参政党の大津力です。
参政党を代表し、国家情報会議設置法案につきまして、賛成の立場で討論を行います。
まず、大前提となる世界における我が国の現状について申し上げます。
戦後八十年余り、幸いにして、日本は武力による戦争に直接巻き込まれることはありませんでした。しかし、だからといって、私たちが真の平和の中にいたと錯覚してはなりません。一見平和に見える日常の裏側で、実のところ日本は、常に目に見えない情報戦という熾烈な戦いの真っただ中にさらされ続けてきたというのが私の強い危機感でございます。
情報戦では、世論、選挙、経済、技術、企業活動、地方自治、そして国民一人一人の認識までがターゲットにされております。武力によらずして相手国の意思決定をゆがめ、見えない形で社会の分断を深め、国家の機密を盗み出し、重要な人材を取り込み、世論を思いどおりに誘導する。これが現代における情報戦の実相であります。
こうした厳しい現実を直視すれば、我が国が情報戦への備えを抜本的に強化し、インテリジェンスを国家戦略の中核に据える体制を構築することは急務であります。同盟国である米国であっても、情報や世論の保護までを頼ることはできません。自らの情報収集力、分析力、防諜力、そして摘発力などを総合的に高めなければ、この危機を乗り切ることはできないのです。
本法案の審議に当たり、国家情報会議設置法案は、日本を戦争に巻き込むのではないか、戦中の一方的な言論統制や治安維持法の再来ではないかといった懸念の声や反対の意見も寄せられました。一部の国民が抱くこうした不安の念は理解はできますが、本法案は、決して日本を戦争に巻き込むためのものではありません。むしろ事実はその逆であり、本法案は、日本が他国の紛争に巻き込まれないようにするための強力な抑止力となるものであります。
正確な情報に基づく的確な情報分析がなければ、誤った政策判断を下し、事態を不必要にエスカレートさせ、かえって国家の危機を招きかねません。外国からの情報工作や軍事的な脅威を未然に察知し、平時から質の高い情報を集め、総合的に分析して危機を防ぐ。すなわち、国や国民を戦争の惨禍から守り抜くために、本法案は絶対に必要不可欠な第一歩なのであります。
本法案の目的は、これまで各省庁に散逸していた政府の情報機能を束ね、国家として必要な情報を集約、分析し、的確な政策判断に生かすための司令塔を設けることにあります。これまでの内閣情報調査室における総合調整権限の不足という縦割りの弊害をなくし、国家情報会議が政府統一的な情報活動の基本方針を示します。そして、新たに設置される国家情報局が各省庁を総合調整することで、我が国が有する多様な情報収集手段や情報源を最大限に活用できる仕組みを構築するものであります。
本法案が成立した暁には、多種多様な情報が効率的に司令塔に集約されることになります。内閣衛星情報センターが担う画像情報、最強のインテリジェンスとも称される電波情報、そして外務省や防衛省を始めとする人的情報や公開情報などが有機的に結び付き、質の高い総合的な分析が可能となります。これにより、米国などの同盟国、同志国とも情報保全の信頼関係を前提とした相互主義に基づく対等な情報共有や連携が更に深化することが期待されます。
さらには、集約された外国情報機関の工作の実態や、ディープフェイクのような偽情報の巧妙な手口に関する知見を、秘匿性に十分配慮しつつ、企業や研究機関、自治体、そして教育現場へ還元をすることで社会全体の防御力を底上げする効果も大いに期待ができます。
しかしながら、政府に対して強く申し上げたい。本法案には明確に不足している点があります。
法案によって会議体をつくり、情報を集約する器となる司令塔を置くだけでは、現場の防諜能力や工作の摘発能力は不十分であります。外国情報機関への協力や、重要インフラ、先端技術に関する情報流出、機密の不正取得に対して、実効的に取り締まり、処罰を担保する法制度が伴わなければなりません。政治家や公務員、研究者が巧妙に取り込まれるリスクに対して、現在の制度だけでは不十分であり、国と国民を真に守り抜くことはできないのです。
また、情報機関への強力な権限付与が、不透明な監視社会や表現の自由の萎縮につながるのではないかという国民の懸念点にも真正面から向き合う必要があります。高度な秘匿性が求められる活動であるからこそ、透明性や権力への牽制機能が欠如すれば、真の民主主義国家とは言えません。
さらに、特殊詐欺の被害が年間数千億円規模に拡大し過去最高を記録している現状に見られるように、国民自身が日常的に飛び交う偽情報を見抜く情報リテラシーを持ち合わせていないことも極めて大きな懸念材料でございます。
こうした本法案の決定的な不足点や国民の懸念を補うため、我が参政党は、既に先進国並みの包括的かつ網羅的な、いわゆるスパイ防止法案を国会に提出をしております。
法案で定めておりますのは、第一に、情報漏えいや機密の不正取得、外国情報機関への協力に対して実効的な取締りと処罰を科す防諜・摘発体制の確立です。
第二に、外国勢力による政治や世論への工作活動を可視化する外国代理人登録制度の導入です。これは、特定の外国人を排斥するものではなく、外国政府等の利益のために活動する者に登録と情報開示を求め、不当な干渉の背景を透明化するものであります。
第三に、権限の暴走を防ぐための監視機関の設置です。高度な秘密を保護しつつも、専門的見地から活動の適正性を厳格にチェックする独立した第三者機関の設置や、国会への適切な報告制度を設けます。
第四に、国民全体の情報リテラシーの抜本的向上です。フィンランドなどの北欧諸国に見られるように、未就学児や義務教育の段階から情報の真偽を見抜く教育を国家の安全と民主主義を守るために徹底し、大人への啓発活動と並行して進めることを求めています。
我が党が提出した法案は、司令塔機能の整備にとどまる本法案の不足点を補完し、同時に、権力への監視体制や情報公開のルールを設けることで、国民が抱く懸念点を明確に払拭するものになっております。情報を集める力、分析する力、秘密を守る力、偽情報を見抜く力、人材を育てる力、そして外国からの影響力を透明化する制度、これらを総合的に整え、かつ国民とともに歩まなければ、この熾烈を極める情報戦の時代を生き抜くことはできません。
国家情報会議を設けることは、あくまで出発点にすぎません。我が党の提案も含め、国家の独立と民主主義、そして国民一人一人の安全を真に守り抜くための更なる力強い取組を政府に強く求め、賛成討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
33
関口昌一議長
牛田茉友君。
〔牛田茉友君登壇、拍手〕
この発言のページ
34
牛田茉友(国民)
国民民主党・新緑風会の牛田茉友です。
私は、会派を代表いたしまして、ただいま議題となりました国家情報会議設置法案に対し、賛成の立場から討論を行います。
本法案により国家情報会議を設置することは、複雑化する国際情勢において、我が国のインテリジェンス機能を抜本的に向上させていくための極めて重要な一歩であると考え、賛成いたします。
その上で、本法案を真に国民の信頼に足る実効性あるものへと発展させていくための今後の課題として、以下申し述べます。
現在、我が国を取り巻く安全保障環境は、かつてないほど多層的かつ複雑なものとなっています。ロシアによるウクライナ…
この発言のページ
35
関口昌一議長
大津力君。
〔大津力君登壇、拍手〕
この発言のページ
- (上の発言)
36大大津力(参政)
参政党の大津力です。
参政党を代表し、国家情報会議設置法案につきまして、賛成の立場で討論を行います。
まず、大前提となる世界における我が国の現状について申し上げます。
戦後八十年余り、幸いにして、日本は武力による戦争に直接巻き込まれることはありませんでした。しかし、だからといって、私たちが真の平和の中にいたと錯覚してはなりません。一見平和に見える日常の裏側で、実のところ日本は、常に目に見えない情報戦という熾烈な戦いの真っただ中にさらされ続けてきたというのが私の強い危機感でございます。
情報戦では、世論、選挙、経済、技術、企業活動、地方自治、そして国民一人一人の認識までがターゲットにされております。武力によらずして相手国の意思決定をゆがめ、見えない形で社会の分断を深め、国家の機密を盗み出し、重要な人材を取り込み、世論を思いどおりに誘導する。これが現代における情報戦の実相であります。
こうした厳しい現実を直視すれば、我が国が情報戦への備えを抜本的に強化し、インテリジェンスを国家戦略の中核に据える体制を構築することは急務であります。同盟国である米国であっても、情報や世論の保護までを頼ることはできません。自らの情報収集力、分析力、防諜力、そして摘発力などを総合的に高めなければ、この危機を乗り切ることはできないのです。
本法案の審議に当たり、国家情報会議設置法案は、日本を戦争に巻き込むのではないか、戦中の一方的な言論統制や治安維持法の再来ではないかといった懸念の声や反対の意見も寄せられました。一部の国民が抱くこうした不安の念は理解はできますが、本法案は、決して日本を戦争に巻き込むためのものではありません。むしろ事実はその逆であり、本法案は、日本が他国の紛争に巻き込まれないようにするための強力な抑止力となるものであります。
正確な情報に基づく的確な情報分析がなければ、誤った政策判断を下し、事態を不必要にエスカレートさせ、かえって国家の危機を招きかねません。外国からの情報工作や軍事的な脅威を未然に察知し、平時から質の高い情報を集め、総合的に分析して危機を防ぐ。すなわち、国や国民を戦争の惨禍から守り抜くために、本法案は絶対に必要不可欠な第一歩なのであります。
本法案の目的は、これまで各省庁に散逸していた政府の情報機能を束ね、国家として必要な情報を集約、分析し、的確な政策判断に生かすための司令塔を設けることにあります。これまでの内閣情報調査室における総合調整権限の不足という縦割りの弊害をなくし、国家情報会議が政府統一的な情報活動の基本方針を示します。そして、新たに設置される国家情報局が各省庁を総合調整することで、我が国が有する多様な情報収集手段や情報源を最大限に活用できる仕組みを構築するものであります。
本法案が成立した暁には、多種多様な情報が効率的に司令塔に集約されることになります。内閣衛星情報センターが担う画像情報、最強のインテリジェンスとも称される電波情報、そして外務省や防衛省を始めとする人的情報や公開情報などが有機的に結び付き、質の高い総合的な分析が可能となります。これにより、米国などの同盟国、同志国とも情報保全の信頼関係を前提とした相互主義に基づく対等な情報共有や連携が更に深化することが期待されます。
さらには、集約された外国情報機関の工作の実態や、ディープフェイクのような偽情報の巧妙な手口に関する知見を、秘匿性に十分配慮しつつ、企業や研究機関、自治体、そして教育現場へ還元をすることで社会全体の防御力を底上げする効果も大いに期待ができます。
しかしながら、政府に対して強く申し上げたい。本法案には明確に不足している点があります。
法案によって会議体をつくり、情報を集約する器となる司令塔を置くだけでは、現場の防諜能力や工作の摘発能力は不十分であります。外国情報機関への協力や、重要インフラ、先端技術に関する情報流出、機密の不正取得に対して、実効的に取り締まり、処罰を担保する法制度が伴わなければなりません。政治家や公務員、研究者が巧妙に取り込まれるリスクに対して、現在の制度だけでは不十分であり、国と国民を真に守り抜くことはできないのです。
また、情報機関への強力な権限付与が、不透明な監視社会や表現の自由の萎縮につながるのではないかという国民の懸念点にも真正面から向き合う必要があります。高度な秘匿性が求められる活動であるからこそ、透明性や権力への牽制機能が欠如すれば、真の民主主義国家とは言えません。
さらに、特殊詐欺の被害が年間数千億円規模に拡大し過去最高を記録している現状に見られるように、国民自身が日常的に飛び交う偽情報を見抜く情報リテラシーを持ち合わせていないことも極めて大きな懸念材料でございます。
こうした本法案の決定的な不足点や国民の懸念を補うため、我が参政党は、既に先進国並みの包括的かつ網羅的な、いわゆるスパイ防止法案を国会に提出をしております。
法案で定めておりますのは、第一に、情報漏えいや機密の不正取得、外国情報機関への協力に対して実効的な取締りと処罰を科す防諜・摘発体制の確立です。
第二に、外国勢力による政治や世論への工作活動を可視化する外国代理人登録制度の導入です。これは、特定の外国人を排斥するものではなく、外国政府等の利益のために活動する者に登録と情報開示を求め、不当な干渉の背景を透明化するものであります。
第三に、権限の暴走を防ぐための監視機関の設置です。高度な秘密を保護しつつも、専門的見地から活動の適正性を厳格にチェックする独立した第三者機関の設置や、国会への適切な報告制度を設けます。
第四に、国民全体の情報リテラシーの抜本的向上です。フィンランドなどの北欧諸国に見られるように、未就学児や義務教育の段階から情報の真偽を見抜く教育を国家の安全と民主主義を守るために徹底し、大人への啓発活動と並行して進めることを求めています。
我が党が提出した法案は、司令塔機能の整備にとどまる本法案の不足点を補完し、同時に、権力への監視体制や情報公開のルールを設けることで、国民が抱く懸念点を明確に払拭するものになっております。情報を集める力、分析する力、秘密を守る力、偽情報を見抜く力、人材を育てる力、そして外国からの影響力を透明化する制度、これらを総合的に整え、かつ国民とともに歩まなければ、この熾烈を極める情報戦の時代を生き抜くことはできません。
国家情報会議を設けることは、あくまで出発点にすぎません。我が党の提案も含め、国家の独立と民主主義、そして国民一人一人の安全を真に守り抜くための更なる力強い取組を政府に強く求め、賛成討論といたします。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
37
関口昌一議長
これにて討論は終局いたしました。
─────────────
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38
関口昌一議長
これより採決をいたします。
本案の賛否について、投票ボタンをお押し願います。
〔投票開始〕
この発言のページ
39
関口昌一議長
間もなく投票を終了いたします。──これにて投票を終了いたします。
〔投票終了〕
この発言のページ