黒田知宏京都大学医学部附属病院医療情報企画部教授

2026年6月19日・第221回国会 参議院 デジタル社会の形成及び人工知能の活用等に関する特別委員会 第6号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 82 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 123 発言)

ありがとうございます。

データ主権という視点で医療情報を語るのは難しいのですけれども、北欧の政策担当者と話をしたときによく出てくる言葉が、医療データプラットフォームを国として整備するのは、これはターゲティドウエポンをつくるプロセスなのだと物すごく強い言葉で言われるんですね。これ、ターゲットって誰というと、基本的には国際ファーマシーを意味しています。

結局、そういったところと我々の、我が国の国民にあなた方の作った薬が効くのかどうか確認するのであれば、我が国の国民のデータを使わなければ確認できないであろうと。なので、そこで価格設定とかをするのであれば、まず私たちと話し合おうというスタンスを取るわけですよ。

ですので、欧州各国の今のスタンスは、医療データを国として確保した上で、国家間でのデータの共通利用とかAIを作るようなプロセスにおいては、フェデレーテッドラーニング、若しくはPETsを使うような、基本的に、いかにして暗号化した状態で個人情報そのものを流通させずに協調利用とか協調解析をするかという方向に振っていますし、現時点で欧州各国からそういう御相談いっぱいいただいています。

これは別に欧州だけではなくてアジアでも同じでして、マレーシアなどはもう国家公務員でなければ医療データに触れないというレギュレーションを引いています。その上で、それを使った研究をしたいのであれば、国にちゃんと、医学研究であったり医療機器研究をするための主体、CRCの組織を持っていて、そこに対して申し込むことによって、研究を、じゃ、代わりに実施してあげるというアプローチを取るわけですよね。そういうアプローチが割と主流になりつつあるのかなというふうに思います。

ですので、そういう意味では、ある程度出入口をちゃんと閉じて国家としてマネジメントできる形にしておくというのは、国家のデータ主権という意味で考えたときに、医療データによってもあり得る議論であろうとは思います。

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