向井康二公正取引委員会事務総局官房審議官

2025年4月18日・第217回国会 衆議院 経済産業委員会 第11号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 165 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 222 発言)

お答えします。

本法律では、受注者が安心して情報を提供することができる環境を整備するために、受注者が申告したことを理由に取引を打ち切るなど、報復措置を禁止をしておるということでございます。また、改正法案では、事業所管省庁に対して申告したことを理由とする報復措置の禁止も新たに規定をするということでございます。

加えて、公正取引委員会及び中小企業庁におきましては、毎年、発注者、受注者の双方に対しまして大規模な定期書面調査を実施しているところでございます。そして、この中でこの法律に違反する行為の端緒に接した場合には、公正取引委員会、中小企業庁は積極的に情報収集を行いまして、違反行為がありますと、その違反行為を是正をさせたり、先ほども説明いたしましたが、いわゆる原状回復ということを求めるということでございます。

このような定期調査以外にも、匿名の情報提供を可能とするような、ウェブサイトに窓口を設けておるということでございます。

このような対応をしておるところでございますが、委員からは、さらに、価格は原価の何%以上とするというルールを作りまして、発注者側に価格に係る情報を提供させるということで、形式的に違反が認定できるようにすべきではないかというような御提案があったかと思います。

これにつきましては、いろいろな課題があるのかなと思っております。

具体的には、費用と取引費用のみで一律に違反を認定するという仕組みにいたしますと、事業者サイドにとりましては、生産性を向上させるインセンティブがそがれるといった問題や、製品、サービスの質、競争力を反映した価格設定も難しくなるというような問題もあるのではないか。また、やはり価格は重要な競争手段でありますので、生産性や質を高め、自らの価格を決めようという事業者の意欲をそぐことになるのではないかということでございます。

さらに、原価の何%以上を取引価格にしようとすると、相手方に対しまして原価の開示を求めるということになります。原価というのは営業の秘密に該当することもございまして、それが求められることは拒絶感を持つような中小企業の方もいらっしゃるということでございまして、このようなルールがもし導入されますと、かえって中小事業者の利益を損なうおそれもあるということでございます。

このような問題点もございまして、今回の改正法案では、適切な価格転嫁を実現するために、企業間の積極的な交渉に基づき、合理的な価格決定を促すような、新たな禁止行為というものを設けたということでございます。

いずれにいたしましても、公正取引委員会は、誰が情報提供者であるのかということが発注者に明らかにならないように工夫して引き続き調査をするところでございますが、このようなノウハウにつきましても、改正法が成立いたしますと、事業所管省庁とも共有をするということも踏まえまして、今後とも、情報提供をした、それが報復措置につながるというようなことがないように運用する、そして、そのような制度になっているということも周知徹底をするということを通じまして、安心して情報が提供されるような環境づくりに努めてまいりたいと考えてございます。

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