石破茂 (自由民主党)内閣総理大臣

2024年12月16日・第216回国会 参議院 予算委員会 第4号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 96 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 451 発言)

それは判決文をどう読むかでございます。

今委員御指摘の南九州税理士会事件というのは平成八年でございますので、私も新聞記事では読んだ記憶がうっすらとございますが、八幡製鉄事件のように、私ども昭和五十年代に法律を習った者はみんなこれはたたき込まれた事件でございますので、判決文までよく読んだ覚えがございます。

それで、改めて、委員の御指摘でございますので、南九州税理士会事件、一九九六年、平成八年というものを読み直してみますと、これが言っておることは委員がおっしゃっていることとは相当に論理が違う話なのですね。

八幡製鉄は民間の会社でありますと、そして民間の会社が投票権を持たない、しかしながら納税もしている、それが政治的な意思を示すということは当然認められると、こういうような論理でございますが、税理士会というのはそれとは全く違っておりまして、この事件判決は、税理士会から政治団体への寄附は税理士会の目的の範囲外の行為ですと、ここまでは言っていますね。

で、この判決は、税理士法に基づき、つまり税理士法という法律があって、税理士法に基づいて税理士会というものは設立をされる。この加入は強制的に行われるものであって、私は税理士でございますが税理士会に入りませんということはあり得ないことでございます。実質的に脱退の自由は認めておりません。脱退の自由を保障されていないことであって、会社とは全くその法的な性格が違うということです。そこから抜けることが許されませんという組織と会社とは法的な性格が全く違うということが前提であって、同一に論ずることはできません。

で、その税理士会の構成員である会員には、当然のことながら様々な思想、信条を有する人が存在をする。これはもうどんな団体でもそうですが、強制加入であります以上、当然、いろんな思想、信条を異にする人がおられます。そうしますと、税理士会の目的の範囲というものを判断するに当たっては、会員の思想、信条との関係で考慮が必要であるということに相なります。

その上で、税理士会が多数決原理によって、五十一対四十九ですというような多数決原理によって、ある政治団体への寄附を団体の意思として決定して、構成員にその協力を義務付けることはできませんと、こういうような論理構成になっております。

税理士さんは税理士会に加入することが強制をされます。そこにおいて多数決の原理はなじまない、だから駄目なんだと、そういう論理でございまして、それは民間企業たる八幡製鉄とは全く性質を異にするというのがこの二つの判決の理解だと私は思っております。

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