宮家邦彦キヤノングローバル戦略研究所理事・特別顧問

2026年3月24日・第221回国会 参議院 予算委員会公聴会 第1号(外部サイト、新しいタブで開きます) の 223 番目の発言(外部サイト、新しいタブで開きます)(全 267 発言)

まず、なぜ核が欲しがるか。私がイランの戦略家であれば、当然オプションとして考えると思います。それは、北朝鮮は核を持っているからアメリカにやられないのよね、サダム・フセインは持っていなかったからやられたのよね、だったら持つしかないでしょうと、私だったら思います。宗教的にファトワが出ておりまして、一応反対ということですが、ファトワというのはすぐ変えられると私は思っていますので、その方向に動く可能性は十分あると思います。

一体核で何をしたいのか。北朝鮮と同じです。生き残りです。イランの政府の行動基準というのは極めて単純で、とにかく昔の日本でいえば国体護持です。制度を維持することが全てだと思います。そして、核兵器を持つことによって最終的に潰されないというふうに信じているからこそ、核兵器を造りたい。しかし、核兵器を造るとなると、イランというのはレベルが高いですから、ちゃんと核拡散防止条約へ入っていますから、今では造れないんですね。ですから、彼らが望んでいるのは、核兵器をその気になれば数週間、若しくは数分でもいいんですが、すぐに造れるような技術力とその生産施設を持つこと、これが彼らの目的だろうと思います、今のところ。

もし成功した場合にどうなるか。それは、パワーバランスは大きく変わりますが、先ほど申し上げたグレートゲームのパワーバランスが大きく変わるとは私は思いません、核の数がもう限られていますから。ただ、中東地域の中でのパワーバランスは大きく変わってしまう。そして、その後、先ほどもちょっと申し上げかけたんですけれども、ペルシャ湾の反対側の国々、どこの国とは言いませんが、の数か国は間違いなく核兵器を造ろうとするだろうと思います。そうなりますと、中東における核抑止というのが意外に難しい分だけ核が使われる可能性が高まってしまうと、それが私が一番恐れていることでございます。

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