小谷哲男明海大学教授

2025年5月30日・第217回国会 衆議院 安全保障委員会 第10号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 38 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 67 発言)

御質問ありがとうございます。

戦後日本においては、やはり自由主義でありますとか、それから民主主義、さらには自由貿易、そして近年ではルールに基づく開かれた国際秩序、これが恐らく多くの国民のコンセンサスとしてあったと思います。そして、そのコンセンサスに基づいて、日本政府は外交、対外政策を行ってきたというふうに考えています。

その現状は今のところ大きく変わっているというふうには考えませんが、ただ、例えばSNSなどを見ておりますと、このような価値観に異を唱える、つまり、アメリカでのいわゆるトランプ現象に影響を受ける形で、より偏狭なナショナリズムに走るような傾向も一部見て取れるかというふうには思います。近年の日本で行われる選挙を見ておりましても、選挙妨害と取れるような動きも広がっているかというふうに考えますが、これは数年前のアメリカに見られたものが日本でも見られるようになっているということなので、一部アメリカの政治状況が日本にも波及しているところではないかというふうに考えます。

ただ、全体として、アメリカに比べますと、日本社会が大きく分断されるところまでは行っていないというふうに思いますので、まずは、これまで日本が積み重ねてきた戦後の重要な価値、自由主義、民主主義、自由貿易、これらを再確認することが必要ではないかと思いますけれども、それは、これまで二度出されました国家安保戦略でも確認されていることですし、今後これが改定されるとしても、これは恐らく日本としては変わっていかないというふうに思います。

この自由で開かれたインド太平洋、これは専門家の間ではもう誰もが分かっていることですが、これを一般の国民の方に言ったときに、果たしてどこまで理解してもらえているかというのは正直なところあるかと思いますので、これについてはより積極的に日本政府として発信していただく必要があるでしょうし、これが実はアメリカも含めて多くの国が今賛同しているところであるということについても積極的にアピールしていく必要があるのではないかというふうに考えております。

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