お答えいたします。
本法律案による自動車運転死傷処罰法第二条第一号の改正は、現行の正常な運転が困難な状態との構成要件を、個別具体的な事情問わず一律にそのような状態と認められる数値基準を設けることでより明確化するものでございます。
判例上、この正常な運転が困難な状態とは、アルコールの影響により道路交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態をいい、アルコールの影響により前方を注視してそこにある危険を的確に把握して対処することができない状態もこれに当たるとされているところでございます。
そして、アルコール医学の知見によりますと、体内アルコール濃度が呼気一リットルにつき〇・五ミリグラムに至っている場合には、個人差を問わず、注意力や警戒心の低下、反応の遅延といった運転に必要不可欠な能力への影響が生じているとされているところでございます。そのような影響が生じていれば道路交通の状況に応じた運転操作を行うことが困難な状態に至っていると評価できると考えられるところでございます。
そこで、少なくとも、身体に呼気一リットルにつき〇・五ミリグラム以上にアルコールを保有する状態であれば一律に正常な運転が困難な状態と評価できると考えられることから、これを数値基準として改正後の法第二条第一号に定めることとしているところでございます。
他方で、数値基準を呼気一リットルにつき〇・三ミリグラムとする案については、法制審議会の部会についても議論が行われたところでございました。
これに対しては、アルコール医学の知見によると、実験によって裏付けられている範囲で、何人にも注意力の低下等の症状が生じていると認められる体内アルコール濃度は呼気一リットルにつき〇・五ミリグラムであるとの異論が示され、幅広い支持を得るまでには至らなかったということでございました。
なお、数値基準は、あくまでも個別具体的な事情を問わずに一律に正常な運転が困難な状態であると認められる症状が生じる数値として認定しているものでありまして、この数値基準に満たない場合であっても、個別具体の事情に照らしまして正常な運転が困難な状態と認められる場合には危険運転致死傷罪が成立し得るところでございます。
3
伊藤孝江(公明)
御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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4
伊藤孝江(公明)
自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律及び道路交通法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案の趣旨説明は既に聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
質疑のある方は順次御発言願います。
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5
古庄玄知(自民)
おはようございます。大分県選出の古庄です。
資料一を御覧ください。
時速百九十四キロの事故が大分市内の通称四十メートル道路で発生したのは、平成三年二月九日です。その後の事件の流れは、令和、済みません、間違えました。平成じゃなくて、令和三年二月九日です。その後の事件の流れは、その資料一記載のとおりです。
既に足掛け六年ですけれども、まだ解決しておりません。資料二のとおり、一審と二審の判断が異なっているからです。被害者側の処罰感情はまだ鎮静化しておりませんし、また、加害者の社会復帰もはるかにかなたにあると、そういう状況です。
この法律の条文が曖昧であ…
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- (上の発言)
6佐佐藤淳法務省刑事局長
お答えいたします。
本法律案による自動車運転死傷処罰法第二条第一号の改正は、現行の正常な運転が困難な状態との構成要件を、個別具体的な事情問わず一律にそのような状態と認められる数値基準を設けることでより明確化するものでございます。
判例上、この正常な運転が困難な状態とは、アルコールの影響により道路交通の状況等に応じた運転操作を行うことが困難な心身の状態をいい、アルコールの影響により前方を注視してそこにある危険を的確に把握して対処することができない状態もこれに当たるとされているところでございます。
そして、アルコール医学の知見によりますと、体内アルコール濃度が呼気一リットルにつき〇・五ミリグラムに至っている場合には、個人差を問わず、注意力や警戒心の低下、反応の遅延といった運転に必要不可欠な能力への影響が生じているとされているところでございます。そのような影響が生じていれば道路交通の状況に応じた運転操作を行うことが困難な状態に至っていると評価できると考えられるところでございます。
そこで、少なくとも、身体に呼気一リットルにつき〇・五ミリグラム以上にアルコールを保有する状態であれば一律に正常な運転が困難な状態と評価できると考えられることから、これを数値基準として改正後の法第二条第一号に定めることとしているところでございます。
他方で、数値基準を呼気一リットルにつき〇・三ミリグラムとする案については、法制審議会の部会についても議論が行われたところでございました。
これに対しては、アルコール医学の知見によると、実験によって裏付けられている範囲で、何人にも注意力の低下等の症状が生じていると認められる体内アルコール濃度は呼気一リットルにつき〇・五ミリグラムであるとの異論が示され、幅広い支持を得るまでには至らなかったということでございました。
なお、数値基準は、あくまでも個別具体的な事情を問わずに一律に正常な運転が困難な状態であると認められる症状が生じる数値として認定しているものでありまして、この数値基準に満たない場合であっても、個別具体の事情に照らしまして正常な運転が困難な状態と認められる場合には危険運転致死傷罪が成立し得るところでございます。
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古庄玄知(自民)
また、飲酒類型なんですけれども、正常な運転が困難な状態という文言、これ不明確で、罪刑の明確性に反するんじゃないかと、そういう御意見もあろうかと思うんですが、この点について法務省はどのようにお考えでしょうか。
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8佐佐藤淳法務省刑事局長
一般に明確性の原則とは、刑罰法規は明確でなければならないとするものでございまして、憲法三十一条の罪刑法定主義の内容を成すものだと理解されていると承知しております。
そして、刑罰法規が明確性の原則に適合するかどうかについて、判例によりますと、通常の判断能力を有する一般人の理解において、具体的場合に当該行為がその適用を受けるものかどうかの判断を可能ならしめるような基準が読み取れるかどうかによってこれを決定すべきであると判示しているところでございます。
改正後の正常な運転が困難な状態との要件は現行においても規定されているところでありまして、この要件について…
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古庄玄知(自民)
それでは次に、改正法第二条四号、高速度類型についてお尋ねします。
この高速度類型についても数値基準導入したのは大きな前進だと思います。ただ、最高速度が六十キロ以下の道路の場合は五十キロオーバーした場合、それから最高速度六十キロ以上の道路は六十キロ以上オーバーした場合、この場合に危険運転致死傷罪が成立すると、こういう話なんですけれども、この基準も高過ぎるんじゃないかと、こういう意見が出ております。この辺、どういう根拠でこういう数字を基準として用いたのか。
それから、聞くところによると、制限速度の一・五倍とか二倍とか、そういう倍数でいくという見解もあった…
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