自由民主党の松川るいです。
会派を代表し、国家情報会議設置法案について質問させていただきます。
敵を知り己を知らば百戦危うからず。孫子の格言は、まさにインテリジェンスの真髄をついています。敵を知るとは、外部からの情報により相手の能力と意図を把握すること、己を知るとは、自己の脆弱性分析とカウンターインテリジェンスに該当します。百戦危うからずとは、勝つというより戦略的奇襲を避けることにあります。平和国家である日本こそ、危機を未然に防ぐためにインテリジェンスの充実が不可欠であります。
しかるに、我が国には、諸外国では当然存在する対外情報庁がいまだ存在しません。さらに、関係省庁の一部門としての情報部門はありますが、その活動は組織ごとの縦割りとなりがちであり、活動全体を俯瞰して分析し、政府として意思決定を行い、指揮する司令塔機能も存在しません。
今回の法案では、国家としての情報分析能力を高め、インテリジェンスの司令塔の強化のために、総理をトップとする国家情報会議を設置するとともに、現在の内閣情報調査室を発展的に解消して国家情報局を設けることとしています。ただ、これらが機能するためには、器の中に魂を入れ、トップの指示が横串となって貫かれるような法的な担保が大切だと考えます。
本法案により、具体的にはどのような改善が期待できるでしょうか。例えば、情報関係省庁から官邸への情報集約が義務的になり、その結果、オール・ソース・アナリシスがより十全にできるようになると理解すればよいのでしょうか。
また、器の中の人材の情報収集・分析能力を強化していくことも欠かせませんが、そのための人材育成は極めて重要です。
これらについて、高市総理の御所見をお聞かせください。
実は、私自身、国会議員になる前、外務省の国際情報統括官組織というインテリジェンス部門で働いておりました。その際にも、米国のCIA、英国のSIS、通称MI6、豪州のASISのような対外情報庁が日本に存在しないことにはじくじたる思いをしてまいりました。もしも日本に対外情報庁があったなら、きっと拉致問題はずっと前に解決していたのではないかと思うからです。
当時、あるCIAの方から、日本はいつになったら対外情報庁をつくるつもりなのかと聞かれ、十年後を見ていてほしいと答えたことを思い出します。そのときから十年以上がたっています。私にとって、対外情報庁設置は長らくの悲願です。今回の国家情報局設置は、日本が対外情報庁を設立する上での重要な第一歩だと考えています。総理の御所見をお伺いします。
また、情報分析業務については、分析結果への信頼確保等のために政策部門から一定の中立性、独立性が求められますが、この点をどのように確保していくお考えでしょうか。
さらに、情報活動の特性上、秘密裏に推進することが求められますが、一方で、国民の理解を深め、国民によるその在り方に対する意見について検討することも不可欠です。これらをどのようにバランスを取りながら、国家情報戦略の対外公表を進めていくお考えでしょうか。
いずれも木原長官にお伺いします。
最後に、近年、海外発信と思われる偽情報により、世論形成や政策決定をゆがめ、我が国を不利に、あるいは海外の特定国を有利にする動きが見られます。米英豪などの諸外国も法的対策を行っていますが、いわゆるカウンターインテリジェンスの強化として、日本国内で影響工作を行う個人、法人の登録義務化を含め、どのように対処していくお考えでしょうか。
この点を木原長官にお伺いして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕
1
関口昌一議長
これより会議を開きます。
日程第一 国家情報会議設置法案(趣旨説明)
本案について提出者の趣旨説明を求めます。木原稔国務大臣。
〔国務大臣木原稔君登壇、拍手〕
この発言のページ
2
木原稔(自民)内閣官房長官
国家情報会議設置法案の趣旨について御説明申し上げます。
この法律案は、重要情報活動及び外国情報活動への対処に関する重要事項を調査審議する機関として、内閣に国家情報会議を設置することとし、その所掌事務等に関する事項を定めるものであります。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、国家情報会議は、重要情報活動に関する基本的な方針、外国情報活動への対処に関する基本的な方針等を調査審議することとしております。
第二に、国家情報会議は、議長及び議員で組織することとし、議長は内閣総理大臣を、議員は内閣法第九条の規定によりあ…
この発言のページ
3
関口昌一議長
ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。松川るい君。
〔松川るい君登壇、拍手〕
この発言のページ
- (上の発言)
4
松川るい(自民)
自由民主党の松川るいです。
会派を代表し、国家情報会議設置法案について質問させていただきます。
敵を知り己を知らば百戦危うからず。孫子の格言は、まさにインテリジェンスの真髄をついています。敵を知るとは、外部からの情報により相手の能力と意図を把握すること、己を知るとは、自己の脆弱性分析とカウンターインテリジェンスに該当します。百戦危うからずとは、勝つというより戦略的奇襲を避けることにあります。平和国家である日本こそ、危機を未然に防ぐためにインテリジェンスの充実が不可欠であります。
しかるに、我が国には、諸外国では当然存在する対外情報庁がいまだ存在しません。さらに、関係省庁の一部門としての情報部門はありますが、その活動は組織ごとの縦割りとなりがちであり、活動全体を俯瞰して分析し、政府として意思決定を行い、指揮する司令塔機能も存在しません。
今回の法案では、国家としての情報分析能力を高め、インテリジェンスの司令塔の強化のために、総理をトップとする国家情報会議を設置するとともに、現在の内閣情報調査室を発展的に解消して国家情報局を設けることとしています。ただ、これらが機能するためには、器の中に魂を入れ、トップの指示が横串となって貫かれるような法的な担保が大切だと考えます。
本法案により、具体的にはどのような改善が期待できるでしょうか。例えば、情報関係省庁から官邸への情報集約が義務的になり、その結果、オール・ソース・アナリシスがより十全にできるようになると理解すればよいのでしょうか。
また、器の中の人材の情報収集・分析能力を強化していくことも欠かせませんが、そのための人材育成は極めて重要です。
これらについて、高市総理の御所見をお聞かせください。
実は、私自身、国会議員になる前、外務省の国際情報統括官組織というインテリジェンス部門で働いておりました。その際にも、米国のCIA、英国のSIS、通称MI6、豪州のASISのような対外情報庁が日本に存在しないことにはじくじたる思いをしてまいりました。もしも日本に対外情報庁があったなら、きっと拉致問題はずっと前に解決していたのではないかと思うからです。
当時、あるCIAの方から、日本はいつになったら対外情報庁をつくるつもりなのかと聞かれ、十年後を見ていてほしいと答えたことを思い出します。そのときから十年以上がたっています。私にとって、対外情報庁設置は長らくの悲願です。今回の国家情報局設置は、日本が対外情報庁を設立する上での重要な第一歩だと考えています。総理の御所見をお伺いします。
また、情報分析業務については、分析結果への信頼確保等のために政策部門から一定の中立性、独立性が求められますが、この点をどのように確保していくお考えでしょうか。
さらに、情報活動の特性上、秘密裏に推進することが求められますが、一方で、国民の理解を深め、国民によるその在り方に対する意見について検討することも不可欠です。これらをどのようにバランスを取りながら、国家情報戦略の対外公表を進めていくお考えでしょうか。
いずれも木原長官にお伺いします。
最後に、近年、海外発信と思われる偽情報により、世論形成や政策決定をゆがめ、我が国を不利に、あるいは海外の特定国を有利にする動きが見られます。米英豪などの諸外国も法的対策を行っていますが、いわゆるカウンターインテリジェンスの強化として、日本国内で影響工作を行う個人、法人の登録義務化を含め、どのように対処していくお考えでしょうか。
この点を木原長官にお伺いして、私の質問を終わります。
御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔内閣総理大臣高市早苗君登壇、拍手〕
5
高市早苗(自民)内閣総理大臣
松川るい議員の御質問にお答えいたします。
本法案によって期待される改善点や組織的な人材育成についてお尋ねがありました。
複雑で厳しい国際環境において、的確な意思決定を行っていくためには、国家としての情報力を高めなければなりませんが、現行の体制では、政府全体の情報活動を俯瞰してハイレベルな方向付けを行ったり、それに向けて各省庁の活動を調整したりするインテリジェンスの司令塔機能が十分とは言えませんでした。本法案は、こうした課題に対処すべく、関係閣僚で構成される国家情報会議が情報活動の基本方針を示すこととするとともに、同会議を支える国家情報局が基本方針の下…
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6
木原稔(自民)内閣官房長官
松川るい議員より、まず、情報分析の中立性確保についてお尋ねがありました。
情報部門と政策部門の分離と、それによる情報分析の中立性、独立性の確保は重要な課題であります。
これまで、内閣における安全保障分野の政策部門である国家安全保障会議が閣僚級であるのに対し、情報部門は事務次官級の内閣情報会議であり、ランクに差がございました。
また、支える事務局についても、国家安全保障局は企画立案権や総合調整権が付与されているのに対し、内調はそうした権能が付与されていないという差がありました。
これが同格のものとして整備されることで、安全保障政策と情報活動の意思決…
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7
関口昌一議長
小島とも子君。
〔小島とも子君登壇、拍手〕
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