藤井敏嗣東京大学名誉教授/山梨県富士山科学研究所所長

2026年7月23日・第221回国会 参議院 沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会 第8号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 32 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 88 発言)

富士山について最初に議論がなされたのは、二〇〇四年のハザードマップを作った際であります。それ以前は、国土庁時代に富士山のハザードマップを作ろうとしたことがありましたけれども、地元の反対に遭って作成まで至りませんでした。

ですが、二〇〇〇年の有珠山の噴火を受けて、ハザードマップというのがやはり住民の安全のために重要だということが認識された後、二〇〇〇年から二〇〇一年にかけて、富士山の真下で深部低周波地震というのがそれまでになく異常に活発になった時期があります。通常ですと、今もそうですけれども、月にせいぜい十回ぐらい、深さ十五キロぐらいのところでマグマ若しくはマグマから分離した火山ガス成分が移動するときに起こす地震が発生しております。つまり、富士山はまだ生きているということがその二〇〇〇年から二〇〇一年にかけて非常に明確に認識され、そのことを受けてハザードマップが作られました。

その結果で被害想定を行ったことがありますが、首都圏に今日お話ししたような宝永噴火と同じようなことが起こった場合に、二兆五千億円、梅雨のときに起こったという前提ではありますが、二兆五千億円の被害が生じるだろうという被害想定をしたことがあります。ただ、その当時は、交通機関の問題とかそういうことは余り考えていなかった。特に、航空機に対する影響や何かは考えていなくて、今もし生じればもっと大きな額になると思いますが、正確な見積りはなされておりません。

それから、そういう被害に対する対策については、二〇二〇年に中央防災会議の下のワーキンググループで、広域火山灰の影響についてというのを報告を出したことがあります。その中で、宝永噴火と同じようなことが起こったときにどういう現象が起こるのか、それから、それに対して交通機関を復旧させるためにどういう手段があるのかということをまとめたことがあります。それを受けまして、昨年の三月に内閣府が広域火山灰による首都圏への影響というガイドラインを公表しました。それと同時に、それを受けて気象庁が、もしそういう首都圏に起こるような広域火山灰被害があるとしたら新たな警報みたいなものが必要ではないかということで、その試案を翌四月に出しております。ただし、気象庁の方は、全国の火山で当然起こり得ることですので、全国の市町村と協議を重ねているというのが今の状態であります。その後、東京都と内閣府とで広域火山灰について協議を進めているというふうに理解をしております。

前後のやりとり

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