の指摘ですけれども、現在の日本の労働局の紛争解決制度の特徴の一つは互譲性、互いに譲ることとなっているということです。均等法の通達には、調停とは、行為が法律に抵触するか否か等を判定するものではなく、むしろ、行為の結果生じた損害の回復等について現実的な解決策を提示して、当事者の歩み寄りにより当該紛争を解決しようとするものであることと書かれています。
ハラスメントはあってはならないもの、この社会からなくすべきものと今回の法制化でも盛り込んでいただいたと先ほど大臣からお答えいただきましたが、そういった状況の中、行政の紛争解決制度が譲り合い、歩み寄りの制度でよいのかということでございます。諸外国のように、ハラスメントと認定して救済すべきではないでしょうか。いずれにせよ、イギリスなど諸外国の先進事例を研究し、実効性のある対策に整備していただきたい、解決率をもっと上げていただきたいと思っております。
通告しておりませんが、福岡大臣にだけお聞きします。
ハラスメント事案を内密性、公平性、中立性を担保しつつ、実際に解決するための施策について検討いただけませんでしょうか。
138
藤丸敏(自民)
休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。堤かなめ君。
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139堤堤かなめ(立憲)
立憲民主党の堤かなめです。
二十五分間の質疑の機会をいただきましたこと、感謝申し上げます。誰もが安心、安全に働ける社会の実現に向け、ハラスメント対策について質問いたします。
今から三十六年前、一九八九年のことです。後に日本初のセクハラ裁判と呼ばれる闘いが福岡で始まりました。出版社で働く晴野まゆみさんが勇気を持って被害を訴え、福岡の多くの女性がこの裁判を手弁当で支援していました。
ちょうどその頃、私は、東京の民間企業に五年勤めた後、福岡に戻って、大学院で社会学の勉強をしておりました。友人に誘われ、このセクハラ裁判の第一回支援する会に参加いたしました。…
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140
福岡資麿(自民)厚生労働大臣
我が国といたしましては、職場におけるハラスメントはその未然防止が重要でありますこと、また、ハラスメントの未然防止のためには、企業、今日お示しいただいた例でいうと大学に当たると思いますが、企業が主体的に予防から事後の対応までの一連の措置を講じることが重要でありますことから、男女雇用機会均等法において、相談体制の整備であったり、事後の適切な対応等のハラスメント防止のための雇用管理上の措置を講ずることを事業主に義務づけております。
その上で、事業主は、被害者に対する配慮のための措置であったり、行為者に対する措置を適正に行うことも求められておりまして、個別の事…
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- (上の発言)
141堤堤かなめ(立憲)
いろいろ頑張っていらっしゃるのは大変ありがたいと思っております。ただ、まだまだ諸外国、先進諸国に比べると不十分ではないかと思っております。
資料の四を御覧ください。これは関西学院大学の野瀬正治氏の論文の中の一部でございます。イギリスの取組と日本の取組を比較したものです。イギリスではACASという政府機関が設置されています。助言、調停、仲裁など、労働者と雇用主の間で生じる問題を解決するために、無償で公平公正なサービスを提供しています。
二〇二二年の一年間でこのACASへの相談件数は六十五万件、赤丸で囲っているところです。そのうち、あっせんなどが十三万七千件ほどで二一・二%。一方、右側ですが、日本では都道府県の労働局への相談件数が百二十五万件、そのうち、あっせんなどは三千五百件ほどにとどまっています。つまり、相談を受けて何らかの対応を行ったという割合が、日本はイギリスの四十分の一にすぎないということになります。
また、波線の部分、あっせんでの未解決率、あっせんで解決できなかった比率です。イギリスでは二三・六%、日本では六四・〇%。日本では、残念ながら労働局によるあっせんがなかなか解決につながっていないのではないかということが懸念されます。
また、ある研究者の指摘ですけれども、現在の日本の労働局の紛争解決制度の特徴の一つは互譲性、互いに譲ることとなっているということです。均等法の通達には、調停とは、行為が法律に抵触するか否か等を判定するものではなく、むしろ、行為の結果生じた損害の回復等について現実的な解決策を提示して、当事者の歩み寄りにより当該紛争を解決しようとするものであることと書かれています。
ハラスメントはあってはならないもの、この社会からなくすべきものと今回の法制化でも盛り込んでいただいたと先ほど大臣からお答えいただきましたが、そういった状況の中、行政の紛争解決制度が譲り合い、歩み寄りの制度でよいのかということでございます。諸外国のように、ハラスメントと認定して救済すべきではないでしょうか。いずれにせよ、イギリスなど諸外国の先進事例を研究し、実効性のある対策に整備していただきたい、解決率をもっと上げていただきたいと思っております。
通告しておりませんが、福岡大臣にだけお聞きします。
ハラスメント事案を内密性、公平性、中立性を担保しつつ、実際に解決するための施策について検討いただけませんでしょうか。
142
福岡資麿(自民)厚生労働大臣
ハラスメントを防止するためには、事業主の相談体制の整備などの具体的な取組を進めるとともに、ハラスメントを行ってはならないという国民の規範意識を醸成することが大変重要だというふうに考えております。
この法案におきましても、カスタマーハラスメント対策の強化のほか、職場におけるハラスメントを行ってはならないという規範意識の醸成に国が取り組むことを盛り込んでおりまして、そういったことを通じて、引き続きハラスメント対策の強化に取り組んでまいりたいと思います。
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143堤堤かなめ(立憲)
では、附帯決議の十二を御覧いただきたいと思います。セクシュアルハラスメント等の防止措置の実施状況、被害者の救済状況などについて実態調査を行い、効果的な防止対策を速やかに検討することなどが求められていますけれども、この調査結果や検討結果についてお聞かせください。
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144田田中佐智子厚生労働省雇用環境・均等局長
ハラスメントに関します実態調査といたしましては、令和二年度と五年度に職場のハラスメントに関する実態調査を実施をいたしましてハラスメントの実態把握を行ったほか、令和六年から開催をしました雇用の分野における女性活躍推進に関する検討会におきまして、複数の労使団体にヒアリングを実施するなどしたところでございまして、これらの調査により把握した実態を踏まえながら、今般の法案についても検討をしてまいりました。
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